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地域に暮らす私たちが、地域資源の魅力に気づき、
楽しく活用するしくみづくり

2024年10月30日

第1回リノベ塾「井戸掘りワークショップ」

第1回リノベ塾「西田方式水脈探し(井戸掘り)ワークショップ」開催しました。
講師に井戸掘り名人・西田稔さんをお呼びしまして、
(なんと、たまたま西田さんの誕生日にお呼びしてしまったのでした。)
県内外から20名の(濃〜〜い)参加者が、集いました。
(なんか、もう、「普通」という言葉が絶対当てはまらない人だらけ。私以外。)



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西田方式水脈探し(井戸掘り)は、
簡単に言えば、地表の地形や地面の状態を見ながら
水脈のありそうなところを探して、
単管パイプを、垂直に地面に打ち込んでいくというものです。


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打ち込むパイプは2mのものから始まり、
それを引き抜いては、3m→4m→6mとパイプの長さを伸していきます。
使う道具はほとんどが西田さんが考案した溶接手作りもの。


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この20kg近い重量の手作りハンマーを2〜4人で持ち上げて、
落としていく作業はなかなかに筋肉労働作業でありまする。動画でどうぞ。
(58歳にとって、この日の筋肉痛は、いつやってくるのでしょうか。)





この日は、午前中2本、午後4本の計6本を掘りました。
いずれも、3mから4mのところで岩盤にぶち当たり、
それを突破することはできなかったのですが、
その中で一番水の出が良かったところ
(ここは沖縄から参加の横山なおさんがOリングで選んだ場所!)
に手動ポンプを設置しまして、
日も暮れた最後の最後にポンプに取り付けた塩ビパイプから
水を出すことができました。
(思わず参加者から拍手が沸き起こった瞬間でした!)


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田舎移住の場合、
いまだに水道が引かれていない地域もあるし、
(まさにうちが30年以上そうなわけだけど・・・。)
災害などで電気が止まると水が使えず、
給水車の到着に時間がかかる地域もあることでしょう。
良い井戸を持っていることは、生きていく上で、
とても安心できる宝物です。


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都市くらししていると、多分そういう宝物に気づけない
人が多いと思いますが、
気候変動や環境汚染や水道民営化などなど、
世の中、水を巡る不安要素は増大の一方でもあります。
太っ腹の西田さんは、特許を取ったこの技術、
ワークショップなどで、どんどん広めてもらって構わない。
ただし、正確に「西田方式水脈探し(井戸掘り)」とう名称を使って下さい、とのこと。
岩手ではここを拠点にしたら良い、と言ってもらったので、
今後、この技術、希望する人に届けられるような形にしていきたいと思います。
(知恵と技の再現性をシェアする事は、とても大事な生き方です。)
エコビレッジを名乗るのであれば、
なおのこと持っていたい「生きる技術」の一つです。


    by 里山おやじ 

  

2024年10月16日

2024・サシバたんぼプロジェクト・4

無事、脱穀完了。
これが今年の米作りのゴール作業。


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3日ぶっ続けでさすがに体はへばったけれど、
秋晴れのもとで噛みしめる収穫の喜びと
一年間の食糧確保の安堵で
心は最高に満たされる里山時間を満喫。
年々手際よくなる次世代農場長の作業ペース
とスタミナについていけない場面もしばしば。苦笑
年取ったなあ、俺。
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そして、体調の良いかあちゃんも
3日連続出動で大いに助かりました。
4年前の大病で倒れたときは
こうした家族時間を想像することさえできなかった。

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それを思えば、この日常にもっともっと感謝しなきゃな。


農家って、
こんな風に
自然や天候や風景や作物や家族や仲間・・・
目に映るもの全てに跪いて感謝できる日が何度もある。


農家の経営状況はまだまだ依然苦しいけれど、
こういう心が育まれる生き方として、
その価値がきっと大きく見直される日が
一歩一歩近づいてきていると思う。
そういう時代の胎動をひしひしと感じている。


   by 里山おやじ


2024年10月09日

新しい村づくりビジョン交流会


新しい村づくりビジョン交流会
「あたらしい時代の田舎移住を問う。とことん問う」

この地区(奥州市江刺広瀬)は、人口約1,000人の地域です。今年に入ってからの出生はわずか2人。過疎化がどれほど深刻かはこの数字一つで理解できるでしょう。


その原因を探って分析して、なんらかの対策を立てて、計画して、何かを実行するべし、という方法は「その金がない」という理由で悉く予算を削られ、全く上手くいかなかいか、少し過疎化のスピードが緩くなったという効果があったに過ぎません。いま、求められているのはもっと別な発想と手法ではないか、と思うのです。
その一つが、過去に遡っての分析はしない。その代わり、過疎であることのメリットを探そう、というものです。そもそも過疎をマイナスとだけ捉える発想自体を変えてみるということにもなります。

