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地域に暮らす私たちが、地域資源の魅力に気づき、
楽しく活用するしくみづくり

2024年02月27日

シェアファームコミュニティ

うたがき優命園は、この春から、
明確に「半農半Xのシェアファームコミュニティ」
というキーワードを胸に農場を運営していきます。

こういう形を初めから意図していたわけではなく、
農的暮らしをベースに自分の夢やビジョンを持つ若者達が集まってきたからこそ、
生まれてきたキーワードであり、運営形態の構想です。


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私たち夫婦に若者3人、あわせて5人の小さなコミュニティですが、
大規模化できない里山のサイズには丁度良いし、
5人それぞれの個別の価値観や得意分野をフルに活かして、
この里山の地で様々なオリジナリティに溢れた価値を
生み出し続けていきたいと思います。

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「半農半X」は、最近実によく聞くようになりました。
これは、塩見直紀さんという方が作られた言葉ですが、
優命園の場合、この「農」は、決して農業ではなく、
自給ベースの農的暮らしの「農」です。
この部分を5人の共働で行い、
お金をあまり掛けずに豊かに暮らす基盤を作ります。

その上で、それぞれがそれぞれのこだわりを持って、
Xの部分で、鶏卵や米、小麦、梅、桑の栽培やお菓子やヨモギ茶製造、
そしてイベント開催などなど・・・で収益生産をしていきます。


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 鹿や熊の獣害対策として大きく一q近く囲った電気柵内の農場を、
モザイク状に分け合って利用しながら
それぞれの担当作物や動物たちを育てていく、
そんなスタイルをシェアファームと表現してみました。


 新しいスタイルの挑戦には試行錯誤がつきもの。
これからも大波小波様々乗り越えなければならない課題が
現れてくることでしょう。
それも覚悟の上で、
新しい時代にふさわしい新しいコミュニティのあり方を
コツコツと模索していこうと思っています。


    by 里山おやじ
【うたがき優命園とはの最新記事】

2024年02月19日

果樹剪定

果樹剪定の季節。
いつもは、雪の中で、足指が冷たくかじかんで辛いときもあるのですが、
今年は全くそんな心配なし。
まるで、関東地方の冬です。

年末、植物ホルモンの講習会に福島まで行ってきて、
多くのことを学んで、早速実践。


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少しずつ、植物ホルモンの流れと剪定の関係性に関して、
知見が深まってきました。

それをコミュニティとしての集合知として育てていきたいと思っています。


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剪定は奥が深くてどこまでも面白い。

どの枝を切るか、というたった一つの選択の中にも、
そこを切る事によるメリット、ディメリット、
切らない場合にも、切らないことによるメリットディメリットが必ずあります。

人生にも大小様々な選択、決断、岐路が常にありますが、
どっちの道を選んでも、必ずメリット、ディメリットがあるわけで、
この選択が絶対正しいとか、そんなことはないと思っているんで、
剪定は、なんか通じることろがあります。

   by 里山おやじ



2024年02月01日

高木伐倒

とても岩手とは思えない、まるで関東地方のような暖冬。
雪がない分、外仕事もはかどります。

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この冬は、15mを超えるほどのニセアカシアを5本伐倒。
これ、蜜源として植えたのは、27,8年前だったかな・・・。
ちょっと増えすぎてしまったので、薪用に伐採。

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(その頃、まだ生まれてなかった)農場長のロープワークは
かなり上達。このクラスの伐倒になると、
「万が一」が重大事故になるので、
全てロープを掛けて5人がかりで慎重に慎重に作業しました。

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それにしても、ここまで暖冬だと、
さすがに気味が悪い・・・。


   by 里山おやじ

2024年01月16日

時には昔の話を

「時には昔の話を」っていう大好きな歌がありまして・・・
今日は一日中、この歌が耳から離れません。

久々にこの歌を聴いたわけではなく、
久々に昔の話をしたからです。

奥州市での新規就農に関心のある参加者対象に
就農時の体験話などを聞かせてもらいたいという企画で、
うたがき優命園を訪れた方々に、
久々に昔話をする機会があったのでした。

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♪ お金はなくても何とか生きてた
   貧しさが明日を運んだ〜
♪ 揺れていた時代の熱い風に吹かれて
   体中で時を感じたあぁぁ  そうだね


という曲の歌詞そのものの、
若くて熱かったあの頃を懐かしく思い出しました。
のはいいんだけど、参加者の真剣なまなざしに乗せられて
相当な時間オーバー・・・反省。


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そういえば、先日、次男と2人で伐倒した桑の大木。
切り株の年輪を数えたら32年。
この樹、私たち夫婦が新規就農した年に芽生えてたのか!



