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北海道札幌市を拠点に発達障害の理解啓発を深める活動をしており、月に1〜2回のペースで「発達障がいの学びば」を開催しています。
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【発達障害と雇用】会社の対応(「企業法務ナビ」より)[2014年10月13日(Mon)]
【発達障害と雇用】会社の対応(「企業法務ナビ」より)

 発達障害とは、先天的な脳機能の疾患である。具体的な特徴としては、「机の上が片付けられない」、「忘れ物やミスが多い」、「約束や時間が守れない」、「すぐキレる」、「空気が読めない」等の特徴を示すことが多い。職場で多く問題になるのは、「空気が読めない」、「考えろと言ったのに何も考えてない」など想像力の欠如であることが多い。

 特徴としてコミュニケーションが苦手で、ストレス耐性が弱く、不利な環境に対して反応を起こしやすい。ではなぜこの問題は生育過程で修正されず、さらには面接もすり抜けてしまうのか。それは学生時代には成績さえよければ生活態度等はウヤムヤにされることが多いこと、学生時代は付き合う人間を選べること等によって、自分の苦手な人と付き合うことが必ずしも求められず、人間関係によるストレスにさらされる機会が多くないからと言われる。
 そして社会人になって毎日同僚や年の離れた先輩後輩と付き合わなければいけない中で、本音と建前を見極め、合わない人とも付き合い続けなければならず、このコミュニケーションの不得手さが露呈することになる。その結果、「どうして場の空気がわからないんだ」、「一度言ったことが同時並行できないんだ」と繰り返して指摘される失敗体験を経て、自信喪失していくという構図が認められる。

【企業での対応】
 では実際に自分の部署に発達障害と思われる人がいた場合、会社はどうすべきか。まず気に留めて欲しいのは、その出現頻度は6%以上と言われ、30人同僚がいるとすれば、平均して1.8人いることになる。
発達障害の人はコミュニケーションに問題を抱えるだけで、それ以外は健常者と何ら変わりがない。それどころか、こだわり症であることが多いから、自分の得意分野にあたれば大きな成果を生むと言われている。
 発達障害そのものを理由とした解雇は当然禁止される(労働契約法16条、17条)。解雇回避努力として配置転換、社内教育(労働契約法3条3項、5条)をした上で、なお適切な労務提供が認められない時にのみ解雇が許されるだろう。もしうつ病を併発した場合は、休職をすすめるということも良い。休職制度そのものは労基法には定めがないので、就業規則、労働協約によって休職制度があるか確認する必要がある。他に相談すべきところとして、発達障害情報・支援センターがある。

 一度採用してしまえば日本の労働契約法では解雇規制が働くのはもちろん、採用コスト、教育コストを考えると簡単にクビにできないであろう。一方で仮に退職したとしても、うつ病等を併発して他の仕事もできなくなり身寄りもない場合などであれば、生活保護を受給することも考えられる。その場合のコストは社会全体で負担することになる。

 もっとも、先に述べたように発達障害者は周囲の理解さえあれば大きな力を発揮できるとも言われている。具体的には、変化に柔軟に対応するような仕事は向いてないが、在庫管理、経理などの定型的な業務を、正確に、緻密にさせることには向いていると言われている。企業の中で内部研修する機会を設けて理解を深めることが会社の発展へつながるのでないか。

http://www.corporate-legal.jp/houmu_news1655/
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