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「政治主導で予算改革 概算要求出し直し 公約優先ムダ排除へ」(「読売新聞」2009年9月30日朝刊3面) [2009年09月30日(Wed)]
政府が来年度予算編成の基本方針を閣議決定したとのこと。麻生内閣が7月に決定した概算要求基準(シーリング)を白紙に戻し、来月15日までに要求を出し直すように求めたそうです。

基本的にはマニフェストをもとに優先順位をつけ、財務省への要求前に各大臣が省内で厳しく査定するという方針のようです。シーリングは「全ての予算について一律○%減」というタイプの予算削減方式ですが、それを抜本的に改め、省庁単位でも国単位でもメリハリをはっきりさせようということなのでしょう。その考え方自体は良いと思います。

問題は、実際にそれができるかという実行の部分です。10月15日締切というのがそもそも厳しいですし、役所は基本的には「局あって省なし」どころか「課あって局なし」という状態で、省内の役人同士の調整では限界があるでしょうから、結局は大臣・副大臣・政務官の決断が必要になると思います。

膨大な予算を人数の限られた政治サイドがどのように査定をするか、今時点では全く見えていません。予算に無駄が多いといっても、それぞれの予算にはそれぞれもっともらしい存在理由がついています。少し説明を聞いただけで無駄かどうか判断するのかはかなり難しい作業になると思います。

このままでは、マニフェストに記載されている部分は大幅増額、削る部分はわずかで、ネットで見ればどの役所も増額要求ということになりかねません。

また、予算と税収をどうマッチさせるかも現時点では不明です。不況による税収減に加え、暫定税率の廃止などによって財源の確保の見込みはいまのところ全く不透明です。この帳尻をどう合わせるのでしょうか。補正予算の削減分や埋蔵金で埋めるつもりかもしれませんが、これらは一回使ってしまえば終わりなので永続性はありません。その先はいったいどうするのでしょうか。

こうした疑問への答えが12月頃には出るのでしょう。民主党の「政治主導力」に期待したいと思います。
「自民総裁に谷垣氏」(「日本経済新聞2009年9月29日朝刊一面) [2009年09月29日(Tue)]
自民党総裁選は谷垣氏の勝利に終わりました。地方票、国家議員票ともにトップとのこと。数字は以下のとおりです。

谷垣氏 国会議員票120 地方票180
河野氏 国会議員票 35 地方票109
西村氏 国会議員票 54 地方票 11

注目すべきは河野氏と西村氏の得票数で、河野氏は地方票で圧勝しているにもかかわらず、国会議員票では西村氏に負けています。このあたりの「ねじれ」が今の自民党の抱える問題を如実に表しているようです。

それはさておき、谷垣氏には、「民主党が打ち出す政策のチェック」と、「政権再交代を見据えての国家ビジョン+政策体系の作成」、「それらを担いうる実力ある人材の確保」という三つの大きな仕事が待っています。どれも、野党慣れしていない自民党には難しい仕事かと思いますが、これに取り組めなければこのまま衰退への道をたどるだけでしょう。

当面の間はメディアでは新政権ばかりが注目されると思いますが、その間に自民党は上記の作業を地道にすすめていくしかないでしょう。民主党が行き詰った際、代替する選択肢を提示できなければ、そもそも政党としての存在意義を問われます。

政策体系ではやはり経済政策・成長戦略を軸に民主党との違いを明確化すべきだと思います。ただし、「大きな政府か小さな政府か」といった議論には国民は飽きてしまっているので、それとは異なる軸で日本の将来像を描いていくことが必要だと思います。

一方、テーマによっては、対立軸を打ち出しさえすればよいというわけではありません。年金制度など、すべての国民にとって利害関係があり、改革するにも長期的な視点が必要な問題については、与野党を超えた合意形成を図ることは絶対に必要と思います。政権交代のたびに年金制度が大きく変わるようでは、国民が生活の将来設計を建てられません。こうした問題については、足の引っ張り合いをやめ、国民本位の目線で大政党同士が真摯に合意をしつつ、議論を前に進めていただきたいと思います。

「新しい野党」のイメージを自民党が作っていくことを期待したいと思います。
Posted by 佐藤孝弘 at 13:17 | 政治 | この記事のURL
「返済猶予の法案化 金利猶予も念頭」(「日本経済新聞」2009年9月28日朝刊一面) [2009年09月28日(Mon)]
亀井金融・郵政担当相が昨日のテレビ番組で中小企業を対象にしたモラトリアムの法案化に異論が出ていることについて、「鳩山由紀夫首相が私を更迭すればいいが、できっこない。」と反対論を強くけん制したそうです。また、金利の支払い猶予についても「もちろん視野にある」と検討を進める考えを示したとのこと。

