日照りで涸れてしまった井戸に、
二度のゲリラ豪雨が降り、
28年ぶりの緊急事態は48時間で井戸の水位が戻り、
断水生活は二日で元に戻りほっとしております。
しかし、雨のあとも、
猛烈な高温多湿が続き、とても、岩手とは思えない8月です。
そんな熱中症アラート発令猛暑の中で、二日間にわたって、
自然保護協会の皆さんと須田先生にお越しいただき、
今年3回目の田んぼモニタリング調査を行いました。
初日は、トンボやチョウの陸上昆虫、
二日目は、ビオトープやたんぼの水生昆虫を中心に、
湿性、水生植物も。
もう、うだるような、滝の汗だくだくの過酷な調査でありましたが、
今回も新たな発見にめぐまれた中々に密度の濃い時間になりまして、
汗だくの甲斐は十分すぎるほどありました。
初日は、ビオトープ内で、多くのギンヤンマを確認、捕獲。
こうして、実物を間近で観る機会は中々ないものですが、
じっくり見ると実に美しいトンボです。
丁度この時期のビオトープの主役といった感じです。
トンボは、数種類の赤トンボや小さな糸トンボたちを含めると計15種類。
基本的には、みな益虫なので、ビオトープ効果で、
数が増えているとしたらとても嬉しいことです。
「季節ごとに成虫として飛び回る期間が種によって違うのは、
競合を避けて同じ場で共生するための生き物の知恵です」
という須田先生の言葉はとても印象に残りました。
人間って、トンボよりすぐれた生き物と言えるのでしょうか、ね。
この日は、ビオトープ内では、和ハッカも確認。
メントールというアルコールに近い成分を多量に含むこの植物。
かつては、世界一の生産大国だった日本ですが、
輸入自由化や合成ハッカの登場で産地は衰退、消滅状態・・・でしたが、
近年、養蜂家を悩ませるアカリンダ二を寄せ付けない成分としても
再び注目されているそうです。
挿し木で増やせるそうなので、やってみることにします。
もしかして、Yちゃんのお菓子の材料にもなるかも・・・。
田んぼの中では、水オオバコの花も確認。
一日しか咲かないそうなので、
逃すまいと写真を撮ったら、
東京ダルマガエルとのかわいいツーショットになりました。
二日目のメインは、水生昆虫。
今回も又、新たなゲンゴロウが見つかり、
これで、この里山で確認できたゲンゴロウの数は10種類を超えました。
これは、中々に素晴らしいことです。
長年、農薬を一切使ってこなかったことで、
そのぶん膨大な作業をこなしてきたわけですが、
それによって、
こうした生き物たちの個体数が劇的に多い空間が生まれていたことは、
農家としては大きな励みと誇りになります。
そして、この日、一番驚いたのがこれ。
なぜか、田んぼで捕獲できたキンブナ。
これはコイと違って在来のフナなので、
生態系に与えるダメージは無いとのこと。
ならば、大切に育てようと言うことになりました。
それにしても、どういういきさつで、
この魚がこの田んぼに生息していたのか・・・謎です。
調査をしてみて初めて出会う生き物たちの面白さ。
ここに又、里山の奥深さがあります。
今年の調査は、秋以降もう1回。
データが出そろって、生物多様性の分析結果が出てくるのが
とても楽しみになってきました。
by 夏バテ寸前の里山おやじ