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基礎年金の国庫負担割合引下げについて [2010年11月30日(Tue)]
本日の日経新聞3面によりますと、現在政府が2011年度の基礎年金の国庫負担割合を現行の2分の1から36.5%に引き下げ、穴埋めに年金特別会計の積立金を取り崩すことを検討しているそうです。事案の詳しい説明はこちらの亀井研究員のブログ記事をご覧ください。

この案は財務省、厚労省の政務官レベルで話し合いがされているそうですが、完全に年金財政負担の将来世代へのツケ回しです。正式発表?される際には、最低限、年金制度と年金財政の将来の見通しとともに国民に示されるべきだと思います。現在の案を見る限りは、とにかく目の前の(来年度)赤字を埋めさえすれば何でもいい、という捨て鉢な、タガが外れたような代物です。

そもそも民主党が行っていた年金一元化とか、スウェーデン方式の導入とか、年金制度の抜本改革の話はいったいどこへ行ってしまったのでしょうか。そもそも現行制度の持続可能性についてどう考えるのか、拡大を続ける世代間の負担の不均衡についてどう考えるのか、そうした議論を民主党は避け、単に「埋蔵金が切れたから積立金を先食いします」ということでは全く話になりません。

菅直人総理が民主党の鳩山由紀夫前総理との会談で「内閣支持率が1%でも辞めない」と発言したとされる話が話題になっておりましたが、そうまでして何を実現したいのか、年金制度をどう変えたいのか、まったく見えてきません。

そもそも、制度の抜本改革は政治家の強いリーダシップと信念がなければできないのです。政治家同士が小役人的妥協をコソコソしているのでは話になりません。何のための「政治主導」なのでしょうか。
「整理解雇の論点(下)日本の現実、通説とは差」神林龍(日経新聞「経済教室」) [2010年11月30日(Tue)]
本日の日経新聞29面に、一橋大学の神林先生の論考が出ています。神林先生は東京財団研究員でもあり、本年3月に出した雇用政策に関する政策提言でもとりまとめの中心になっていただきました。

今回の論考のテーマである整理解雇についてですが、日本では整理解雇が法的に非常に制限されているという、現在の日本の一般的「通説」の誤りを、データやOECDによる評価などから指摘しています。まずはこうした現状認識を共有することが重要だと思います。ぜひお読みいただければと思います。
Posted by 佐藤孝弘 at 12:49 | 経済 | この記事のURL
「「渡り」退職金 優遇見直し」(「読売新聞」2010年11月25日朝刊2面) [2010年11月25日(Thu)]
政府税制調査会が、退職金税制の見直しを検討しているようです。天下りした公務員のいわゆる「渡り」を念頭に、一定期間(7年前後を想定)在職しなければ優遇税制を受けられないようにするとのことです。

こうした政策が悪いとは言いませんが、民主党はそもそも「天下りを禁止する」と言っていたのに比べるとあまりにも矮小化された議論だという気がします。側聞するところによりますと、民主党政権になっても天下りは以前と変わらず続いているようです。それを放置する一方で、多少税制をいじっても本質的な部分は何も変わらないでしょう。

税制改正においても、小手先の議論はやめて、大きな視点からの議論が必要です。例えば退職金税制についてですが、非正規雇用の労働者は退職金などもらえない場合がほとんどです。事実上の正規雇用優遇であり、正規・非正規の違いによって制度上の有利・不利があるのはどうなのか、といった論点がすぐ浮かびます。

特定支出控除制度の話もそうですが、枝葉の議論ばかりです。今必要なのは、言うまでもなく歳入・歳出の抜本改革なのですが…。
議員歳費の削減について [2010年11月17日(Wed)]
最近いくつかの政党から議員歳費の削減についての提案が出ています。民主党は国会議員の歳費を1割削減することを検討、党内では異論が噴出しているようです。また、公明党、みんなの党もそれぞれ歳費削減の提案をしています。

こうした提案の背景には、今後、公務員人件費の削減などの行革をすすめる前提として議員も身を切る必要があるという発想があるようです。しかし、身を切るのであれば議員「定数」の削減が本命であって、ここで歳費の削減に走るのは安易なのではないでしょうか。そもそも、議員定数すら減らせない政権に大胆な行革ができるとは思えません。

確かに、国会議員の歳費は高いです。しかし、レベルの高い成果を求められる重要な役職です。国民の多くは、歳費の削減ではなく、政治家に歳費に見合うだけの仕事をしてほしいと強く願っていると思います(もし議員の自己認識として「自分たちはこんな高い給料をもらう資格はない」と思っている方がいるとしたら、そういう人が即日辞職すべきでしょう)。

