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「非友好的M&A「時間稼ぎ」は忠実義務違反」(「日経ビジネス」2009年2月23日号掲載) [2009年02月26日(Thu)]
弁護士の神谷光弘氏による論考。日本電産と東洋電機製造の例を引き合いに出し、現在の事前警告型防衛策の問題点を述べておられます。現在日本で採用されている買収防衛策には、買収される側が買収しようとする側に情報提供を求めることが定められており、いろんな理屈をつければ延々と交渉を引き延ばすことができる構造になっています。当ブログでも指摘しましたが、現在の仕組みでは敵対的な状況に決着をつける手段がなく、今回の日本電産のように断念せざるをえなくなるわけです。

神谷氏の結論としては、買収対象会社の経営陣が過度に「時間稼ぎ」をすることは株主に対する背信であり、取締役の忠実義務に違反するので、
「買収提案する側が対象会社の定めたルールに従って、株主が判断できる十分な情報を提供したのであれば、会社の時間稼ぎにつき合う必要はない。堂々と公開買い付けを始めれば、取締役会が買収防衛策を発動することは極めて難しい。」
とのことです。

最後の部分、「取締役会が買収防衛策を発動することは極めて難しい」とハッキリ断言されていますが、敵対的公開買い付けに踏み切るのはなかなか厳しいものがあります。実際には、買収対象会社の経営陣もそれなりの理論武装をした上で容赦なく防衛策を発動してくるでしょう。

そうなったとき、決着は裁判所に持ち込まれますが、果たして裁判所が適切な判断を下せるでしょうか。それが厳しいとわかったのがブルドック事件ではなかったでしょうか。経営陣の情報提供要求が「時間稼ぎ」かどうかの判断は難しく、結果はほとんど“運任せ”のような形になることが容易に推測できます。それが取締役の忠実義務に違反するのかどうか誰もわからないというのがほとんどのケースではないでしょうか。

ここはやはり、東京財団で出した政策提言のような形で買収手続きを明確化し、敵対的買収の「決着」がつけられるようなルール整備をするべきでしょう。

世界的な金融危機によってファンドの動きがおとなしくなっていますが、敵対的買収の案件がなくなることはありません。事件のたびに大騒ぎするのではなく、政治や行政の側が真剣に会社買収ルールの全体像を示すべきです。

実は昨年6月に策定された「骨太の方針」の8ページには、「M&A(買収のルール)の在り方を平成20年夏までに整理・明確化する。」とあるのですが、政府が法規範足りうるルール作りをした形跡はみられません。ニッポン放送事件レベルの大事件が起きない限り、世の中動かないのかもしれません。
Posted by 佐藤孝弘 at 16:33 | 経済 | この記事のURL
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