フクロウの声が聞こえています。
貴重な猛禽類の生息は、里山の豊かさの証でもありますし、
農家の天敵であるネズミを捕食してくれるフクロウは、
農家にとってはとてもありがたい里山の共存者でもあります。
そのフクロウが昨秋、防鳥糸に絡まって不幸にも事故死してしまったので、
岩大の智君に剥製づくりを頼んでおりました。
(剥製づくりがどれだけ大変かも知らずに。)
その後、智君は大いに苦労して苦心してようやく完成させて
持ってきてくれました。(ありがとね。)
その躍動感あふれる雄姿を里小屋内に設置。
不幸なフクロウくん、半年ぶりに剥製となっての帰還でありまする。
(生まれ育った里山に戻ったので、どうか成仏しておくれ。)
そして、
音を立てずに飛べる羽の仕組みや、
クルクル回る不思議な首や、
恐ろしく鋭い爪など、
身近な教材として訪れる人が実物を通してじっくり学べると思います。
大事にします。(だからくれぐれも成仏してね。)
さてさて、そのフクロウの声がよく聞こえてきた
生活学校入り口付近の広葉樹林ですが、
この春、地主さんが一斉に伐採。
生活学校を訪れてくる人は、みな一様に驚きます。
陽が入って一気に視界が開けてまるで別世界。
冬場、悩まされ続けた坂道の路面凍結も早く溶けてくれるかもしれませんし、
フクロウくんたちのネズミ狩りも見晴らしがよくなった分、
成功率が上がるかもしれません。
里山の広葉樹林の伐採は、決して自然破壊ではなく、
数十年単位の循環の一つのステージです。
植樹の必要なく、数十年で元に戻っていきます。
が、見慣れた風景のあまりの短期間での変化には、
やっぱり正直戸惑う日々であります。
多分フクロウくんたちも戸惑っていると思われますが、
とりあえず、別な森から声は聞こえてきていますので、
そのうち、慣れてくれるでありましょう。
by 里山おやじ