議員歳費の多寡はいかに政治の世界に優秀な人材を集めるかという文脈で議論したほうが良いと思います。定数削減の「代用品」としての歳費削減は筋が違うのではないでしょうか。
Posted by 佐藤孝弘 at 12:50 | 政治 | この記事のURL
朝比奈さんが「青山社中」設立! [2010年11月16日(Tue)]
既に随所で話題になっておりますが、経済産業省に勤務しながら、プロジェクトK(新しい霞ヶ関を作る若手の会)というグループをつくり、政府への提言活動を続けていた朝比奈一郎さんが、このたび退官され、新たな組織「青山社中」を設立しました。ホームページによりますと会社概要とコンセプトは以下の通りです。

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会社概要

 「青山社中」は、「世界に誇れ、世界で戦える日本」のための人材・政策・組織を創る新しい会社(株式会社)です。会社設立は、2010年11月15日(坂本龍馬の誕生日かつ命日)です。
 これまで私達は、霞ヶ関で働く若手国家公務員として、「プロジェクトK(新しい霞ヶ関を創る若手の会)」を結成し、霞ヶ関の縦割り打破、政策立案能力の向上を目指した改革の実現に向けて活動してきました。このたび、一部メンバーが霞ヶ関を飛び出し、広く日本全体の活性化に向けた行動を起こすため、「青山社中」を設立しました。

青山社中のコンセプト
 
1.青山社中は「世直し法人」です。
日本の活性化を究極の目標とします。「世界に誇れ、世界で戦える日本」を構築するために活動します。

2.青山社中は「自立促進法人」です。
脱政治依存・脱役所依存(政治や行政のせいにするのを止める)、日本人・日本の組織の「自立」「自律」を目指して活動します。
 
3.青山社中は「理念型法人」です。
戦争(究極の非営利事業)から商売(営利事業)まで行った亀山社中にならい、理念の実現のため営利・非営利を問わず活動します(ただし、戦争はしません)。

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まさに平成の亀山社中ですね。

私事になりますが、朝比奈さんは私の東大弁論部時代の2年上の先輩でして、学生時代から大変お世話になっておりました。当時から温厚かつ熱い人で、弁論部の合宿などでビールを飲みながら遅くまで議論したことを覚えております。

青山社中ではシンクタンク事業もやるそうですので、一緒にシンクタンク業界を盛り上げていければと思っております。
Posted by 佐藤孝弘 at 13:24 | 政治 | この記事のURL
新聞代、特定支出控除制度の対象に [2010年11月11日(Thu)]
本日の日本経済新聞朝刊5面に載っているのですが、政府税制調査会が特定支出控除制度で経費と認める支出に「新聞代」などを加える方針を固めたそうです。

ほとんどの方がこの制度を知らないと思います。通常サラリーマンは年65万円の給与所得控除が認められています。スーツ代など、サラリーマンをやる上での年間経費を65万円と見立てているわけです。

しかし、人によってはもっと必要経費の多い方もいるかもしれないということで、この制度があります。内容は国税庁ホームページによると以下の通り。

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 給与所得者が次の1から5の特定支出をした場合、その年中の特定支出の額の合計額が給与所得控除額を超えるときは、確定申告によりその超える金額を給与所得控除後の金額から差し引くことができる制度があります。
 これを給与所得者の特定支出控除といいます。
 この特定支出とは、給与所得者が支出する次に掲げる支出のうち一定のものです。

1 一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出
2 転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出のうち一定のもの
3 職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出
4 職務に直接必要な資格(一定の資格を除きます。)を取得するための支出
5 単身赴任などの場合で、その者の勤務地又は居所と自宅の間の旅行のために通常必要な支出のうち一定のもの

 なお、これらの五つの特定支出は、いずれも給与の支払者が証明したものに限られます。
 また、給与の支払者から補てんされる部分があり、かつ、その補てんされる部分に所得税が課税されていないときは、その補てんされる部分は特定支出から除かれます。
 この特定支出控除を受けるためには、確定申告を行う必要があります。
 その際、特定支出に関する明細書及び、給与の支払者の証明書を申告書に添付するとともに、搭乗・乗車・乗船に関する証明書や支出した金額を証する書類を申告書に添付又は申告書を提出する際に提示してください。
 なお、以上の書類のほかに給与所得の源泉徴収票も申告書に添付してください。