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この4月、広瀬地区の地区センター長(昔で言う公民館長)に就任して半年が経過しました。就任して、一貫して全力で取り組んできているのが移住促進活動です。空き家情報を集め、リノベ塾開催の準備を進め、近隣地区との移住者交流会の開催、田舎移住体験ツアーやエコビレッジビジョン交流会の開催・・・と進めてきています。

そんな中で、改めて、新しい時代の田舎移住とはなにか、どんな形の移住があり、どんな可能性があるのか、をとことん問い詰めていくと・・・これは受け入れる地域にとっても、地域自体がどうありたいのか、どんな可能性があるのか、過去を再現したいのか、新しい形を創造したいのか、何を残して、何を諦め、何を作り上げるのか・・・そういったことを問い続けることになります。


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いま、多くの地域で、この問題に直面している中、移住に関する広瀬地区のビジョンと取り組み(まだ全くのスタート段階でありますが)を聞いてみたいという声をいくつか頂くようになりました。いままで、個別に対応してきたのですが、この際、課題意識を持つ者たちで一度集まってビジョン交流会という形で議論を深め、インスピレーションを刺激し合いたいな、と思いまして、こんな企画をしてみました。ピント来た方は是非、ご参加お問い合わせください。

そして、当日は、奈良県天川村で超型破りな地域おこし協力隊をされている前田薫さんをスペシャルゲストに、パネルディスカッションもします。乞うご期待。特に地域おこし活動や子ども達のスポーツ指導をしている方、彼の情熱と発想に触れてみる貴重な機会をお見逃のがしなく!なかなか聞けないお話です。






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1部・広瀬地区エコビレッジビジョン
2部・パネルディスカッション
3部・新しい村づくりビジョン交流会


日時  11月6日(水)18時〜20時半
場所  (奥州市江刺)広瀬地区センター
参加費  2500円(スイーツ付き)
定員   先着予約20名

参加申し込み・お問い合わせ

0197−36−3292 または 090−2882−3584


1部・広瀬地区エコビレッジビジョン
2部・パネルディスカッション
3部・新しい村づくりビジョン交流会


井戸掘りワークショップ

〈古民家リノベ塾スタート・第1回 井戸掘りワークショップ〉


この地区(岩手県奥州市江刺広瀬)で、空き家・古民家のDIYリノベ塾をスタートします。
目的は「地域の移住体験希望者用シェアハウスを作リながら、
生きる力としてのリノベスキル向上と参加者交流の場を作ること」です。

基本、古民家をリフォームしていく活動になりますが、
第一回目は、命の源である水の確保にまつわるワークショップです。
山間部への移住や災害時の水の確保などを考えるときに、
生きる力としてとても重要なスキルです。

この技術の習得と伝承は、次世代への貴重なプレゼントにもなるのではないかと思います。
「災害大国・日本」の大切な備えのノウハウ、
そして、一方で「水の島・日本」の豊かな水資源の恵を得るノウハウでもある
この知恵と技の習得体験に興味ある方、
ぜひこの機会にワークショップで、西田さんから一緒に学びませんか。


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====================
●講師・・・西田稔さん 
[西田式水脈探し/ 井戸掘隊顧問]
長年、トンネル掘削専門の会社を経営されてきた 地下の専門家。東日本大震災時 
"生きるための水"の確保に多くの人が困っている様子を目の当たりにし、
無尽蔵にある地下水の存在を伝えていかねば、
と強く感じたことから山形を拠点に各地へ出向き、
特許も取得した「西田式水脈探し」井戸掘り技術を広めている。
今では、数年間で150カ所以上、
能登の被災地でもボランティアで約20カ所もの井戸掘りをおこなった。

