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民主党代表選の争点について [2010年08月27日(Fri)]
昨日の小沢氏の出馬表明により、民主党代表選は一挙にヒートアップ。新聞・テレビなどでもかなりの紙面と時間を割いております。

しかし、報道の多くは「○○グループはどちらに付くのか?」「小沢か、脱小沢か」「挙党体制かどうか(単なる幹事長ポストの奪い合い)」といったような権力闘争の側面です。国民にとって本当に大切な、政策的な争点がどこにあるかはいまだに明らかになっておりません。政治には政局・選挙といった権力闘争の側面と、国民のための政策の実現という側面の二つがあります。もちろん前者も必要ですが、最近、政治家の振る舞いをみても、報道をみても後者が軽視されすぎていると思います。

今、争点としてあがっているのは、「政治とカネ」の問題と、「マニフェストの扱い」のようです。前者については、いろんな方がたくさん発言しているので置いておきまして、後者についてどう考えれば良いかを整理してみたいと思います。

小沢氏は、就任後現実路線に転換した菅総理に対し批判的な言動をしてきました。特に、参院選の際には「マニフェストは忠実に実行するべきだ」という趣旨の発言を繰り返してきました。

しかし、菅総理にしても実現できるのならやっているはずです。子ども手当の満額支給にしても、財源以外のハードルはないわけです。「あると思った財源がなかった」と思ったからこそマニフェストも修正し、消費税発言にも繋がったのでしょう。ただ、それについての国民への説明はあまりにも不足しています。

政策的な争点は財源論一本でも良いくらいだと思います。2009総選挙民主党マニフェストで掲げた消費増税なし・ムダ削減による16.8兆の財源確保。これは間違いだったのか、実現できるのに菅総理がやらない(あるいはやれない)だけなのか―。

別な言い方をすれば、「2009衆院選で、民主党は国民に嘘をついていたのか(あるいは、財源の確保について、極めて大きな勘違いをしていたのか)」という点について、菅、小沢両氏はどう認識しているのかということが明らかにされるべきです。小沢氏があくまでマニフェストの完全実施を求めるのであれば、どこに財源があるかを具体的に明示しなければなりません。

ここでわけがわからないのは、大きなマニフェスト修正第一号はまさしく小沢氏主導で行われた2009年12月の「党要望」による、暫定税率の維持(正確には暫定税率を本則へ移行)にほかならないという点です。それについて、国民向けの説明を聞いたことがありません。メディアには、このあたりの整合性なども徹底的に深堀りしてほしいと思います。

これまで言ってきたことを間違いと認めるのはつらいことでしょうが、政権与党である以上、これ以上ごまかしは許されません。鳩山前総理はその部分をひたすら糊塗し続けてきて、国民の支持を失ったことを重く考えるべきでしょう。
Posted by 佐藤孝弘 at 10:43 | 政治 | この記事のURL
「有期雇用の規制強化盛る 厚労省研究会が報告書案」(「朝日新聞2010年8月25日朝刊5面) [2010年08月25日(Wed)]
厚生労働省で開かれている「有期労働契約研究会」が報告書案をまとめたとのこと。記事によると有期雇用について、

・繁忙期の雇用といった一時的・季節的な業務に限定する
・契約の更新回数や期間に上限を設ける
・正社員との均等待遇を進める

などの規制を検討するとのこと。

これだけ読む限りヨーロッパ型の規制そのまんまという感じですが、いきなりこのような強い規制を導入すれば経済に深刻な影響を与えそうです。労使関係にしても、雇用慣行にしても、ヨーロッパとは前提が違いすぎ、無理があると思います。

この問題については、「有期雇用=悪い雇用形態」という考えを取った瞬間、この報告書のような結論になります。その前に、「日本の有期雇用の何が問題か?」をもう少し詰めて考えるべきではないでしょうか。別な解決策が出てくるかもしれません。

3月に東京財団で出した雇用政策に関する政策提言では、以下のように問題点を分析しているので、引用しておきます。ご興味の方は、報告書本体をご覧ください。

「日本の有期雇用に関する法制度は、欧州諸国とは異なり、「有期雇用は悪で、なるべく排
除すべきもの」といった考え方をとってこなかった。有期雇用と無期雇用の比率はどの程
度が最適かは企業ごとに当然に異なり、その意味では現在の制度は効率的である。無期雇
用の解雇が制限されている状況では、使用者サイドの有期雇用へのニーズが発生すること
は当然である。そのニーズ自体を、有期雇用・無期雇用の法制度を変えることによって消
滅させようとすることには相当な無理が伴うため慎重でなければならない。

