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「政治神学」カール・シュミット [2008年10月23日(Thu)]
本日の日経新聞によると、今般の金融危機への対応を協議する緊急サミットの日程は11月15日とのことだ。麻生総理は今まさに重大な決断の局面にいるのだろう。衆議院の選挙期間は12日間なので、11月30日投票日にすればサミットとは日程がかぶらなくて済む。

20世紀前半に活躍したドイツの法学者カール・シュミットは、「主権者とは、例外状況に関して決定をくだす者」と言っている。そして戦争のときのように、平時の法体系が想定していなかった事態にこそ政治の本質が現れるとする。政治学にとっての「例外状況」とは、神学にとっての奇跡と同様の意味を持つ。シュミットは例外状況に正面から取り組むことを避けてきた既存の政治学を批判する。さらに議会制民主主義の批判へと続き、後にはナチスの御用学者という批判を浴びることとなる。

実際にはシュミットの意思と反し、議会制民主主義が世界に広まったわけだが、シュミットが提示した例外状況理論のエッセンスは(多少薄まった形で)今でも当てはまるように思われる。

いかなる政治制度であれ、トップに立つものが決断を迫られている点には変わりがない。そして、例外状況にあるかどうかは、概念としては明確に区別できても、実際の政治においてはそれほど明確ではない。

マスメディアが発達した現在、「例外状況」をいかに演出するかという要素が加わる。郵政解散が典型事例だが、総理の行動により例外状況的な舞台をつくり(国民にそう認識させ)、勝負に出る。小泉総理以降、日本の首相はいつもそのことを考えているのではないだろうか。

冒頭解散の機会を逃した麻生総理にとっては、今回がラストチャンスだろう。欧米の金融機関が軒並みマヒしている状況、ユーロ・ポンドが暴落し、円が相対的に最強の通貨となってしまった状況。(戦争ほどではないが)真の例外状態に近い状況が麻生総理に起こっている。ここで大胆な提案を打ち出して世界に対してリーダーシップを示し、強いリーダー像をもって選挙を戦う。これ以外に戦略としては無いのではないか。

ここで解散を先送りすれば、民主党は再び「ガチンコ対決」モードとなり、物事が何も決まらない状態が続くだろう。そして、総理の支持率は低下を続け、解散の機会を失うことになる。

とはいえ、サミットが失敗するリスクも当然存在する。ここでいかなる決断をするか、総理の真価が問われている。
Posted by 佐藤孝弘 at 12:59 | 思想 | この記事のURL
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