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「ねじれ」の季節4 [2010年07月22日(Thu)]
ねじれ国会を生み出すそもそもの原因である憲法の規定を変えないとすれば、主要政党間で国会運営ルールの自主的な合意を行わざるを得ません。「ねじれ」現象は結局は国会運営の問題なので、憲法に触れない範囲内で政党同士の合意によって新たな運営ルールをつくるしかないわけです。

今やどの政党も与党になりうるわけで、「ねじれ」の悪影響をモロにかぶる可能性はあります。その厳然たる事実を基礎にして、主要政党が話し合いのテーブルに付くことは可能なのではないでしょうか。ここでポイントは、あくまで運営ルールについての合意で、特定政策の実現云々を条件としないということです。

いろいろな方法があると思いますが、私が今時点で考えている解決の(主要政党合意の)方向性は以下の二つです。他にもあると思いますので、思いついた方は教えていただければ幸いです。

(解決案1)衆議院総選挙と参議院選挙を常にダブルでやることで、ねじれる確率を減らす

総理が参院選の際には常に同時に解散するというものです。3年に一度は総選挙があることになります。参議院は3年ごとに半分ずつの改選ですので、ねじれることもあると思いますが、その場合でも解消可能な「軽微なねじれ」である可能性が高いでしょう。また、衆議院議員の平均任期は2年半程度とも言われておりますので、3年ごとの総選挙でも問題にならないのではないでしょうか。むしろ、総理は最低3年は続けるという慣行が形成されることが期待されます。

(解決策2)衆議院と参議院で議論するテーマを分け、参議院のテーマは中長期的で超党派の合意がいる性質の政策論を戦わせる場に限定する。衆参両院は互いの結論を尊重する。

衆議院と参議院は別々なテーマで議論するというものです。特に参議院は年金制度を始めとした政権交代が起っても安易に変更すべきでない、長期的なテーマを議論する場にするというものです。年金制度について言えば、現在基礎年金の税方式などが提案されておりますが、一旦制度変更するとその影響は長期にわたり、容易に変更できません。制度の以降だけでも10年以上かかるでしょう。政権交代があるたびに大きな制度変更をしていたのでは、制度変更の意味自体がなくなってしまいます。

子ども手当てなども本来であれば与野党合意が必要な案件でした。「子ども手当という制度ができたからもう一人子どもをもうけよう」という方がどのくらいいるかが分かりませんが、一旦制度ができたらそれを前提に行動する人もたくさんいるはずです。

こういった長期的なテーマをじっくり議論するのは、任期6年、解散もない参議院が向いていると思います。衆参両院の役割分担論はいろいろありますが、「テーマの役割分担」が必要なのではないでしょうか。

以上、二つの案を提示しましたが、一見、難しいと思われるかもしれません。ねじれの問題は、潜在的には昔(現行憲法制定時)からあったのですが、政権交代がない、55年体制のような時代においてはそもそも生じませんでした。しかし、「政権交代時代」を迎えた日本が、現行憲法の制約の中、「政治のデッドロック」を回避するにはこのような知恵と合意が不可欠なのです。

「ねじれ」シリーズはいったんこれで終わりますが、今後もこの問題は考えていきたいと思います。

最後に、ねじれと参議院を考える際に参考になる文献を挙げておきます。

「参議院とは何か 1947〜2010」(中公叢書)竹中治堅

「今回のねじれ国会の経験が残した憲法上の課題」西垣淳子 財団法人世界平和研究所レポート
「主要政党の変遷と国会内勢力の推移」間柴泰治、柳瀬晶子 「レファレンス」2005.4
Posted by 佐藤孝弘 at 14:00 | 政治 | この記事のURL