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東京財団政策提言「日本の水源林の危機」 [2009年02月02日(Mon)]
東京財団で安田喜憲先生が取り組んでおられた、「文明と環境プロジェクト」にて、骨太の政策提言が出されましたのでご紹介します。

政策提言はこちらをクリック

最近、グローバルな水資源獲得競争について話題になることが多いです。中国をはじめとして、世界での「水」に対する需要が高まっており、大手の水企業は世界中の水源地に注目し、利権を確保するための買収活動が活発化しています。

当然、豊かな水資源を持つ日本もその対象になっており、既に買収案件も出てきていますが、それを規制するルールもなく、当事者のなすがままになっています。下手をすると、日本人の大切な水資源が荒らされる可能性もあります。

日本の安全な水は森林(水源林)によってもたらされます。雨が降ったとき、森林が地表での雨滴の滞留時間を長期化させ、地下水の量を増やすとともに、ろ過フィルターの役割を果たして質の高い水資源を涵養するわけです。この意味で水資源の問題と森林の保全の問題は一体であって、常にセットで考えなければなりませんが、別々に論じられることが多いです。それでは本質を外した議論になってしまいます。

また、地下水は河川水と異なり、涵養される周期が長く枯渇しやすいという特徴があります。日本では水道資源における地下水への依存度は全体の3割程度ですが、今後企業が森林を自由に買取り、自由に汲み上げる、といったようなことを放置していると、取り返しのつかないことになるかもしれません。

残念ながら、政府の対応も遅れていると言わざるを得ません。やはり難しいのは、水資源の問題が非常に多くの省庁にまたがるということでしょう。ちょっと考えただけでも農水省(林野庁)、国土交通省、経済産業省、法務省(水利権など民法関係)、各自治体など、多くの省庁、役所が思い浮かびます。こうした、省庁の「谷間」の問題はどの役所も腰が引けてしまう傾向がありますので、なかなか前に進みません。

やはりここは、政治主導で水の問題に正面から取り組むべきでしょう。今回の東京財団の報告書は水源林保全のための6つの提言を含んでおり、今後の水資源をめぐる議論の出発点になると思います。当ブログをご覧の皆様も、日本人の問題として本提言を読んでいただき、水資源の問題について考えていただければと思います。