西田式は専門的な機械工具は使わず、災害時、
例えば友達同士や町内の有志らとでも施工できる。
道具は身近にあるものを加工・製作し、
ホームセンターで購入可能な単管パイプや塩ビパイプを利用。
====================
<日時>
令和6年10月27日(日)
当日 8時30分集合    
9時開始      
12時〜45分 昼食     
13時再開
17時 終了(日没)
<開催場所>
岩手県奥州市江刺広瀬字松舘89 
「うたがき優命園」内
https://maps.app.goo.gl/5gyPW8tFAhKhhLh27
<参加> 
費用 8000円(昼食代込み)   
前泊希望者12000円
(夕食・朝食・昼食代込み)
前夜、西田さんとの懇親
<お支払い> 
当日、現金でお支払い下さい。
<定員>  
 先着20名(要予約)
<服装>   
外作業できる服装、手袋、(飲み物持参)
<申し込み・問い合わせ>
0197−36−3292 または 090−2882−3584


2024年10月03日

キャリア教育お話会

10月2日、奥州市水沢南中学校で、
キャリア教育の講師に呼ばれてお話してきました。

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200名を超える中学1年生を3回に分けて・・・
自給自足とか、有機栽培とか、主食とか、移住とか、エコビレッジとか・・・
中学1年生に、こんな話(しかも、あんまり職業教育になってない)
でいいのかなって内容でしたけど・・・
まあいいや、とバンバン好きなように話してきました。
(生き生きしているジジイという生き物を見聞きすることが、
何よりのキャリア教育であろうから、ね。多分だけど。)

印象として、思った以上に中学1年生って大人なんだな、と感じました。
やりとりもたくさんできて楽しかったし、3回とも質問時間が足りないくらい質問が来たし、
反応も素直で、真剣で、とても清々しい子ども達でした。
思えば、33年ぶりの教壇。なんだか懐かしい時間でもありました。

さて、水沢南中学校と言えば、知る人ぞ知るあの選手の母校でありまして、
もう、校舎にかかる横断幕から、玄関両脇のガラスケースまで、それ1色。
世界に羽ばたく先輩がいる事って、
現役の生徒達にもやはり何かのエールになるのかな。


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それにしてもこのままの勢いではでは、そのうち横断幕をかける校舎の壁面積が足りなくなるかも知れませんな。

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   by 里山おやじ
posted by 里山生活学校 at 19:11| Comment(0) | 未分類

2024年09月20日

2024・サシバたんぼプロジェクト・3

稲刈り始まりました。
過去最早の記録更新です。


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8月からの長雨で、
もう今年はほとんどバインダーが使えないほど、
田んぼがぬかるむだろうから、
ほとんど鎌での手作業の稲刈りになることだろう、
と、覚悟していたのですが・・・

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9月に入ってからの好天と、
そして、何より農場長が諦めないで
何度も溝切りを繰り返してくれてた効果が
見事に実を結びまして、
通常の秋並(か、それ以上)に田んぼが乾いてくれました。


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いやー、助かったー。
諦めないって大事。
時に、諦めることもやっぱり大事だけど。


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地域再生でいうなら、
何を諦めて、何を残して、何を新しく創造するか。
この見極めや決断が迫られている気がするなあ。


   by 里山おやじ

2024年09月16日

ロールベーラーと昭和の脳みそ

ロールベーラーという農業機械があります。
干し草を作るための機械です。
草の刈り取り、乾燥のための反転切り返し、をしたものを
この機械で集めて丸めて、麻紐でぐるぐる巻きにします。
年に二回、この干し草を作って羊の冬場の餌にします。

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先日二回目の干し草作りをする際に、
麻紐を出す部分が故障してしまいました。
麻紐が出てきません。
どうするか。
当然、原因を探します。
故障原因が特定できたら、
自分で直せるレベルの故障なら工具を持ってきて直すし、
直せないレベルなら機械屋さんに来てもらう。
の2択です。(お金あれば、新品を買うもあり、か。)

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いろいろ原因を探してみましたが、見つからず。
なので仕方なく、機械屋さんに連絡・・・
という流が今までのパターンでしたが、
最近、その前にもう1択増えました。
それは、この部分が故障したことのメリットを探してみる
という発想です。

故障というのは、常識的に「悪い出来事に決まっている」、
と「思い込み」がちですが、いったんその常識を外して
探してみると意外なメリットが見つかる可能性もありまて・・・
今回見つけたメリットは、
「紐はなくても、
草はある程度丸めることができて、トラックにも積めるし、
これなら紐代の経費は不要になるし、
羊に給餌するときの紐を切ってぐるぐる外す手間もなくなるし、
さらに今後、この部分は使わなければ、故障もない。」
ということ。

