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本年もお世話になりました [2008年12月31日(Wed)]
今年も残すところあと一日となりました。

当ブログをご愛顧いただいた皆様、本当にありがとうございました。
特に9月に「M&A国富論」を出版してからアクセス数が一気に増え、少し緊張しながら更新を続けておりました。ブログを通じて取材依頼や問い合わせなどをいただき、様々な出会いもありました。

今年は政治の世界でも経済の世界でも混迷が続きました。いまこそ、しがらみとは無関係に活動できる政策シンクタンクが最も活躍できる時だと思います。「現場と政策と理論」をつなげ、日本人が将来に希望がもてるような政策を今後も研究し、提言していきたいと思います。

また、東京財団での活動や日々のニュース・読書について、皆様のお役に立てるような情報をこれからも当ブログから発信していきたいと思います。

今後とも何卒よろしくお願いいたします。
「虚数の情緒 中学生からの全方位独学法」吉田武 [2008年12月30日(Tue)]
本年最後の本のご紹介になるが、ちょっと変わりダネを。先日本屋さんをブラブラしていたら、やたら分厚い本書が眼に飛び込んできた。手にとってみてみると、なんと全1000ページもある。どうやら中学生に数学を教えるための本のようだった。ペラペラめくってみると、数学の本のはずなのに「源氏物語」や「人類の誕生」の話も出てきており、一見して型破りの本であることがわかり、思わずその場で購入を決めてしまった。

私も数学は昔から苦手だった。それで特に今の仕事や生活に支障を来しているわけではないが、なんとなく数学に対する「うしろめたさ」があったのである。それを克服するつもりで読んでみると、非常に面白く、1000ページを読み切ってしまった。

本書は3部構成になっている。

第1部 独りで考える為に
第2部 叩け電卓!掴め数学!
第3部 振子の科学

これを見ただけで「普通ではない」感じを受ける方が多いと思う。第1部では、数学を学ぶ事の意義を、人類史から説き起こし100ページ以上もかけて中学生に説いている。読み物としても面白いし、なにより中学生を子供扱いせずに、真剣に語りかける著者の姿勢に非常に好感が持てる。

第2部では「虚数」というゴールにむけて、自然数、整数、有理数、無理数と「数」の範囲を徐々に拡張していく過程の解説がなされる。公式の導き方だけでなく歴史的経緯もあわせて書かれており、退屈しないようになっている。本当の基本からはじまって最後は「オイラーの公式」までたどり着いてしまう著者の話の展開のうまさには舌を巻く。そして第3部には「振り子」の話題を中心に、物理学の解説がはじまる。力学の基本から入って、最終的には今年ノーベル物理学賞を受賞した、南部陽一郎氏の「自発的対称性の破れ」の理論まで到達してしまうのである(ちなみに本書刊行はノーベル賞受賞前の2000年)。

相当高度な内容にも踏み込むのだが、知的好奇心にあふれる中学生であれば、本書も読了してしまうだろう。もちろん、大人が読んでも面白い。ページ数にひるまず、一人でも多くのかたが本書を取ってくれることを願う。
書評「M&A国富論」(「経済セミナー」1月号掲載) [2008年12月27日(Sat)]
本日発売の「経済セミナー」の書評コーナーにて、M&A研究の第一人者である早稲田大学の宮島英昭先生が拙著「M&A国富論―「良い会社買収」とはどういうことか」の書評を書いてくださっています。ぜひご覧ください。
Posted by 佐藤孝弘 at 12:19 | 経済 | この記事のURL
「ワークシェア導入論浮上 政労使、痛み分かち合い」(「日本経済新聞」2008年12月26日朝刊3面) [2008年12月26日(Fri)]
目下の雇用対策として、オランダの「ワッセナー協定」を参考にすべきという声が経済界か産業界の間から出てきたとのこと。「ワッセナー協定」とは、1982年にオランダの政・労・使の三者が話し合った結論だ。政府は財政支出を抑制し減税を行う、労働組合は賃上げの抑制に同意する、使用者は雇用機会を増やすというもので、「三方一両損」のような考え方だ。この合意以降、オランダの失業率は大きく改善し、企業の競争力も高まったため、ワークシェアリングの成功例としてよく引用される。

日本ではどうか。記事には書かれていないが、協定の背景には、パートとフルタイム労働者の差をなくし、「同一労働同一賃金」「均等待遇」という方向に社会を変えていくという「より大きな社会的合意」がある。果たして日本に「日本人の働き方の将来像」に関する国民的合意があるかと言えば、全くできていない。また、制度的にも実態的にも正規・非正規の差が極めて大きい現状を考えればオランダと全く同じ方向へ行くことは困難だろう。