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もともと利用者が極めて少ないと言われるこの制度ですが、今になって突如「新聞代」が加わったのはなぜでしょうか。新聞業界のロビー活動の成果なのか、最近政権批判が激しいので新聞業界にサービスしてるのか…など個人的には勝手な想像をしていますが、実際にはほとんど影響はないでしょう。もっと大きな、税制の大枠の問題で改革してほしいと多くの国民は願っているのではないでしょうか。
尖閣ビデオ流出、海上保安官を聴取 [2010年11月11日(Thu)]
尖閣諸島沖の中国漁船衝突を撮影したビデオを流出させた疑いで、神戸海上保安部の海上保安官が事情聴取を受けています。容疑は国家公務員法(守秘義務)違反とのこと。

今回の映像が、同法で守秘義務が課せられている「秘密」に街頭するかどうかは、

・流出した情報が公になっていないこと=非公知性
・秘密として実質的に保護すべき価値がある=要保護性

があるかどうかという基準で判断されるようです。今回の件がそれに該当するかどうか、私にはよくわかりませんが、いずれにせよ本件については「粛々と、国内法に基づいて」手続きをすすめるしかないでしょう。

野党は勢いづいていると思いますが、国会の議論においてはあくまで当該ビデオを公開しなかった件や、船長の釈放の件をはじめとした、内閣の一連の政治的判断の是非を中心とすべきかと思います。
Posted by 佐藤孝弘 at 10:32 | 政治 | この記事のURL
補正予算と今後の国会運営について [2010年11月10日(Wed)]
前回のエントリー、「尖閣ビデオ流出と職業政治家の「死」」BLOGOSYahoo!みんなの政治で取り上げていただいたせいか、この3日間で1万2千アクセスと、すごい反響をいただいております。多くの方が総理のリーダーシップについて疑問を持っているのだと思います。まだお読み出ない方は是非ご一読ください。

さて、先行き不透明だった補正予算の見通しがようやく立ちました。衆院予算委員会は昨日の理事会で、補正予算案について15日に採決する方針で合意したそうです。予算案については、憲法に定める「30日ルール」がありますので、衆院で採決できれば、参院で否決されても最終的には成立します。

今国会では公明党の対応が注目されておりました。補正予算案については、昨日の政調全体会議にて「反対」することに決まったそうです。菅総理は公明党の協力欲しさに公明党にだけは「イラ菅」を封印、低姿勢を貫いてきましたが、目論見は外れたようです。新聞によって若干見方が違いまして、公明党は民主党を見限ったことを強調する論調と、まだまだ連携の余地は残していることを強調する論調に分かれています。ちなみに地方交付税法改正案など、予算関連法案は公明党は賛成に回る方向で検討しているようです。

以前のエントリーでも書かせていただきましたが、ミスの多い政権に協力する政党を国民はどうしても「共犯」という目でみてしまいます。結局、ねじれ国会において野党の協力を得るには妙なおもねりではなく、国民のために責任ある政治を行い国民の支持を得ることしかないでしょう。

補正予算が何とか通せても、来年度予算と税制改正はさらにハードルが上がります。来年度予算はここ数年使ってきた「埋蔵金」の余地も少なく、下手をすると国債の新規発行額が50兆円を超える可能性も出てきます。そうなるとかなりの異常事態なのですが、それについて菅総理はどういう見解を持っているのか、まったく見えてきません。「政策コンテスト」などやっている場合ではないのです。
(「政策コンテスト」については、こちらの亀井研究員のブログをご参照ください)

菅総理は8日の予算委員会で「石にかじりついても頑張りたい」と任期満了まで総理を務める決意を示したそうですが、「石にかじりついてでも実現したい政策は何なのか」が明らかにならない限り国民は納得しないでしょう。
Posted by 佐藤孝弘 at 13:17 | 政治 | この記事のURL
尖閣ビデオ流出と職業政治家の「死」 [2010年11月06日(Sat)]
尖閣諸島沖漁船衝突事件のビデオ映像がインターネット上に流出した問題は現代日本政治が抱える最大の問題を浮き彫りにしました。少し長くなりますが、それについて書きたいと思います。現在のところ、誰が、どのような意図で動画をアップしたのかは明らかになっておりません。多くの見方は、海上保安庁や検察など、政府内部の人間が行った可能性が高いとしております。

本件に関する国民の反応で特徴的なのは、動画をアップした人間を讃える人が多いということです。ユーチューブの書き込みを見てもそうですし、本日(11月6日)付の読売新聞によると、海上保安庁に映像を見た国民からの電話が100件程度あり、そのうち83件が「仮に流出させたのが海保の関係者であっても処分はしないでほしい」「犯人捜しはしないで」といった意見だったそうです。

