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「解雇規制を考える下 雇用改革より広い視点で」(「日本経済新聞」2009年7月31日朝刊27面「経済教室」) [2009年07月31日(Fri)]
本日の日経新聞「経済教室」に東京財団研究員、一橋大学准教授の神林龍先生が解雇規制について書いておられます。近年巷でよく言われる、「解雇権濫用法理、整理解雇法理が諸悪の根源」という論調へを大きな疑義を提示しています。

これらの判例法理を生み出してきた70年代〜80年代の具体的紛争事例をみると、経済的な事情よりも、第二組合つぶしのような恣意的な排除に訴訟の原因がある場合が多くなっています。整理解雇の4要件も、このような恣意性のチェックとして形成されてきたのであって、そうした恣意性がなければ、日本における解雇もそうハードルが高くないのではないかというのが神林先生の問題意識です。

雇用の問題は解雇規制さえ緩めればすべて解決するといったものではなく、「日本的経営」のあり方や個々の労働者の技能蓄積のあり方まで含めてもっと広く考えないと答えは出てきません。現在、東京財団の「会社の本質と資本主義の変質研究」プロジェクトでは、そういった点を含めて、労働法制の見直しをしているところです。ぜひ成果をご期待ください。
Posted by 佐藤孝弘 at 11:12 | 経済 | この記事のURL
「アマゾン・ドット・コムの光と影」横田増生 [2009年07月30日(Thu)]
ジャーナリストによるアマゾンの物流センターアルバイト潜入ルポ。情報公開があまり行われないアマゾンのビジネスモデルと、物流センターの実態が描かれています。

著者はアマゾンが成功した理由として徹底した“顧客第一主義”を挙げています。アマゾンのサイトは個人の購買履歴などを通じてカスタマイズされていき、巨大なデータベースに基づいて“オススメ商品”などの情報が常に個人にフィードバックされる仕組みです。使えば使うほど使い勝手が良くなるというわけです。

これは本来であれば“顔なじみの書店”がやっていること、と著者は指摘します。顧客の顔と名前を覚え、その顧客の好みも知っており、適切にガイドする、といったサービスがアマゾンのサイトで疑似的に代替されているというわけです。

個人的には、アマゾンがそれほど便利とも思わないのですが、アマゾンジャパンの売り上げの伸び(著者は2005年時点で1000億円と推測しています)からすると、そういった点が支持されているのかもしれません。

一方、物流センターでは、アルバイトを機械的に働かせる仕組みが出来上がっています。基本的な仕事の流れは、Pスリップという注文リストを受け取り、巨大な倉庫から本をピックアップして、梱包し、発送するというものです。この中でも分業が行われており、ピッキングする人はひたすらピッキング。「一分三冊」というノルマが課され、時間中ひたすら単純作業を続けます。時給は900円とのこと。なお、この物流センターの運営は日本通運が請け負っています。

この仕事を体験した著者は、「この仕事では、まともな生活設計を立てることはできない」と述べています。給料の安さだけでなく、仕事に関して、将来への希望や自尊心をまったく持てない、アルバイトは使い捨てという雰囲気が蔓延しているとのこと。

筆者も言うとおり、ロバートライシュがかつて指摘した労働の二極化の典型例です。こうした問題をどうとらえ、どう解決していくか。筆者は本書の中では政策的な問題までは踏み込んでいませんが、その前提知識として、本書は大いに役に立つと思います。
Posted by 佐藤孝弘 at 11:55 | 経済 | この記事のURL
「民主「生活再建」全面 鳩山代表公約発表 政権交代へ決意」(「読売新聞」2009年7月28日朝刊1面) [2009年07月28日(Tue)]
昨日、鳩山代表自らが記者会見を開き、民主党のマニフェストが公表されました。ざっとみたところの感想を述べさせていただきますと、まず目につくのが「カネを配る話(子供手当など)と支出のムダを削る話ばかりで経済全体のパイを増やす(イノベーション、経済成長)ための政策がほとんどない」ということです。

