最近ちらほらと耳にするようになった「ロケットストーブ」。
今回はその噂のロケットストーブを製作してしまおうという、今年最後のワークショップが11月13日(日)にありました。
ここの里山生活学校の作業小屋の暖房に利用するためです。
講師は、すでに7台ものロケットストーブを製作した及川一さん。
(まずは及川一さんによるロケットストーブの講義)
そもそもロケットストーブとは何者か??
オレゴン州の環境NGOテクニカルディレクターであるラリー・ウィニアルスキー博士が、1982年に開発した効率の良いストーブの燃焼原理で、これまでの木質系燃料(薪など)のストーブの歴史を変えるものとして注目されています。
その特徴は、
1.800℃もの高温で完全燃焼するので、熱効率が非常に良く煙が出ない。
2.燃焼塔内の強い上昇気流で排気を押し出すため、煙突の横引きができる。
3.煙突を地中や壁やベンチに埋め込み、その廃熱を暖房に活用できる。
4.完全燃焼と廃熱の有効活用で、少ない燃料で効率的に利用できる。
5.シンプルな構造で、安価な材料で自分で製作が可能。
6.ドラム缶や一斗缶で製作したものは、軽くて移動も簡単。
よくある薪ストーブの煙突方式だと、これとは反対にほとんどの熱が外に出されてしまうので、実はとても効率が悪いのです。
(及川さん自作のロケットストーブ5号の実演)
では、ロケットストーブの構造を見てみましょう。
1.焚き口
(薪などの燃料の投入口。断熱材で覆われており、勢い良く空気が吸われていく。細い薪でも燃料になる。)
2.ヒートライザー
(燃焼塔あるいは熱パイプ。ロケットストーブの要となる部分。周囲を断熱する事により、強い上昇気流が発生し、排気が強制的に押し出される。)
3.ロケットストーブ本体
(ヒートライザーからの排気が渦を巻いて下降する。輻射熱で周囲も暖まる。)
4.断熱材
(バーミキュライトやパーライト、耐火煉瓦など。断熱材のおかげで燃焼効率が抜群に良くなり、強烈な上昇気流が発生する。)
5.煙突
(ヒートライザーがどんどん排気を押し出すため、煙突を横に長く引くことができる。この部分の輻射熱をベンチなどに利用できる。)
(ロケットストーブの構造についての説明)
今回のワークショップでは、及川さんの指導を受けながら、実際にロケットストーブを作ってみました。
詳しくは【その2】で紹介します。