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「先端医療のルール 人体利用はどこまで許されるのか」島次郎&イベントのご案内 [2008年11月23日(Sun)]
東京財団研究員で、日本の生命倫理関連の政策研究の第一人者、島次郎さんの著書。島さんは本書で問いかける。

「ある人が事故にあって手首から先が切断されてしまった。切り落とされた手は床に落ち、当人は気絶してしまう。そこに別の人が通りかかり、血まみれの手が落ちているのを見つけて、そばにあった焼却炉に投げ込んでしまった。さて、この人はどういう罪で罰せられるか。」

切断された手が「物」であるならば窃盗あるいは器物損壊、「人」であるならば傷害罪になるが、果たしてどちらなのか。

もちろんこの話自体はフィクションであるが、近年に至ってこういった問題を真剣に考える必要性が出てきた。技術進歩により、遺伝子治療や生殖医療、移植医療が可能とする領域が凄いスピードで広がっている。日本でも、いわゆる万能細胞の研究などは世界の最先端を走っている。

ところが、技術の進歩に伴い発生するであろう、法的・倫理的諸問題についての準備は日本ではまだまだ進んでいない。フランスはすでに「生命倫理法」をつくり、人体を「人ではないが単なる物でもない、特別な保護に値する存在」とした。

東京財団政策研究部では、「生命倫理の土台づくりプロジェクト」にて島さんを中心にまさにこの問題に取り組んでいる。本プロジェクトホームページの「時評」はいずれも読み応えがあるので、本書と合わせてぜひお読みいただきたい。

【イベントのご案内】
※11月28日(金)15:00〜17:00、生命倫理の土台づくりプロジェクトにてフォーラムを開催することとなりました。
イベント名は「生殖補助医療はどこまで許されるのか?〜韓国を参考に日本での代理出産を考える〜」

→詳しいご案内はこちらをクリック

島さんはもちろん、宗教学者の島田裕巳先生、社会学者の橋爪大三郎先生という豪華メンバーでの討論になります。興味深い議論になると思いますのでぜひどうぞ!
Posted by 佐藤孝弘 at 10:43 | 思想 | この記事のURL