ただし、使用者と労働者の何らかの認識のズレによって、効率的でない状況が現在生じ
ているとすれば問題である。その点、リーマンショック以降の有期契約の途中解除、雇止
めの大量発生で明らかになったことは、使用者と、有期雇用の労働者との間に大きな認識
ギャップがあるという点である。

具体的には、有期雇用の労働者のうち多くの人が正社員への契約の転換に大きな期待を
しつつ働いていた一方、使用者からみれば、「不況が来たから契約を終了した。法律には則
っている」とドライに考えていたという、認識のギャップである。

通常、正社員への契約の転換の期待を持つ有期雇用の労働者は、その期待が強ければ強いほど実際に払われる賃金以上の努力を労働の現場で払うこととなる。職場において「認められる」ためである。その分、使用者は利益を得ることができるが、こうした状況は労働者個人にとってマイナスであるだけでなく、経済全体にとっても非効率である。また、実際リーマンショック後に起こったように、この認識のギャップが紛争の種ともなる。」
Posted by 佐藤孝弘 at 15:17 | 経済 | この記事のURL
「概算要求 政権公約 見直し相次ぐ」(日本経済新聞」2010年8月24日朝刊1面) [2010年08月24日(Tue)]
本日の日経新聞の朝刊に来年度予算概算要求のうち、マニフェスト項目の見通しが載っております。

まず目につくのが、子ども手当ての増額分の部分が「事項要求」になっている点です。事項要求とは、概算要求の中で金額を示さず行うもので、まだ金額の目途は立っていないものの、今後の話し合いの中で実現していきたいものについての要求です。金額を明示しないとはいえ、子ども手当の残り半額分ですから規模としては数兆円になります。財源の見通しが全く見えない現状においては、完全実施は実現不可能ではないかと思われます。先送りしておいて、これからの折衝の中で「少し上乗せ」といった落とし所をさぐるのかもしれません。

もっと気になるのが、求職者支援制度などが同じく事項要求としてが入っていることです。これは、いわゆる「第二のセーフティネット」(雇用保険と生活保護の間)の部分かと思いますので、もっと優先順位を上にしてほしいのですが…。

そのほか、農家の戸別所得補償制度や高速道路無料化は増額するもののマニフェストでの金額には届かないようです。記事には「今回の概算要求でバラマキ路線からの転換が鮮明となる。」と解説されていますが、事項要求の部分を含めてまだまだこの先どうなるかわかりません。

本ブログでは何度も書いていますが、マニフェスト自体にこだわる必要はもうないと思います(ただし、「反省」と「今後の方針」表明は必要)。いい加減、マニフェストはすでに死んだことを前提に新たに日本の未来を描いてはどうでしょうか。代表選の争点も「マニフェスト完全実施かそうでないか」みたいなことにならないことを願っています。
「小沢氏 首相に「圧力」」(「毎日新聞」2010年8月20日毎日新聞朝刊1面) [2010年08月20日(Fri)]
このところ連日各種メディアを騒がせてきた「鳩山研修会」が昨日開催されたとのこと。この毎日新聞を含め掲載される記事の内容は小沢か脱小沢かの綱引きの話ばかりです。

不思議なのは、いったい、これらの騒動が何を争点に行われているかが全く見えないということです。そもそも「研修会」で何を議論したのでしょうか。タテマエだけでも「政策」を軸にした論争があってしかるべきですが、それすら無いという感じです。小沢氏(あるいは小沢氏サイドの候補)が当選した場合と、菅総理が再選された場合どういう政策の違いが出るのか。そのあたりが見えてこないと、国民の多くは単なる権力闘争、離合集散の世界としてしか見ないでしょう。

また、別な観点ですが、菅総理はついこないだ代表として選ばれたばかりなのに、なぜまた代表選を行うのかという疑問を持つ方も多いと思います。根拠は民主党規約の以下の条文にあります。

民主党規約
第11条
3 代表の任期は、就任から2年後の9月末日とし、重ねて就任することができるものとする。なお、任期満了に伴う新たな代表の選出をもって任期は終了するものとし、また任期内に新たな代表が選出されない場合には、両院議員総会の承認をもって、任期は新たな代表が選出されるまで延長される。
7 任期途中で代表が欠けた場合には、代表選挙規則にもとづく選挙によらず、両院議員総会において代表を選出することができる。この場合、新たに選出された代表の任期は、欠けた代表の残任期間とする。

直観的にはあまり合理性がないような気がします。今回がそうであるように、いたずらに政局の機会を増やすだけでしょう。政治の世界以外の組織ではこうした代表者の任期の設定の仕方は珍しいのではないでしょうか。