仮に動画をアップしたのが政府内部の人間だとすれば、それは重要な国家機密の漏えいです。極めて重大な問題で許されざることでしょう。尖閣問題にはいろいろな見方や意見対立もあるでしょうが、国家機密の漏えいはどのような立場から見てもやってはいけないことのはずです。しかし、国民の多くがそれを讃える。これはいったいどういうことでしょうか。

実は私も、このニュースを聞いた時、なんとなく「スッキリ」した気分になった一人です。その後やはりこの行為は問題だと思ったものの、最初にスッキリしたことは紛れもない事実で、その感覚はどこから来るのか、考えてみなければならないと思いました。

結論から言えば、職業政治家がプロとしての役割を放棄し続けた結果、個人としてリスクを取った独断専行に対し多くの支持が集まったということだと思います。尖閣の問題については、初動から船長の逮捕、釈放、その後の中国の報復措置への対応、ビデオの公開と、迷走に迷走を重ねてきました。多くの国民は政府の場当たり的、優柔不断な対応にいら立っていたはずです。そして、それらの迷走の中で、最高責任者たる菅総理がどういう方針で臨んでいるか、どういう決断しているのかは全く見えてきませんでした。

総理大臣という職の本質はつきつめれば決断です。政治的な決定には、様々な価値の利害や対立を含まないほとんどありません。そして、総理にはその中でも最も判断が難しいものだけが上がってくるのです。政府の課題についての案件が総理にあがってくるまでには、政府内の無数のプロセスがあります。省庁間で意見が異なる案件については、各省の係長同士の交渉でケリがつかなければ課長補佐同士、それでケリがつかなければ局長同士、それでケリがつかなければ次官同士、そうでなければ大臣同士というふうにカウンターパートのレベルが上がっていきます。そして、多くの案件は最も難しい、国民にとって影響が大きい政策が最終的に総理の決断案件となってきます。

こうした案件は、どういう決断をするにせよ、それによって得をする人、損をする人、幸せになる人、不幸になる人が出てきます。決断を下すこと自体が身を引き裂かれるほどつらい内容も多いでしょう。だからこそ、総理を務める人間にはそうした決断に耐えうるだけの歴史感覚や見識、そして胆力が求められるわけです。

総理大臣の仕事のほとんどは、「大方針を示し、決めること。そして個々の決定の積み重ねのなかで、国家を何らかの方向に導くこと。」であることに尽きることがわかると思います。

ところが菅総理は就任以降、ほとんどその仕事を放置、または放棄、または他人まかせにしてきました。外交案件に限りません。補正予算の規模を決められない、消費税についての方針を決められない、子ども手当の金額を決められない、TPPへの方針を決められない、年金制度の抜本改革の方向性を決められない、来年度予算の歳入の見通しが全く立たないことへの方針が決められない、あるのは “検討せよ”という「総理指示」とそれを受けた“○○会議”ばかりです。

こうして、総理大臣というプロの職業政治家の頂点にいる人がその責任をまったく果たしていない状況をいやというほど見せつられている国民からすれば、政府内の人間が機密漏えいの罪に問われる危険性を省みず、個人としての判断で動画公開を決断したことに人はスッキリしてしまうことになるでしょう。これを職業政治家の「死」と言わずして何と表現すればよいのでしょうか。

菅内閣の行動がこの点で劇的に変わらない限り、今後も政府部内の個人としての独断専行や政治のプロ以外の人が政治に影響を与えようとする直接行動を「讃える」風潮は変わらないどころかますます強まっていくものと考えられます。
菅総理は12年前の著書「大臣」で以下のように述べています。

「政治家が「トップダウンでやる」と言うと、独裁につながるという批判の声をよく聞く。しかし、私は誤解を恐れずにあえて言えば、民主主義というのは「交代可能な独裁」だと考えている。」

当時これを読んだ私は、菅氏はどのような政治制度であれ、リーダーの役割がは「決断」に集約され、それは常に「孤独」であるということを深く認識しているのだと思って感心していました。しかし、総理就任後の動きをみておりますとどうやら買いかぶりだったようです。もう一度職業政治家としての役割とは何かを深く認識し、行動に移していただきたいと切に願います。それができないのであれば、官邸を去るべきです。
Posted by 佐藤孝弘 at 12:28 | 政治 | この記事のURL