それ以前に、現在の日本では、政・労・使がそれぞれの集団をどれだけ「代表」しているかどうかも疑問がある。政治は選挙を経ないで総理が3人も交代して支持率20%を割る状況だし、労働組合は組織率が20%を割っている。経営者側も競って非正規雇用を解雇・雇止めしている状況で、将来の労働のあり方についてコンセンサスが得られる見通しはない。

こうした中で安易にオランダ型だのなんだのと言っても仕方がない。まずは90年代以降の経済の構造変化を踏まえ「日本人の働き方」の将来像を真剣に考えるべきではないか。
Posted by 佐藤孝弘 at 01:00 | 経済 | この記事のURL
「日経経済教室セレクションT」日本経済新聞社編 [2008年12月25日(Thu)]
日経新聞の人気コーナー「経済教室」からピックアップして単行本化したもの。総勢83名の著者が内外の経済問題について論じている。どちらかというと純粋な解説よりも具体的な政策提言が入ったものが選ばれている感じがする。

今年の2月に私が岩井先生と書いた会社買収ルールに関する政策提言も収録されているのでぜひどうぞ。また、東京財団研究員の方も多く寄稿しているので、以下に掲げると。

「自由放任は第二の終焉」岩井克人主任研究員
「良い経営者選抜の手段に」岩井克人主任研究員/佐藤孝弘
「税額控除、「子育て」突破口に」森信茂樹上席研究員
「裁定型業務の限界超えよ」池尾和人上席研究員
「政策金融 改革の本旨貫け」石川和男研究員

そのほか、各種問題について網羅的に選ばれているので、最近の経済問題をお正月休みに復習しておきたい方にお勧めです。
Posted by 佐藤孝弘 at 10:18 | 経済 | この記事のURL
「破綻か大リストラか ビッグ3 現場を歩く」(「読売新聞」2008年12月24日朝刊1面) [2008年12月24日(Wed)]
ビッグ3救済問題は、GMとクライスラーへのつなぎ融資ということで一旦決着した。先日のブログでは、延命策としてのつなぎ融資ではなく、チャプター11を適用して再生プロセスに乗せたほうが良いのではないかと書いたが、そうはならなかった。やはり政治は理屈通りにはいかない。

本記事はデトロイトの現状についてのルポだが、これを読む限り再生の見通しは全く立っていない。米CNNの調査では回答者の7割が「ビッグスリーが追加支援を政府に求めた場合は破たんさせるべき」と答えているそうだ。米自動車産業の問題はオバマ政権へ先送りされたが、新大統領のリーダーシップが試される最初の試練となるだろう。
Posted by 佐藤孝弘 at 11:05 | 経済 | この記事のURL
「2008年の『ベスト経済書』」(「週刊ダイヤモンド」新年合併特大号) [2008年12月23日(Tue)]
現在発売中「週刊ダイヤモンド」の特集、「経済学者・経営学者・エコノミスト213人が選んだ2008年の『ベスト経済書』」にて、拙著『M&A国富論』が16位にランクインされました。また、「週刊東洋経済」の「年末・年始にぜひ読みたい経済・経営書ベスト100」では88位にランクインされました。

本書を買っていただいた方、ご支持いただいた皆様、ありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。
Posted by 佐藤孝弘 at 10:00 | 経済 | この記事のURL
「株式投資家が会社に知ってほしいこと」日本コーポレート・ガバナンス・フォーラム編 [2008年12月22日(Mon)]
12月アタマから経済産業省が「企業統治研究会」を立ち上げている。企業統治はもちろんコーポレートガバナンスのことで、第一回研究会の資料を読む限り、メインの議題は社外取締役制度だ。この研究会の議論の進み方次第では会社法改正の動きにつながる可能性はある。

先月当ブログでも書いたが、日本の会社法は米国と比べて株主の力が極めて強い。米国では株主の力が弱いからこそ株主の代理人としての社外取締役の重要性が強調される。

ということを前提とするならば、社外取締役の導入と、取締役会の権限強化はセットにならなければおかしなことになる。そうなるとこれまでの会社法の体系を大きく変える議論になるので、改正へのハードルは上がるだろう。いずれにせよ同研究会の議論は注目だ。

もうひとつの重要な要素として、投資家のかなり多くの部分が日本企業のガバナンス向上には社外取締役の導入が最も効果的と考えている点だ。私も多くの投資家の方と議論したが、この点は共通していて、しかもそれをかなり強く確信しているようだった。

