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「敵対的買収防衛策〜企業社会における公正なルール形成を目指して〜」 [2007年09月12日(Wed)]
経済産業省に設置された「企業価値研究会」が取りまとめた報告書や、経済産業省・法務省が作成した敵対的買収防衛策に関する指針などが掲載されている。本報告書では、企業が買収防衛策を取る際の原則として、

1.企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則
2.事前開示・株主意思の原則
3.必要性・相当性確保の原則

を掲げ、さらに具体的な事例に即して、防衛策の“公正性”を高めるための具体的な方策について解説している。この指針を読む限り、おそらく事前警告型のポイズン・ピル(ライツプラン)の導入を推奨しているものと思われる。では、この指針により問題は解決したのだろうか?

スティール・パートナーズとブルドックソースの事件について、最高裁の決定も出たこともあり、敵対的買収については、議論が尽くされた観があるが、現実には全く問題は解消されていない。この問題の最大のポイントは、買収防衛策のどこまでが合法で、どこまでが違法という点に関し、全く不明で、経営者からみた予測可能性が極めて低いということであり、その点は最高裁決定後も変わらないのである。

それを象徴的に示すのは、最高裁決定後にブルドックが導入した買収防衛策の内容だ。

報道によると、経済産業省の北畑事務次官は、定例記者会見の場で、「ブルドックの防衛策に、(買収者への)金銭支払い規定がある点は疑問だ」と述べ、買収攻勢を かけられる前の「平時」に導入する買収防衛策では金銭支払いは必要ないとの認識を示したそうだ。

せっかく立派な指針を作ったのに、それに従わないことにいらだつ気持ちはわかるが、それはブルドックに酷というものである。指針はあくまで指針であって、法律ではない。指針どおりに作った買収防衛策を裁判所が良しとする保証はまったくないのである。かといって、被った被害について経済産業省が補償してくれるわけでもない。どれだけ充実した指針があろうとも、裁判リスクを抱える経営者にとっては、「そんなの関係ねえ!」のである。より安全に、安全にと流れるのは仕方が無いといえる。

今後も多くの判例が積み重なれば、アメリカのように相場観が形成され、経営者の予測可能性も高まるであろうが、何年、何十年かかるかわからない。ここで、何らかの立法措置を検討しないことは、知的な怠慢であろう。
Posted by 佐藤孝弘 at 11:00 | 経済 | この記事のURL