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「雇調金、要件を緩和」(「日本経済新聞」2009年10月3日朝刊5面) [2009年10月03日(Sat)]
厚生労働省が雇用調整助成金の支給要件を緩和する方針とのこと。この「コチョウキン」は、業績の悪化した企業が社員の一時休業などで雇用を維持する企業に対し、国が賃金の一部を補填する制度です。現在の要件は、直近3ヶ月の売上高が前期比又は前年同期比で5%以上減っていることが必要ですが、この減少幅を少なくして企業が使いやすくするとのこと。

先日発表された8月の失業率は5.5%と、7月の5.7%からやや回復しました。欧米では失業率はおおむね10%前後であり、相対的には日本のほうがマシなのですが、決して油断はできません。

実は雇調金の対象労働者数は200万人を超えており、潜在的な失業予備軍となっています。これを計算に入れると日本の失業率はすでに6%台に達しているという見方もあるわけです。

雇調金はかつてから議論のある制度で、雇用の維持の名目のために、非効率な経営をしている企業を延命してしまっている、という批判があります。雇用の維持は重要ですが、経済の新陳代謝を送らせているという側面はあるでしょう。

その点を考えますと、同じ予算を使うにしても、雇調金のように企業に対して一括で補助金渡すよりも、例えば職を探す労働者が企業で“お試し採用”を半年なり1年なりする時の給与を国が肩代わりする方向へシフトしたほうがよいかもしれません。これは民主党政権の、「団体を通じての予算執行から個人への直接給付へ」という流れにも合致しますし、少なくとも新たに人を雇いたい企業へ労働者が移動するきっかけにもなるでしょう。
Posted by 佐藤孝弘 at 11:11 | 経済 | この記事のURL