一方企業の側としては、必ずしもそう思っていなくても、「投資家がそう言っているから、一応導入しよう」という方向ですでに動いている。このように、コーポレートガバナンスはとかく形式的になりがちであるため、制度を議論する際には実質的な効果がどのように出るかを考慮し、慎重に検討しなければならない。

本書は投資家の方々が、コーポレートガバナンスの考え方をQ&A方式でわかりやすく述べたものである。私が知る限り、この手の本では一番常識的で一般的な見解が書かれている。「投資家はいったい何を考えているのか」を知りたい方には本書をお勧めする。
Posted by 佐藤孝弘 at 13:15 | 経済 | この記事のURL
「ビッグ3救済 駆け引きヤマ場」(「日本経済新聞」2008年12月19日朝刊3面) [2008年12月19日(Fri)]
米国政府によるビッグスリーの救済策をめぐる議論がヤマを迎えたとのこと。さらなるつなぎ融資をするか、破産法11条(いわゆるチャプター11)で再生をめざすかのどちらかになるのだろう。

どちらを取るにせよ、厳しい状況が待ち受けている。もともとビッグスリーが得意とするのは大型車で、しかも燃費は悪い。果たしてこういう会社が日本車と比べて遜色のない、低燃費の小型車を作れるようになるのだろうか?そう簡単ではないだろう。また、仮に世界同時不況が回復に向かったとしても地球環境に負荷をかける大型車に需要が戻ることはないように思われる。

ただ、数は多くないだろうが、ごつい「アメ車」が大好きで仕方がない人がいることも事実である。再生の道があるとすれば、大規模な経営改革とリストラをした上で、大型車ファン向けに特化したニッチ市場でのトップを目指すことくらいなのではないか。

いずれにせよ自動車産業での雇用のかなりの部分は失われざるを得ないだろう。つなぎ融資で延命を続けるよりは、早めに再生のプロセスに乗せ、その分の予算を雇用対策へ振り向けたほうが良いのではないか。
Posted by 佐藤孝弘 at 13:46 | 経済 | この記事のURL
「3年で辞めた若者はどこへ行ったのか」城繁幸 [2008年12月18日(Thu)]
かつて「若者はなぜ3年で辞めるのか?」という本がベストセラーとなった城繁幸さんの本。これまでの一般的な「昭和的価値観」に基づく人生のレールに乗らなかった若者の新しい生き方の実例集だ。

たとえば、ある若者は、大手重機メーカーの営業から中小企業の人事総務部門へ行きそこでキャリアを積んでさらに転職をし、33歳にして米国メーカー日本法人の人事部長となったそうだ。転職の理由は、人事総務の専門性を身につけたスペシャリストになりたかったこと。未経験でも人事総務の枠で採用してくれるのは中小企業だけだった。

ところが、会社の規模が小さいことから、採用から退職までの人事のすべてのプロセスを知り、ノウハウを身につけることができたという。大組織だと分業が進みすぎでそうはいかない。結局この若者は中小企業に行くことで最短距離で専門性を身につけたのである。

そのほか、大企業勤めからバーテンダーへ、東大から僧侶へ、などといったユニークな人生の行き方の実例がたくさん出てくるが、いずれも「強い個人」だと思う。私も33才にしてすでに4つ目(細かいのを入れるともっとたくさん)の職場なのでわかるが、若いうちにいろいろな経験をしておくと、変化への対応力や耐久力が身に付き、リスクがリスクでなくなってくる。

一方、大卒ホワイトカラーが抱えるリスクは、高度成長期と比べて格段に高くなっている。これからは「大企業に勤めれば一生安心」という時代ではまったくないので、個人レベルのリスク管理の視点からは若いうちに変化への対応力を身に付けておくのは絶対に必要なこととなるだろう。

これが政策となると非常に難しい。例えば教育によって全員が「強い個人」になれるかといえば、そう簡単にはいかない。しかし、これからの時代少なくとも社会のあらゆる場所にトレーニングの機会と場を設けておくことは必要だろう。また、誰でもそういったリスクを抱えて生きなければならない時代であることをあらかじめ認識しておくことが必要だろう。

さらには、日本の会社組織の在り方との関連で労働法制の抜本改革が必要と思われる。しばらくの間は本書に出てくるような生き方と、従来型の生き方が併存するので、それに合わせた制度設計を考えていきたいと思う。
Posted by 佐藤孝弘 at 10:22 | 仕事 | この記事のURL
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