一方、任期途中で代表が欠けた場合は、党員・サポーター・地方を含めた正式な決定プロセスを経ることが日程的に難しく、両院議員総会で国会議員だけの投票によることが多いです。6月の民主党代表選挙もまさにそういう形でした。そういう意味で、プロセスの正統性が正規のプロセスと比較して落ちるというのは言えるでしょう。

どういう経緯でこういう規定になっているかはよくわかりません。以下の自民党の党則を参考にしたのかもしれません。政党のガバナンスを考える上で重要な規定なので、両党とも見直しを検討しても良いのではないでしょうか。

自民党党則
第 八十五条 役員の任期は、総裁については三年とし、その他はすべて一年とする。ただし、重任を妨げない。
3 総裁が任期中に欠け、又は第六条第四項の規定による選挙の要求があった場合において、同条第二項又は第四項の規定により新たな総裁を選任したときは、その任期は、前任者の残任期間とする。
Posted by 佐藤孝弘 at 14:04 | 政治 | この記事のURL
「首相、経済対策を検討 エコポイントの延長浮上」(「日本経済新聞」2010年8月17日朝刊1面) [2010年08月17日(Tue)]
菅直人総理は16日、景気の現状分析を踏まえて経済対策を検討することを明らかにしたとのこと。現在政府・与党内では

1.エコポイント制度の延長など消費刺激
2.新卒者の就職支援
3.円高に苦しむ中小企業の資金繰り支援

などが柱として浮上しているようです。

現在の情勢をみれば、経済対策も当然ありうるでしょう。しかし、今度は単に予算規模を大きく見せる類のものではなく、消費刺激効果の高いものに絞って行うべきです。麻生内閣以降、エコポイントはじめ新しい手法を試したわけですから、それらの検証の上で経済対策の効率性を高めるべきです。

しかし、それよりも、もっとマクロな為替の問題やデフレの問題について、政府・日銀の動きが非常にゆっくりなのが気になります。総理、日銀総裁会談も来週になったようですが、こうした呑気な対応自体が市場へのメッセージになってしまうと思うのですが…。
Posted by 佐藤孝弘 at 15:16 | 経済 | この記事のURL
「貸金業者、6月末40%減」(「日本経済新聞」2010年8月16日朝刊3面) [2010年08月16日(Mon)]
貸金業法改正の影響により、6月末時点での全国の貸金業者数は3313社と、前年同月比で40%減少したとのことです。6月18日の改正貸金業法の完全施行を受け、中小零細の貸金業者を中心に廃業が相次いだようです。

このあたりは当然に予想できたことですが、その先には資金繰りの手段を失い倒産を余儀なくされた中小零細事業者がたくさんいるはずで、そちらの調査もぜひやっていただきたいものです。

本件に関連した政策提言はこちら
Posted by 佐藤孝弘 at 15:51 | 経済 | この記事のURL
「導入前に知っておくべきIFRSと包括利益の考え方」高田橋範充 [2010年08月13日(Fri)]
IFRSの本質を理解するための本として絶対お勧めです。中島康晴さんの「知らないではすまされないマネジメントのためのIFRS」と双璧をなしますね。「利益」概念をはじめとした会計思想をめぐるIASBとFASBの(イギリスとアメリカの)せめぎあいの様子が鮮やかに描かれております。

具体的なルール設定において、IFRSの基本思想である「原則主義、公正価値会計、投資家意思決定情報」の方向に引っ張るIASBと、もともとの米国基準にある「規則主義、取得原価+公正価値、利益計算」の方向に戻そうとするFASBというのが基本構図です。

筆者は日本におけるIFRS論は「アメリカ的IFRS」ばかりであると書いておりますが、これはIFRSの思想的な部分の是非を議論せず、現在のIFRSと日本基準の細かい違いを並べてあれこれ言うだけの議論のことを指しているのでしょう(その例外が中島康晴さんの本になると思います)。個人的な経験でも、たとえば経済部記者の方などと雑談していていも、今の時点のIFRSと日本基準を比べて、「収益の認識基準が変わって実務が大きく変わる」とか、「固定資産は取得原価も認められるのでそれほど影響はないですよ」などという議論をする方が多いです。

しかし、重要なのはIFRSがどういった思想で作られているのか、そして、今後どういった方向へ向かうのかという可能性を知ることだと思います。なにしろ本書の冒頭で指摘されるように現在まさに「イギリスとアメリカがIFRSに対する強烈な覇権争いを続けている過程であり、IFRS自体が刻々と変化している状態」なのですから。