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この発想を地域再生に当てはめて考えてみると・・・
例えば、この(岩手県奥州市の)広瀬地区には、
保育所、学校、商店、ガソスタ、居酒屋が、
ここ数年で、全て姿を消してしまいました。
が、それをマイナスなことだと「思い込ん」で、
その原因探しをするのではなく、
そのメリットを探してみる、という発想になります。


次なる「紐なしロールベーラー」を見つけるには、
原因探しの古い昭和の発想ではではなく
メリットを探せる新しい令和の発想が必要なのであります。
問題は、
古い昭和の脳みそで新しい令和の発想を生み出さねばならん
ということです。

昭和の古い脳みそにしみこんだ古いアニメソングがありました。
冒頭のウサギ跳びシーンに合わせて・・・
♪ 思い込んだーら、試練の道をー、
  ゆくが男のどこんじょーおー・・・って。
これ、なかなか示唆に富んだ歌詞でありまする。
令和の発想を持った人ならこう言うかも知れません。
「思い込みが強いから、試練になっちゃうんだよ」って。


頑張れ、昭和脳みそ世代・・・の俺たち。
(見渡せば、もう、ウサギ跳びはだれもやってない時代なんだよね。)

    by 里山おやじ

2024年09月11日

稲刈り前に・・・

ここ数年、季節がどんどん早く前倒しになっている気がする。
稲の生育もそれに合わせて、とにかく早い。

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6年前までこの時期に里山フェスタという
大きなイベントを開催してたのは、
稲刈り前に少し農作業のゆとりがある時期だったからだ。



5年前に農場サイズが大きくなったこともあるけれど、
そもそも冬の貯蔵作物は、
北国の自給生活にはひときわ重要なので、
稲刈り前にしっかり手を掛けたい作業が目白押しの9月。


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(干し草作り、タマネギ種播き、白菜定植、ニンジン間引き、
ひまわり収穫、飼料カブ種播き、ダイコン虫取り・・・)
いまはとても大きなイベントを入れられる余地がないなあ。



ま、若者達との充実した農作業は毎日がイベントみたいで
充分楽しいわけなんだけど。


   by 里山おやじ

2024年08月21日

田舎移住&エコビレッジツアー

初の試み、田舎移住&エコビレッジツアー開催しました。
参加者は、東京、千葉、神奈川、福島、山梨、県内など多方面から子ども含めて22名。
今回は「人生デザイン構築学校」(通称JDS)の卒業生のみなさん中心のメンバーでした。
(私は現在JDS受講中。)

1日目は「うたがき優命園」での農場見学と農場ランチに始まり、
広瀬地区センターを会場にしてエコビレッジシンポジウム、
夜は、ランタンと花火を楽しみまして・・・・


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2日目は広瀬地区の古民家とログハウスの見学、
「うたがき優命園」に戻っての
チェンソー製材やロケットストーブの見学まで、
一泊二日盛りだくさんのメニューを
都市部在住のみなさんに満喫してもらいました。

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地元広瀬の食改善グループの皆さんには夕食、朝食の準備から
後片付け、布団の準備まで大活躍して頂きました。

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四月に地区センター長になって、
地域の再生に新しい村づくりとして
「エコビレッジ」を掲げることにしました。
このビジョンを描くのに100日かかりましたが、
140日目にして
この広瀬地区に新しい風を吹かせる第一歩になりました。

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エコビレッジというと、
カリスマリーダーが救世主的にやってきて
牽引するパターンが多いと思われますが、
ここでは、また別のルートから新しいタイプのエコビレッジを
じわじわと地道に創造していきたいな、と思っております。

   by 里山おやじ


2024年08月08日

小麦収穫

今年は6月まで、
本当に雨が少なかったので、
田んぼは水位が保てずに苦労してました。
が、その分、小麦の出来映えは質量共に最高でした。

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天日干しして、脱穀したあと、
最後の仕上げ乾燥もハウスの中で充分にできたので、
水分は10.4%。
これなら保存も安心です。


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自給ライフは
多品目にいろいろなものを生産する暮らしでもあるので、
近年の異常気象に対しても,
ある程度の危険分散効果があるという事だと感じています。
これを1つの品目に賭けてしまうと
効率と引き換えに危険回避力は弱まってしまいます。
百姓の「百」は危険回避力を表す数字でもあるのでしょうね。

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   by 里山おやじ