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「留魂録」吉田松陰 [2008年10月28日(Tue)]
私が幕末で好きな人物を聞かれると、吉田松陰と横井小楠の二人を挙げる。ともに思想に生き、その実践に尽くした人だ。松陰に関してはその真っ直ぐな心と大胆な行動に、小楠に関してはその圧倒的な構想力と先見性に惹かれる。

本書は吉田松陰の遺書で、安政の大獄により処刑される前日に、松下村塾の門下生達に対して書かれたものである。

そもそも幕府が松陰を呼び出したのは、尊攘派の若狭藩士、梅田雲浜との関係を問いただすことだった。それ自体は大した問題ではなく、松陰は無難に釈明した。しかし、その際、勢い余って自分から老中の間部詮勝暗殺計画を立てていたことを告白してしまう。

結局これにより処刑が決定されるわけだが、この留魂録には生と死を揺れうごく気持ちが実に正直に表現されている。

「留魂録」と言えば人の一生を四季に例えた一節が有名だが、動揺期を過ぎ、死の覚悟を決めた後の心境を綴ったものだ。死を目前にした松陰の言葉は、純粋さを極限まで推し進めるとこうなるのかという名文だ。ぜひ味わっていただきたい。

冒頭には、江戸に移送されることになった時、木綿の布に「孟子」の「至誠にして動かざる者、未だ之れ有らざるなり」の一句を書いて、手ぬぐいに縫いつけ、江戸に持ってきたというエピソードが出てくる。この句の意味は「真心を尽くして臨めば、心を動かされない人はいない」といった意味である。吉田松陰の人生はまさにこの言葉を地で行くものとなった。この言葉は、私も座右の銘にしている。

人生で迷いが生じた時にぜひ読んでいただきたい一冊だ。
Posted by 佐藤孝弘 at 21:09 | 思想 | この記事のURL
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