そう思うと、切り倒した木に愛おしさがこみあげてきまして、
これから、この樹で木皿を作って、
時には昔の話をしながら
次世代の若者たちと囲む日常の食卓で使ったら、
なんかとてもいいよな〜・・・といつもの妄想癖発症。

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この木工スキル身につけておいてほんとに良かった。
ささやかな楽しみができました。
「時には昔の話を」してみるものです。


    by 里山おやじ
posted by 里山生活学校 at 16:35| Comment(0) | 未分類

2024年01月15日

本年もよろしくお願いいたします。

2024年、今年もよろしくお願いいたします。

大変な幕開けとなりました。
被災した皆さまに心からお見舞い申し上げます。
どうか、これ以上犠牲者が出ませぬように。

そして、この中で、私たちが改めて注目しなければならないことは
被害の大きかった地域に原発建設計画(珠洲原発)があり、
その計画が凍結されていたという事実です。
今回の痛ましい大災害の中にあって、
3/11後に起きた福島原発の大事故のような災害が起きてないことだけは
不幸中の幸いと言わざるを得ません。

私たちは覚悟を持って、この問題と向き合わなくてはならない
と言うことなのだと思います。

地震、津波、原発、エネルギー自給率、石油依存社会・・・
これらに目をそらすことは許されない、
という自然界からの強烈なメッセージとして、
この災害大国に生きる運命を受け取らなければならないのでしょう。

必要なことは、
エネルギー自給率が決定的に低水準であることを自覚した上で
狭い認知から感情的な原発反対や賛成を叫ぶ争いではなく、
視野を広げ、視座を高くもち、
長期展望の視点も十分増やした上で、
メリット、ディメリット、リスクをすべてオープンに洗い出し、
どこまでのリスクをとりながら、
どこまでのメリットを享受するのか
と言う冷静な議論だと思います。

そして、更にもう一つ、
自給率を上げるための
エネルギー依存度を下げる暮らし方の探求も必要不可欠です。

足るを知るという思想が共有されたとき、
依存度と幸福度は半比例する部分さえあると思っています。

   by 里山おやじ
posted by 里山生活学校 at 06:57| Comment(0) | 未分類

2023年12月31日

今年もお世話になりました。

雪のないありがたい大晦日。
語りログ小屋のハンモックに揺られて、
農場を見渡しながらしばし今年一年を振り返る
ジジイの自撮り、の図。

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今年も最初から最後まで、
語り尽くせぬほど色んな事がありました。
身に起きた試練と恩恵の全てに感謝して、
心穏やかに新しい年を迎えたいと思います。
皆さま、どうぞ良いお年を。


   by 里山おやじ
posted by 里山生活学校 at 21:07| Comment(0) | 未分類

2023年12月24日

給水管交換大工事

年末の慌ただしい中、
井戸の給水管大工事に追われてました。

自力で敷設してから、二十八年経過した井戸の給水管。
どこかの継ぎ手から僅かに空気が入ってしまうようになり、
蛇口からボコッ、ボコッと空気が出る症状が直らず、
思い切って大工事をして、
新しい給水管を新たなコースで引き直すことにしたのです。

 ところが工事は想定外のトラブル続き。
年末に何日も水が使えない苦労をしました。

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まずは、浅井戸からの吸水口を掘り出す際に、
井戸側の脇に埋めていた貯水タンクから地下水が噴出。
この水を逃がすために給水管とは別の溝を二十メートル以上掘る羽目に。

そして、せっかく掘った給水管の方の溝は、
ネットで注文した給水管が一週間以上届かない間に、
まさかの大雨で一部崩落。

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やっとその土を掘りあげると、今度は寒波襲来。
敷設した給水管をジョイントでつないだところで、給水管内が凍結。

熱湯を掛けても、ドライヤーで温めても溶けず、
四十メートルもの給水管を再び外して室内へ。

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管内の氷を溶かして、やっとつなぎ直せると思ったら、
室内まで運んでいる往復の間に、
特殊ジョイントのパッキンが落ちたらしく紛失。

ネットで注文し直しか、年内に届かないかも・・・。
と、焦っていたら、市内の水道パーツ屋さんで在庫が見つかり、急いで買い出しに。

ようやく、ようやく、新しい給水管をポンプまでつなぐことが出来ました。

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まったく、今回はトラブルの連鎖で、ドタバタの年末奮闘記でありました。


でも、まあ次世代の農場長とこのドタバタ工事の作業経験を共有できたので、
例えば、数十年後、又、給水管にトラブルが起きたときは、
今度は私がいなくても出来る事でしょう。
これも一つのバトンタッチです。

   by 里山おやじ


2023年12月13日

しめ飾り


大豊作だったお米の年間予約いただいた方に感謝を込めて、
お正月のしめ飾りをプレゼントしています。

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有機栽培・天日干しの米作りならではの稲藁から、
特に立派な藁を厳選して、
一つ一つていねいに作ります。

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最近年末は、あちらこちらで、
このしめ飾り作りのワークショップの依頼も増えて、
師走の忙しい里山かあちゃんでありまする。
(年明けからは、亀やホウキ作りのワークショップも受け付けておりまして、
 だんだん農閑期のライフワークになってきた感があるます。)