随分と威勢が良いですが、亀井氏が本当に中小企業の現場を熟知した上で言っているのかが気になっております。モラトリアムを実施すれば、もちろん現在銀行からお金を借りている中小企業は楽になりますが、今深刻なのはそちらよりも、元々銀行が貸してくれない零細企業なのではないでしょうか。

そうした零細企業の資金繰りを支えていたのは、銀行よりノンバンクです。2006年の貸金業法改正(いわゆるグレーゾーン金利の撤廃)により、零細企業の資金繰りは極度に悪化し、倒産件数も確実に増えております(これらについて詳しくは、石川和男研究員を中心に東京財団で取りまとめた問題提起をご覧ください)。

こうした問題に言及せずに、抽象的な銀行批判ばかりでは、政策も信頼を得られないと思います。
Posted by 佐藤孝弘 at 17:08 | 経済 | この記事のURL
「ダム中止補償に新法 国交省表明 年明け国会提出(「朝日新聞」2009年9月27日朝刊一面) [2009年09月27日(Sun)]
前原国土交通相が昨日、ダム計画を中止しても水没予定地の生活再建を国の財政支援で継続することを明確にする法案を、年明けの通常国会に提出することを表明したそうです。現在では、大規模公共事業の計画中止の場合、移転を余儀なくされた地域に国の財源で補償を進める根拠法がないため、それを定めるとのこと。

「公共事業の撤退ルール」のような発想は無謬性を前提とする官僚組織からは絶対に出てきませんし、長く一党支配を続ける政党からも出てきません。政権交代が起こったばかりの今ならではの政策と言えるでしょう。補償の面も含めて、これから全国の公共事業を見直すのであれば、明確なルールと説明が必要ですので、こうしたプロセスは必要なのでしょう。

八ッ場ダムについて言えば、中止の根拠の説明が不十分ではないかと思わざるを得ません。治水や利水など元々の建設理由があったはずです。民主党は従来から「八ッ場ダムに治水効果はない」「首都圏の水供給は十分」と言い続けてきましたが、その部分についての具体的で詳細な理由づけが必要でしょう。

何らかの基準を明示し、そこに当てはめれば中止するのが正しいといった説明がないと、「政治的アピールを目的とする恣意的な判断ではないか」という疑念も払拭できません。逆に言えば、説明さえしっかりやれば、少なくとも利害関係のない国民の支持は得られるような気がするのですが…。

民主党政権のこれまでの姿勢を国民の側から見ると、政策決定の根拠や手段を示さずに大胆な目標だけが先行していることに不安を感じている方が多いのではないでしょうか。

鳩山総理が国連の場で表明した温室効果ガス25%という削減目標についても、どういう手段でそれ実現するのかという点を国民に説明する前に国際公約としてしまったわけですから、多くの人が不安を感じるのは当然でしょう。

一方で「記者クラブの廃止」など、これまで主張してきたことを大した説明もなくあっさりと翻してしまう部分もあり、その基準がよくわかりません。これまで鳩山総理が主張してきた米軍普天間飛行場の「県外移設」についても、沖縄県を視察した北沢防衛相が難しいとの認識を示しました。これなども、「どこに移設するか」という手段の明示なしに県外移設を主張してきたことのマイナス面でしょう。

大胆な政策変更にはそれなりの説明責任が生じます。「マニフェストに書いてあるから実行する」というスタンスが通用するのは、現在の政権交代による「ご祝儀相場」があるときだけです。まだ支持率の低下要因にはなっていませんが、こうした姿勢が続けば続くほど「傲慢だ」という批判の声は高まってくるはずです。改善を期待します。
「雇用はなぜ壊れたのか 会社の論理VS労働者の論理」大内伸哉 [2009年09月26日(Sat)]
気鋭の労働法学者が現代の雇用問題を分かりやすく論じています。会社の論理と労働者の論理の対立と一致という切り口で、様々なテーマについて議論が展開されています。一見すると初学者向けという感じなのですが、表面的な制度の解説だけではなく本質的な考察も随所に含んでいます。

例えば、第6章の「会社人と職業人」での「委任」の違いについての説明(114ページ)。この概念の起源であるローマ時代には労働の多くが奴隷の仕事であり、自由人の「職業」と呼べるようなものは委任という概念でとらえられていた。そして、日本の民法でもこの考え方が残っていると言います。

「民法では、委任契約について、「受任者は、特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができない。」と定められている(648条1項)。委任は特別な約束があってはじめて報酬をともなうことになるのである。つまり、委任は無償が原則ということである。…他方、雇用契約では、報酬(賃金)が支払われることが契約の本質的な要素となっていた(報酬がなければ、単なるボランティアである)。雇用は、元来、奴隷の貸借契約である。委任は、これとは対照的である。」