現在、多くの国民が生活に不安を持っているのは事実でしょう。それに応えるという意味で、公共事業などに使う分を個人に直接給付するという発想は当然ありうると思います。ただ、その原資(GDPや税収)を増やさなければ、ゼロサムになってしまい、結局福祉や教育に十分なお金が回らないのではないでしょうか。

もちろん、無駄を省くことも大事で、ぜひやっていただかなければなりません。しかし、格差問題にしても、財政問題にしても、まず第一の特効薬は経済成長であって、その視点があまりにも足りない気がします。そういったことに関心のある議員の方が民主党には少ないのかもしれませんが、企業にとってはイノベーションを起こしやすい、また、労働者は頑張ればその分報われるような経済システムをつくっていくという発想をぜひ入れてほしいものです。そのほうが日本が夢のある国になります。特に若い人ほどそう思っているはずです。

財源問題についてですが、麻生首相はさっそく「財源が無責任であいまい」と批判したようです。確かに、民主党のマニフェストは財源が本当にねん出可能か、かなりあいまいでしょう。それ自体は大いに批判されるべきかと思います。しかし、私は自民党が最近この点ばかりを強調するのには違和感を覚えます。これまで自民党は公約の中で財源を明示してきておりませんし、肝心の税制改革についても「消費税を含む税体系の抜本的改革を実現する」などとあいまいに書いておいて実際には何もやらないということを10年も続けてきました。

そして、今般の補正予算も含め、税収が足りない部分については単に赤字国債を増発してきただけですから、これまで財源について自民党が責任ある対応をしてきたとは全く思えないからです。自民党の公約はまだ公表されていないので、どういう書きぶりになるかわかりませんが、出てきたらまた感想を書きたいと思います。

有権者としては選挙に際し、財源問題をどうとらえればよいのでしょうか。民主党のものでも、自民党のものでも、マニフェストのすべての項目に以下のような但書が書いてあると思って読むことをお勧めします。

ただし、財源が確保できなかった場合は支出(給付)を減らすか赤字国債を発行して実現するかのどちらかです!
Posted by 佐藤孝弘 at 19:50 | 政治 | この記事のURL
国土交通省審議会での議論 [2009年07月27日(Mon)]
お知らせが少し遅れてしまいましたが、以前岩井先生が行った、国土交通省審議会での発表の議事録が公表されました。

⇒議事録はこちらをクリックし、さらに「第18回」をクリック

今年2月に東京財団で出した建築基準法に関する政策提言についてのプレゼンをさせていただきました。社会資本整備審議会建築分科会第18回の資料と議事録をぜひご覧ください。議事録ではなぜか個人名や団体名がすべて○○○と伏せ字になっておりますが、ここにある「参考人」は岩井先生です。(資料を見れば一目瞭然ですが)今後も提言の普及活動に努めていきたいと思います。

本日発表された民主党マニフェストについては、別途また書かせていただきます。
「与党議員で新政府税調」(「日本経済新聞」2009年7月23日朝刊1面) [2009年07月23日(Thu)]
民主党のマニフェストの内容が明らかになってきました。税制の議論の場として、与党税制調査会を廃止し、財務大臣のもとに与党政治家をメンバーとする新たな政府税調を設けるとのことです。

自民党政権においては、「税は党税調が決める」ことが長い間慣習となっていました。毎年11月末から12月半ばにかけて集中的に議論し、税制改正大綱をまとめ、それをもとに政府が税法の改正を行うというプロセスでした。並行して議論を行う政府税制調査会はほとんど存在感がないという状況でした。

具体的にはそれぞれの税制に利害を持つ集団が個別に税制改正要求を出し、自民党が一冊の冊子にまとめます(通称“電話帳”と呼ばれていました)。それに対し、毎日テーマを変えて、正副会長会議、小委員会で議論を行い、最終的には、“インナー”と呼ばれる税調の最高幹部会議で決まるという仕組みです。

テーマごとの議論と言っても、各利益団体の意見を各族議員が代弁して一方的に発言するだけのものなのですが、それによって租税特別措置などの税制の優遇措置の改廃が決まったので、非常に影響力が大きかったわけです。