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日本人のきめ細やかな米作り文化の一端、しめ飾り。
大事にしたい、
大切に残したい、
次世代に伝えたい。


    by 里山おやじ

2023年11月29日

冬じまい

里山に雪の季節がやってきました。
まだ、根雪ではありませんが、
根雪になる前に、やりたい冬じまいがいくつかありまして…。
冬場の貴重な食料の保存もその一つ。

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大根、人参、カブなどの根菜類は、
収穫した物を選別して、質の良い物は長期保存のため、
キッチンガーデンに溝を掘って、藁を敷いて、埋めておきます。

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昨年くらいから、堆肥の技術が向上してきて、
これまでうまく出来なかった根菜類も、
ずいぶん良い物が穫れるようになってきました。

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猛烈な粘土質の酸性土壌にしては、
十分な出来映えです。

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これだけ穫れるようになってくると、
引っこ抜くのも一仕事、運ぶのも運搬車を使っての一仕事、
それを埋めるスペースを掘るのも一仕事。


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藁の上に一本、一本ていねいに並べて見ると、
なんだかとても良い風景に見えます。

4人がかりで約半日。
これで、チーム優命園5人分の根菜貯蔵完了。
安心して冬を迎えられます。

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こういう仕事は、
チームで役割分担して行うと、とても効率的で、楽しくて、感謝がわく。
もちろん、食料を確保できた安心感も手に入る。
端(はた)を楽(らく)にするから「はたらく」って誰かが言っていたけど、
端(はた)と競い合って、自分の時間を売り渡して、
稼いだ金で購入する食料とは、
同じ食べ物であっても、
やはり根本的に何かが,何もかも違う。

こういう「はたらく」を味わい尽くせる里山の小さな暮らしは、
何よりも贅沢なのダ、と思うのでありまする。

   by 里山おやじ


2023年11月26日

(続)11月の里山体験イベント

午後の部は、さらに10人以上の方々が集まり、
遠くは仙台、東京からも
本日はちびっ子含めて26人の参加者に来ていただきました。
本当に感謝です。

さてさて午後メニューは、A,Bの選択2コース。

Aコースは里山かあちゃん得意の正月用の注連飾り作りワークショップ。

農具であるレイキを使って新米の稲藁をしごいて、袴を取り除き、
霧吹きで湿らせて、金槌で藁を叩くところから始めます。

今年は,米の出来も良かったので、
稲藁もとても立派。
稲藁細工にも使いやすい。

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注連飾りの土台になる縄づくりは、
熟練が必要な手のひら縄ないではなく、
「素人でもすぐにできる縄ない」方法で
2人一組になって、力を合わせて、丁寧に。


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これで輪を作って、
里山で集めてきた松葉や松ぼっくりやアオハダの赤い実、
稲穂や唐辛子の赤い実を
お好みに合わせて
グルーガンで貼り付けていきます。


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スタートから約2時間かけて、
里山素材の手作り注連飾り完成です。

お正月にぜひお飾り下さい。


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さて、一方のBコースは,お散歩農場見学。
まずは、冬のビオトープにて、生き物調査。
この冷水の中、
網ですくって調べてみると・・・
生き物の種類こそ、夏場の半分の半分の半分以下ですが、
ヤゴやマツモムシ、ヌカエビ、アカガエルなど確認。
自然界のたくましさに感動です。


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ビオトープをあとにして、雪を踏みしめながら、
たんぼから畑へ。

畑はすっかり雪に覆われてしまいましたが、
鶏の餌である飼料カブを収穫してみました。

ちびっ子達が大奮闘してくれまして、
昔、絵本で何度も読んだ「おおきなカブ」を思い出しました。

小麦畑では、
やっぱり雪に埋もれてしまった小麦を確認。
今年は麦踏みが遅れてちょっと心配な状況ですが・・・。
中力粉のナンブ小麦と強力粉のユキチカラの二種類。
小麦栽培は、お菓子のゆきちゃんが素材作りから手がけています。

さらに収穫間近の大根、人参畑を通り、梅エリアへ。

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ここでこの時期観察できるのが、モズのハヤニエ。
梅のとがった枝に,モズがいくつもの小動物を刺しているのです。

この日は宝探しのような気分で、そのハヤニエを探してみると・・・
いました、いました。
アマガエル、カナヘビ、ミミズ、イナゴの四種類も。
モズ、がんばっとるなあ。
岩手大学で野生動物を研究してきた芽依ちゃんの説明によると、
これは、繁殖期に供えての保存食で、主に雄が食べるのだとか。
と、いうことは、梅って、モズの雄にとても感謝される果樹であり、
里山の共存関係発見です。

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最後は、先程収穫したカブを羊たちに。
優命園の羊たちはみな、人なつっこいので、
怖がりもせずによってきました。
相変わらず、人気者です。

そんなわけで、
6回目の芽依ちゃん企画の今年最後のイベントは、
思わぬ積雪ではありましたが、多くの人に足を運んでいただき、
とても楽しいひとときになりました。

回を重ねるごとに、
芽依ちゃんの企画力もブラッシュアップ!
来年に向けて、
さらなるヒントをいくつも抱えて、
ひとまず冬籠りに入ります。

参加してくださった皆さま、ありがとうございました。

   by 里山おやじ