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「すべての経済はバブルに通じる」小幡績 [2008年10月12日(Sun)]
ファイナンスを専門とする経済学者による現代の金融資本主義の解説書。今回の金融危機を引き起こしたサブプライム絡みのバブルを21世紀型の「リスクテイクバブル」と名付けている。

リスクテイクバブルとは、世界の投資家達が皆リスクを取って投資することによりその金融商品はすべて値上がりし、さらに投資家が参加し…という連鎖で生じるバブルである。参加者が増えれば増えるほど流動性は高まり、価格も上昇する。ただし、参加者は皆それがバブルであることを認識しているから、何らかのきっかけで皆が一斉に資金を引き揚げ、大暴落が起こる。金融資本主義が過剰に自己増殖し、投資機会を求めて世界中をさまよう、21世紀型のバブルだという。

今後、金融資本に対する規制強化の議論が出てくるのだろうが、どういった手段があるのかは私にはまだよくわからない。ただ、本書で指摘される、プロの投資家の「資本と頭脳の分離」という状態は一つのカギとなると思われる。

金融市場が発達した現代においては、資金の出し手と運用者は別の人間である。出し手から見ると、当然1円でも多いリターンを期待するわけだが、ファンド運用者の能力を判断する手段は「過去の実績」しかない。したがって、運用者としては、ライバルの運用者より1円でも多く儲けるチャンスが有ればそれに乗ってしまう。結果として運用者が皆、非合理的なリスクの取り合いに走ってしまう。

これは完全にモラルハザードの構造だろう。実務のことはそれほど詳しく無いが、運用者というものは通常どのくらいの責任を負っているのだろうか。「大穴を空けても解雇されるだけ、儲かったときの報酬は莫大」といった状況もあるのではないか。また、法人レベルでも金融業においては“規模が大きすぎてつぶせない”状況を意図的に作ることが可能である。今後の規制やルール作りの議論では、このあたりがポイントになってくるかもしれない。

本書はバブルのメカニズムについて極めてわかりやすく書かれている。本当に金融市場の本質を理解していないとこうはいかないだろう。ご一読をオススメする。
Posted by 佐藤孝弘 at 23:13 | 経済 | この記事のURL
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