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2010年10月18日

自然観察会 その3

コメントをいただきましたが、5回に分けてお話します。
あと3回ほどおつきあいください。

早速有用樹木の続きです。
木の実の伝播手段で動物によるものは、
大きく分けると2種類あります。
一つは実(Nuts)で、もう一つは果実(Fruits)です。

【実】
この場所に限らず、木の実の代表格であるドングリ。
里山にたくさんあるのは「コナラ」のドングリです。
一番の働き者はリスや遊びに来た子供達ではなく、
里山で65種類確認されてい野鳥のうち、
「じぇーい じぇーい」と鳴く「カケス」です。
カケスが地面に埋めて、
しかも食べ忘れてくれることにより遠い場所で育つことができます。
ちなみにカケスの英名は”Jay”。
メジャーリーグのトロント・ブルージェイズは、
アオカケス(Blue Jay)から来ているようです。

「クリ」は熊が食べることもありますが、あっという間にリスが手を出します。

トチの実にはタンニンやサポニンが多く含まれ、
段階を経た灰汁抜きをしないと人は食べることができません。
ただ赤ネズミはそのまま口にできるようです。

「エゴ」はサポニンたっぷりですが、
なぜかヤマガラだけは平気で食べてしまいます。

【果実】
里山には野生のキウィと言われる「サルナシ」や前述の野ブドウあります。
ヒヨドリが桑の実だけでなく野ブドウの実もよく食べるそうです。
「イバラ」(野イバラもしくは野バラ)の赤い実は、
ツグミやベニマシコが食します。

ベニマシコとはスズメの仲間でピンク色をしてかわいらしいのですが、
和名が紅猿子と少々かわいそうな鳥です。
姿を見たい方は、Yahoo!ではなくYachoo!という所で探してみてください。

その他にはテンなども木の実を食べます。
テンはアイガモ農法にとっては天敵ではありますが、
桑の実などができるこの時期は動物は食べずに、
ベジタリアンに変身するそうです。


里山の畑の真ん中に「アケビ」があります。
甘くて美味しいその実は、あっという間に鳥に食べられてしまいます。
この日はたまたま哺乳類(要は私たち)が食べることができました。
とても甘く、一応試しに種を食たら物凄く苦い思いをしました。

このアケビやトマトや柿には、ある共通した特徴があります。
私はいくら考えても全くわかりませんでしたが、
正解は「種自体は苦く、まわりがぬるぬるしている」です。

ここで鹿やテンなどの頭蓋骨(本物)が登場しました。
種の立場にしてみれば動物に飲み込んでもらって、
フンとなって移動したいのですが、
臼歯ですり潰されてしまっては元も子もありません。

そこで種自身は苦く渋く、まわりは興味をそそるように甘く、
でも奥歯からはこぼれ落ちるようにぬるぬる、
といった進化を遂げました。
たらのめも野ブドウもアケビも種が苦いわけです。

小さい動物は口蓋の骨格的にも種にとってみればよいパートナーで、
いかに遠くまで運んでもらえるかがキーポイントになります。
ただ人が食べてしまえば水洗トイレで流されて一巻の終わりですけどね。

実はここで頭蓋骨と共に結構長いこと話があったのですが、
いずれ毛皮と骨は別枠で講義をするとのことなのでお楽しみに。

座学は以上でおしまい。
次回からは見学の様子をお届けします。

by おり
この記事へのコメント
進化の話は面白いです。
生活学校にきて、植物と動物と合わせて考える進化論にうなるばかりです。
ナルホドナルホド・・・
Posted by rokagonn at 2010年10月19日 13:07
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