これを毎年繰り返していった結果、日本の税制は極めて複雑怪奇なものになっていきました。また、必然的に抜本的な税制改革は進まず、小幅改正が繰り返されてきました。

民主党のアイデアはこのような税制の決定プロセスの弊害をなくそうということでしょう。ただ、税制は専門的な分野で、政治家の側には相当の勉強が求められるのも事実です。本当の意味で政治主導の税制改革を行うには、政治の側が税の仕組みをしっかりと理解した上で、大胆にメスを入れなければなりません。そうでなければ、容易に財務省、総務省に操られるだけの存在となるでしょう。

選挙戦の論争では、こうした手続き論と実質論の両方がバランスよくなされると、自民と民主の違いが際立ってきて、有権者が判断しやすくなると思います。
「8・30 政権選択」(「読売新聞」2009年7月22日朝刊一面) [2009年07月22日(Wed)]
ついに衆院が解散されました。8月18日公示、8月30日投票ですが、昨日から各候補者は一斉に地元に帰り、事実上選挙戦が始まったようなものです。

読売新聞をはじめ、各紙が今回の選挙を“政権選択”が争点としています。では、これまでの衆院選は政権選択選挙ではなかったのでしょうか?

潜在的にはどの政党も政権を担いうるのだから、毎回の衆院選が政権選択選挙のはずですが、今回、特にそれが強調されるということは、いつもとは違う事情があると皆が認識しているからでしょう。

そういう認識の根源には、安倍政権末期〜麻生政権にかけて、自民党の政権担当能力への疑義が高まってきたという点があるように思われます。そしてその大きな原因として衆・参の“ねじれ”状況に対する対応が結局うまくできなかった点が挙げられます。ねじれをめぐる迷走が、国民からは政権担当能力のなさに見えるというわけです。

となりますと、今後の「野党第一党の政権奪取戦略」という観点からすると、ポイントは必然的に参院選になるということになりそうです。参議院は任期6年、解散もなく、半分ずつ3年おきに選挙を行うというものです。参院選で2連勝して第一党の座を確保すれば、そうそう逆転できない“ねじれ”状況を作り出すことができます。その間、(郵政解散のように)衆院選でいくら負けても全く問題ありません。

ひたすら参院選をターゲットにし、勝利後は“ねじれ”を利用して与党にダメージを与え、衆院選の勝負にかけることで初めて“政権選択”選挙が実現できます。これは、政治システムがもたらす必然的な帰結で、このプロセス自体は全く合理性はないと思います。

目先の選挙結果も重要ですが、こうした政治システムが本当に我々にとって良いものなのか、検証することも必要なようです。
Posted by 佐藤孝弘 at 11:27 | 政治 | この記事のURL
「貸金業者1年で32%減」(「日本経済新聞」2009年7月20日朝刊1面) [2009年07月21日(Tue)]
消費者金融などの貸金業者が減り続けています。今年5月末時点の登録業者数は5740社で前年同月に比べて32%も減少しているとのこと。

2006年12月に改正貸金業法が成立した時からわかっていたことでした。この改正では個人向けローンの上限金利引き下げ(いわゆる「グレーゾーン金利撤廃」」)や、貸出総額を年収の3分の1以下のする「総量規制」が行われましたが、これによって消費者金融のビジネスモデルが成り立たなくなって廃業が相次いでいるわけです。

当時はいわゆる多重債務問題がクローズアップされ、あまり冷静な議論がないまま一挙に改正が行われた感があります。多重債務問題はそれはそれで重要なのですが、消費者ローンには「零細企業の一時的な運転資金対策」に使われていた側面もあります。規制が厳しくなったり、それにより貸金業者がつぶれれば、一時的な資金繰りを消費者金融に頼っていた零細企業はつぶれるしかありません。しかし、こちらのほうはあまり議論の俎上に上りませんでした。

実際、この改正によりかなりの零細企業が倒産しているはずですが、データもなく、声も出にくい部分なので(わざわざ「私は倒産しました」と訴える人はほとんどいません)、実態はなかなか明らかになりません。