具体的な事例として固定資産が挙げられています。現時点のIFRSでは、固定資産について「原価モデル」(固定資産について、取得原価で計上+減価償却)と「再評価モデル」(固定資産について、毎期フェアバリューで再評価)の選択が認められています。しかし、IFRS的(イギリス的)発想では本来的には再評価モデルが正しいのであって、「原価モデル」を認めているのは妥協の産物でしかありません。筆者は述べます。

「IFRSとしては、今後、再評価モデルの洗練化を図ることにより、固定資産会計への全面適応を図り、よりフェアー・バリューによる財政状態の表示へ向かって邁進することが予想されます。」

すなわち、場合によっては将来「原価モデル」が認められなくなる可能性もあるということです。その時に実務に与える影響はこれまでの比ではないでしょう。

日本はどう対応していくのか。今後IFRSがどういった方向に向かうかがまったく未知数なわけですから、現時点の日本において、そのままアドプション、上場企業には強制適用、というふうに決め打ちする必要は全くないと思います。
Posted by 佐藤孝弘 at 11:14 | 経済 | この記事のURL
「口頭意思で脳死判定 家族の「納得」重要に」(「産経新聞」2010年8月10日朝刊25面) [2010年08月10日(Tue)]
昨日、改正臓器移植法施行後、「本人意思不明、家族の承諾」による初の臓器提供の手続きが始まったことが明らかとなりました。今回ドナーとなった男性は、意思表示カードや、本人の直筆による臓器提供の意思を示していなかったものの、かつて「臓器移植の意思」を家族に口頭で表明していたそうです。そして、家族が臓器提供を承諾した、ということで、一見問題がないように見えるかもしれません。

しかし、そう単純ではなく、提供に至るまでのプロセスをしっかり検証する必要があります。端的に示すのは本日の産経新聞の社会面にある、臓器移植ネットワーク小中氏と報道陣の一問一答です。そこから抜粋しますと、

―臓器提供という選択肢を病院側が示したのか
「把握していない」

―本人は脳死からの臓器提供を希望していたのか。それとも心臓死後の臓器提供を希望していたのか
「脳死とか心停止とか明確に言ったかどうか、把握していない」

―本人が臓器提供意思を持っていたとしても、脳死判定に従う意思を持っていたかどうかは確認していないということか
「確認していない」

…とのことです。これを読んだだけで、今回の事案がかなりの問題含みの可能性があることがわかるおもいます。本人が「脳死」臓器移植を本当に希望していたのかどうかが明らかになっていないまま行われたわけですから。

この部分はいい加減にせず、病院・移植コーディネーター・家族らの間で現実にどういうやりとりがあったのか、明らかにし検証がなされなければなりません。それがなければ、いずれ第二の「和田移植」のような事件が起こりかねないと思います。
政策提言「給付付き税額控除 具体案の提言 〜バラマキではない「強い社会保障」実現に向けて〜」公表 [2010年08月05日(Thu)]
このたび東京財団では、政策提言「給付付き税額控除 具体案の提言〜バラマキではない「強い社会保障」実現に向けて〜」を公表しました。

政策提言はこちらをクリック

森信茂樹上席研究員を中心に、給付付き税額控除を日本で導入する上での詳細な論点整理と解決の方向性、勤労税額控除、児童税額控除、消費税逆進性対策税額控除のモデル、海外の事例など、を取りまとめました。100ページにもわたる充実した資料で、実際の政策立案の基礎資料としても大いに使えると思います。

厳しい財政状況の中、ワーキングプア対策、子育て支援、消費税逆進性対策など、日本が抱える大きな課題を解決に導くツールが給付付き税額控除です。一人でも多くの方にお読みいただき、ご理解いただければと思います。
「クレジット市場の再構築に向けた政策提言」公表について [2010年08月02日(Mon)]
このたび東京財団では、石川和男上席研究員をリーダーとした研究チームにより「クレジット市場の再構築に向けた政策提言 適正な消費経済を促進する割賦販売制度の実現へ」を公表いたしました。

政策提言はこちらをクリック

本年12月に全面施行される改正割賦販売法。聞き慣れない方も多いかも知れませんが、現実にはなじみの深いクレジット契約を規制する法律です。

提言をご覧いただければわかるかと思いますが、現場では「消費者保護」の錦の御旗のもと、規制強化による与信の厳格化で経済活動を委縮させるという、貸金業法とおなじようなことが起こっています。一時のメディアの盛り上がりによって行われた法改正の多くは過剰規制となり、後に批判されることが多いのですが、これもまた典型例ではないでしょうか。

社会においてクレジット契約というのはかなり大きな役割を担っています。一人でも多くの方に本提言をお読みいただき、この問題の重要性を知っていただければ幸いです。
Posted by 佐藤孝弘 at 15:03 | 経済 | この記事のURL