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「派遣規制 綱引き本番」(「日本経済新聞2009年10月7日朝刊3面) [2009年10月07日(Wed)]
派遣法関連の議論がスタートするようです。年内には法改正案をとりまとめるとのこと。製造業派遣や登録型派遣を原則禁止する方向で検討するそうです。

当然、経営者サイドや派遣業界は反発しておりますが、民主党は製造業派遣については新たに「専門職制度」を創設し、特定の職種にには例外として派遣を認めるそうです。記事によると、この例外の範囲をめぐって今後労使の綱引きが予想されるとのこと。

ちなみに、「三党連立政権合意書」によると、派遣法については以下のようになっています。

6.雇用対策の強化−労働者派遣法の抜本改正−
・「日雇い派遣」「スポット派遣」の禁止のみならず、「登録型派遣」は原則禁止して安定した雇用とする。製造業派遣も原則的に禁止する。違法派遣の場合の「直接雇用みなし制度」の創設、マージン率の情報公開など、「派遣業法」から「派遣労働者保護法」にあらためる。

こうした規制強化が本当に派遣労働者のためになるのか、しっかりと検討してほしいと思います。民主党がもともと「派遣を禁止すれば派遣労働者だった人は正社員になるだろう」といった発想でこの案を作っていたとしたら…恐ろしいですが、そうでないことを祈ります。今度の臨時国会で拙速に改正を行うのではなく、通常国会でという方針は良かったと思います。

よく言われるのは、こうした規制強化で雇用が失われ、失業は増えてしまうという批判です。もちろん、こうした面もあると思いますが、個人的には別な不安を感じます。結局形だけは規制強化して、実際には様々な抜け道があって、これまでと何も変わらないのでは?という点です。

専門職制度にしても、ある仕事が「専門職」かどうかなど、どう判断するのでしょうか。かつての派遣法が「ファイリング」などという専門業務を作り、現実には一般事務の派遣の抜け道を作っていたことからすれば、同様の問題が起こらないとも言えないでしょう。また、偽装請負のようなことが別な形で行われるかもしれません。より本質的には、派遣法の規制強化が行われたとして、その分これまで派遣で起こっていたことが直接の有期雇用で起こるだけではないのかという疑問もあります。日雇いのような仕事でも、派遣はダメで、直接雇用なら良いのでしょうか。このあたりもよくわかりません。

また、望んで派遣という道を選ぶ労働者と、望まないがやむを得ず派遣という道を選んだ労働者に分かれるわけで、前者の立場の方々をどう考えるかという議論もあわせてしなければならないと思います。

これらの答えは容易ではないですが、予想外の弊害が起こらないよう、民主党にはしっかり議論してほしいと思います。東京財団でもこうした点を含めて検討をすすめているところです。
Posted by 佐藤孝弘 at 02:12 | 経済 | この記事のURL