こうした「声なき声」に対する対応をどうするか、政治や行政にも真剣に取り組んでほしいところですが、いまのところそのような動きはありません。リンクを張ってある「「貸せない」金融」には、貸金業者と零細企業の関係なども含め、実態がうまく描かれておりますのでぜひご覧ください。
Posted by 佐藤孝弘 at 13:40 | 経済 | この記事のURL
「両院総会要求きょう提出」(「日本経済新聞」2009年7月16日朝刊1面) [2009年07月16日(Thu)]
自民党の中川秀直氏、武部勤氏らが両院議員総会を求める署名を130名以上も集めたそうです。執行部は何らかの対応を迫られます。麻生総理はいまのところ、方針を変えるつもりはないそうで、さらなる混乱が予測されます。

もちろん、中川氏らの意図は麻生首相の退陣を促し、新しい顔を立てて選挙を戦いたいということです。しかし、この期に及んでは、このようなゴタゴタを国民に見せることは逆効果でしかないのではないでしょうか。

ここはもっと長期的な視野で考えるべきだと思います。自民党としては、いったん下野する覚悟をした上で、少しでも議席を確保するために地元に戻ってしっかりと政策を訴えていくべきです。そのほうが選挙後の反転攻勢もしやすいと思うのですが…。
Posted by 佐藤孝弘 at 16:00 | 政治 | この記事のURL
パクト・ドットジェイ ピー [2009年07月14日(Tue)]
「パクト・ドットジェイピー」というサイトがオープンしました。これは、もともとフランスで始まった「パクト」という、国民が提案した政策について、国民との間で協定を結び、政治家に遵守を強く求めていくという運動の日本版です。

このサイトは霞が関OBと元政策秘書を中心に立ち上げられたそうです。これまで永田町と霞ヶ関にほぼ独占されてきた閉鎖的な政策形成プロセスを脱し、国民参加による新しい民主主義のあり方を提案することが目的とのこと。

パクト・ドットジェイピーにおいて、ユーザーは名前(ニックネーム可)、年齢、出身地などの簡単な登録をし、日本が抱えている問題の解決策や実現したい政策のアイデアを提案します。読者はそのアイデアを読み、気に入ったもんい賛成票を投じたり、コメントや提案を書き込むことができます。高い支持を得た提案はパクト・ドットジェイピー上においてランキングとして表示され、政府や政党に具体化および実現を求めていくという仕組みです。

マニフェストは言ってみれば上から与えられるものですが、これはむしろ国民の側から“突きつける”といったイメージでしょうか。面白い試みかと思いますのでぜひこちらのサイトを一度ご覧ください。私もいずれ政策をこちらで提案してみようと思います。
臓器移植法改正案(A案)が成立 [2009年07月13日(Mon)]
このところ諸事情により本ブログが更新できずにおりました。ご心配のメールもいくつかいただきまして、読者の皆様へは大変ご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。本日より通常ペースで更新してまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

先ほどの参議院本会議で臓器移植法改正案の採決がありました。採決は修正A案、A案、E案の順で行われましたが、まず修正A案が否決され、次にA案が賛成多数で可決されました。E案は採決されることなく廃案となりました。

本件については、結論を出す前に議員一人一人が中身を理解し、しっかりと検討すべき法案だということで、東京財団でも議員会館勉強会をはじめ様々な機会を提供してまいりました。

しかし、衆参ともに政局のからみもあって審議時間も短く、残念ながら消化不良の状態での採決になってしまいました。結局議員の多くは内容の理解も不十分だったのではないでしょうか。下記に本日の参議院本会議での採決の結果(各議員の投票行動)を見ることができますが、修正A案に賛成しておきながら、次のA案にも賛成している議員が結構います。A案と修正A案の違いは脳死を一律に人の死とするかどうかで、それが最大の論点でもあるのですが、両案ともに賛成するというのはいったいどういう見識なのでしょうか。脳死の定義はどうでもよいが、とにかく法案が可決されれば何でもよいということなのでしょうか。

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/vote/171/171-0713-v001.htm
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/vote/171/171-0713-v002.htm

引き続き本件については、追いかけていきたいと思います。
Posted by 佐藤孝弘 at 14:59 | 思想 | この記事のURL