「仕事において金銭的な要素が契約の全面に出てくるのは、「職業」の現像には合わない。奴隷の労働に近いものとなる。奴隷ではない自由人の労働にふさわしい高尚で専門的な仕事、すなわち「職業」ではその対価は本来「謝金」的なものなのである。」

現代においても、雇用という形態が、当然に使用者の指揮命令を受けること、あるいは使用者が懲戒権を持っていることなどは奴隷的な要素もないとは言えないかもしれません。また、だからこそ労働法というものの存在意義があるのかもしれません。もちろん、現代の雇用では、古代ローマの奴隷と異なり離脱する(辞める)自由があるので、全く異なりますが。

労働の問題を考える際には、こうした「雇用の本質」を考える必要がありそうです。具体例も豊富で、読みやすい本ですので、ぜひご一読ください。
Posted by 佐藤孝弘 at 20:15 | 経済 | この記事のURL
「子ども手当 厚労相「所得制限なし」」(「日本経済新聞」2009年9月25日朝刊) [2009年09月25日(Fri)]
記事によると、長妻厚労相が子ども手当について「子育てにかかわる費用を社会全体でみるというのが考え方。所得制限がないという民主党の主張をできれば貫く必要があると思う。」と、所得制限を設けない方針をあらためて表明したそうです。

ちょっとこれは原理主義的に過ぎるのではないでしょうか。普通に考えて、所得が低い層ほど、子ども手当の政策効果は大きいはずです。年収1億円の人が国から月2万6千円貰ったとしても、子育てのやり方やライフプランには何の影響も与えないでしょう。

もしかすると、ここまで民主党がこだわるのは、別な理由、たとえば所得制限にかかる事務手続きの問題(定額給付金もこれによって所得制限なしとなりました)、あるいは自営業者の所得の捕捉の問題などが存在するからでは、と勘繰ってしまいます。それならそれで、真摯に取り組めば良いと思うのですが。

いずれにせよ、所得制限なしというのは、「徹底的に予算の無駄をなくす」という民主党の主張に直観的には全く相反するので、「子育てにかかわる費用を社会全体でみるというのが考え方」といった抽象的な説明以上のものがないと、国民から批判を浴びることは必至だと思います。
「雇用危機をどう乗り越えるか」中野雅至 [2009年09月24日(Thu)]
元厚生労働省職員による雇用問題の本。現在の日本を「人口減少・高失業率社会」と名づけています。その意味するところは、人口が減り、長期的には労働力不足であるにもかかわらず、失業率が高いままの社会で、雇用のミスマッチ解消が必要としています。

本書の言葉を借りると「「人材不足の業種では労働条件が良くなる」という当たり前の経済原則が機能していない」ので、政府としてこれをどう考えるかを丁寧に考える必要がありそうです。

雇用のミスマッチの原因としていくつか挙げられています。
1・いわゆる3K労働に就きたがらない人が多い
2・医療・介護のように政府が受給をコントロールしている業界における政府の失敗
3・終身雇用をはじめとした雇用慣行による労働市場の硬直化

などなど、理屈としてはわかるのですが、どの要因がどのくらいミスマッチに寄与しているのかを書いていただけるとさらに良かったと思います。また、解決策としてデンマークモデルや、解雇規制改革のアイデアが掲げられていますが、それぞれやや歯切れの悪い書き方になっていて、著者として確信を持っているわけではないと感じました。

結局は、どうすれば産業構造をより高付加価値の分野に転換し、そちらに人材を移動するかという点に尽きるように思います。おそらくそれは労働法だけで解決できる問題ではないので、本書でもややあいまいな部分が残ったのではないでしょうか。厚生労働省にいた方の考えを知るという意味でも面白いと思いますのでご一読をおすすめします。
Posted by 佐藤孝弘 at 11:45 | 経済 | この記事のURL
「原口総務省VS亀井担当相 郵政巡りもう不協和音」(「毎日新聞」2009年9月18日(金)夕刊2面) [2009年09月20日(Sun)]
日本郵政の経営形態の見直しを巡り、亀井静香金融・郵政担当大臣が18日の閣議後会見で、原口総務大臣がテレビ番組で示した見直し案について、「担当大臣は私。あの方の個人的な意見だ」と不満を漏らしたそうです。

早速、民主党と国民新党の方針の違いにより鞘当てが始まっているようです。亀井氏が別途提案している中小企業向けの「モラトリアム」についても、財務大臣との対立がすでに表面化しています。

