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「コンパクトマクロ経済学」飯田泰之、中里透 [2008年10月31日(Fri)]
麻生総理が追加経済対策を発表した。目玉は二兆円規模の生活支援定額給付金だ。どの程度の景気刺激効果があるのだろうか?

本書はマクロ経済学の入門書で非常にわかりやすく書かれている。184ページにはリカード・バローの中立命題というのが出てくる。これは、国債発行により財政出動が行われても、人々が将来の増税を予想して結局は消費の増加につながらないというもの。非常にわかりやすい話だ。

ただ、現実には目の前にお金があればいつもより余計に使ってしまう人もいるわけで、効果ゼロということはない。どのくらい効果が出るかは国民がどのような印象を受けるかでも違うのだろう。

ところが、麻生総理は自分から将来の消費税増税を発表している。国民には「将来の増税に備えてお金を使わないで貯めておきましょう!」というメッセージになってしまうのでは?わざわざ「中立命題」を成立させようとしているように思える。そうなると景気刺激効果は極めて少ないものになるだろう。

それとも、国債ではなく「埋蔵金」を使うから問題ないと考えているのだろうか。だが、それにしても使った埋蔵金の分だけ国債償還の余地は減るわけだから、その分将来の増税があるのは同じことだろう。まさか「将来消費税が上がるので、今使ってしまいましょう!」と言っているわけでもないだろう。まったく理屈が通らない。

麻生総理の意図はわたしにはよくわからない。経済学者の皆様、合理的に説明していただけませんか??
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