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「臓器移植法 衆院通過」(「朝日新聞」2009年6月19日朝刊1面) [2009年06月19日(Fri)]
臓器移植法改正案が衆議院を通過しました。A案への賛成が、自民党議員を中心に予想以上に多く、賛成263、反対167で可決されたとのこと。私が永田町周辺で見聞する限り、直前まで本件を勉強せず、「なんとなく賛成」「なんとなく反対」といった感じで投票された議員の方がかなり多かったように思います。

A案は、極めて重大な内容を含んでいます。それは、生前臓器移植の意思を表明しなかった方の扱いです。A案では、生前に「私は臓器提供したくない」という意思表示をしなかった場合、家族の同意だけで臓器移植が行われることになっています。

これまでの臓器移植法ですと、生前意思表明していなかった方については、臓器移植できないことになっていました。A案はいわば、この原則と例外を逆転させたということです。

これはすごいことです。通常、自分が脳死状態になることを想像しつつ生活している人はいないはずです。こうした、確率が低く、かつ重大なリスクというもののリスク評価は通常の個人ではなかなかできないものです。

A案ですと「なんとなく」意思表明していなかっただけの方から臓器を移植してしまう可能性もあります。口の悪い言い方をすれば、国民をだまして流通する臓器を増やそうということにほかならないと思います。

それよりもまず、ドナーカードの普及や、免許証、健康保険証などに意思表明をする仕組みを整備し、あわせて臓器移植に関する教育をしっかり行い、臓器移植に関する国民の真の意思をさぐる努力が必要です。10年以上こうした努力を怠っておきながら、突然A案のような急進的な案が通ってしまうのはどう考えても順番がおかしいと思います。

法案審議は参議院に移りますが、慎重な審議を望みます。私個人としてもできることをしてみようと思います。
Posted by 佐藤孝弘 at 17:44 | 思想 | この記事のURL