鳩山内閣の最初の懸案は、政党VS政党の調整問題のようです。政党VS役所の部分については、いまのところ圧倒的な民意を背景に民主党がリードしていますが、政党間調整では別なメカニズムが働きます。

亀井氏は少数政党とはいえ党首で、しかも当選11回のベテランですから、持論を容易には曲げないでしょう。そうした際に鳩山総理がリーダーシップを発揮できるのか、「閣外の別な誰か」が調整に乗り出してくるのかは参院選までの内閣のあり方を占うテストケースになりそうです。

郵政にしても、モラトリアムにしても、国民新党の政策の一丁目一番地。亀井氏が大臣にするからにはこうなることは予測できたはずです。役割分担が明確にしないうちは、こうした問題は何度でも起こるでしょう。政権の求心力低下の火種とならないように、総理は先手を打つべきです。
Posted by 佐藤孝弘 at 16:48 | 政治 | この記事のURL
「国家戦略局 社・国参加させず 民主政策調整は「党首級」で」(「日本経済新聞」2009年9月14日朝刊1面) [2009年09月14日(Mon)]
民主党は国家戦略局に社民党、国民新党の参加を認めない方針を固めたそうです。松本前政調会長がテレビで「戦略局は知恵を出すところだから、そこに(両党が)入ってもらうことは考えていない」と述べたとのこと。

この記事を読んで少し心配になってきました。両党との調整についてはそれほど問題とは思いませんが、肝心の国家戦略局の位置づけについてです。戦略局の役割や体制は、報道を見る限りではまだほとんど決まっていないように思われます。民主党の議員の方の多くが戦略局を「知恵を出すところ」という風に考えているとしたらおそらくほとんど機能しないのではないでしょうか。

政策課題は様々にありますが、必ずそれぞれの所管大臣がおります。どんな案件であれ、改革を進めるとなると必ず、大臣レベルでの調整案件が出てきます。いくら「政治主導でタテワリの弊害を廃す」との建前を表向きに言っていても、二つの正義(あるいは価値)が対立し、それが省庁間対立のような形になる場面が出てくるはずです。

こうした時にデッドロックになるか、しっかりと決定を下す仕組みとリーダーシップがあるかで、内閣が本当に仕事ができるかどうかが決まります。

リーダーシップについては、鳩山代表の資質によるものなので、今さらどうこうできませんが、決定の仕組みはやり方次第で大きく結果が変わってしまいます。

戦略局の場合、関係大臣をその会議体に入れて各大臣に結論に責任を持たせるか、戦略局での結論が直ちに総理に上がり、総理から絶対の指示が下りるといったような体制がないと、単に知恵を出しただけで実際には実行されない組織になってしまうでしょう。また、議論する際には、裏の調整ではなく、必ずオープンな場で行うことも必要です。そうすれば決定を後からひっくり返すことをしにくくなるからです。こうしたことは、経済財政諮問会議の反省から明らかだと思うのですが、いったいどうなることやら…。

民主党の議員の方には、戦略局を「知恵を出すところ」ではなく、「オープンな議論を行った上で最終的な責任ある政策決定をするところ」というふうに認識を変え、縦割りの弊害が出ている政策課題にチャレンジしていただきたいものです。
Posted by 佐藤孝弘 at 11:19 | 政治 | この記事のURL
「雇用大崩壊 サラリーマンがなくなる日」宮島理 [2009年09月11日(Fri)]
ライターの宮島さんの近著。現在進行中の「日本人の働き方」をインタビューなども交えてわかりやすく描写・分析しています。

特に「就職氷河期世代」といわれる、30代について詳しく書かれている。非正規雇用の問題ばかりが叫ばれている中、低賃金・長時間残業などで疲弊する正社員の問題についてもバランスよく書かれています。「とにかく正社員化すればよい」という最近の(メディア等の)風潮が強いだけに、こうした冷静な見方が必要なのではないでしょうか。

ただ、制度設計となると至難の業です。本書にも書いてあるとおり、仕事の満足度についてのアンケート結果では、

 自ら望んだ非正規労働者>正社員>望まない非正規労働者

となっているわけでして、同じ働き方の非正規労働であっても、その人の考え方や立場によって評価が正反対になります。ある人がそのどちらにあたるのか、当然、行政には判断ができませんから、どちらに照準をあわせた制度設計にすればよいのかが難しいわけです。

本書でも触れられていますが、やはり切り口としては労働者個人の技能蓄積かと思います。特に非正規雇用の方のスキルアップをどうするか、真剣に取り組まなければなりません。雇用の“今”を知りたい方にお勧めです。
Posted by 佐藤孝弘 at 17:30 | 経済 | この記事のURL
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