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Jimmy (05/08)
scr8888 (03/29)
養護教諭向けオンラインセミナー [2024年02月04日(Sun)]

今日は全国の養護教諭向けのオンラインセミナーでした。

オンデマンドでも視聴できるサブスク企画にお声掛けいただきまして、 「子供の困りごとによりそうために」〜リストカット・ゲーム・スマホなど社会現象を理解し、どう対応したらよいかを探る〜という内容でお話をしました。



<どこまでが自分の守備範囲なのか>

メンタルヘルスの話をする時に、4段階に分けて話しています。

@子どもたちの生きづらさ・困りごと

Aストレス

B心の病気

C自殺


担任の先生や部活の先生は、@のところに関わります。

勉強や進学、交友関係での困りごとはないか?

SSWも子どもや家族に社会支援が必要な時@の部分に関わります。

養護教諭はAストレスやB心の病の部分に関われます。

けれども、カウンセリングが必要な場合はSCにつなげ、社会支援が必要な場合はSSWにつなぐことが大事です。

そこはもう、養護教諭の守備範囲ではないのです。



<複雑な課題と向き合う時>

今日、ゲーム依存・リスカ・市販薬の乱用について個々のお話をしました。

それぞれに対する理解と「誤った対応」をしないために。

しかし、学校の先生たちが子どもに起きている問題を知る時には、すでに複数の問題が起きている場合があります。

例えば、「風邪薬とリスカ」「リスカと摂食障害」と問題が複数起きている場合や、「虐待とリスカ」「ヤングケアラーと不登校」と家庭問題が起因している時もあります。

教員はこれをなんとかしなければと、どうしても自分たちで解決することを考えがちですが、そのような時こそ「自分の守備範囲」を考えて、範囲外はつながって支援して欲しいのです。


摂食障害などは生命にかかわる疾患であるので、医療機関との連携が必要ですし、

家庭の問題はSSWや保健師さんに家庭に介入してもらう。

それらの機関の方針と足並みをそろえて、協働するということです。



<人を支える時の連携の重要さ>

私は看護の世界の人間なので、看護業界のことで例えますと

私が学生だったころに比べると看護も他の職種との役割分担が非常に進んでいます。

看護技術の基本中の基本「環境整備」なる「お部屋の掃除」はハウスクリーニング業者さんがやっていたり、内服の詳しい指導は今は薬剤師さんのお仕事です。

退院時の地域連携はケースワーカーさんがやってくれますし、地域にはケアマネさんがいます。

これらは、40年前は看護師の仕事の範疇でしたが、分業化が進みました。

結果、患者さんたちはより専門的な支援と、病院から地域への移行サービスもスムーズに受けられるようになりました。

教育現場も同じことが言えます。

今、学校の先生たちは授業・生活指導・進路指導・部活・学校の備品管理・子どもたちのカウンセリング・家庭環境の調査と介入と、非常に多岐に渡るタスクを要求されています。

先生たちの専門性って何?と問うた時に「人を育てること」なのだと思うのですが、

人を育てるのに、先生たちがすべてを背負う必要なないのです。

看護師たちがこの半世紀の間に患者さんのためにやってきた様々な「大切なこと」を誰かにゆだねたように

先生たちも、マルチタスクから解放され、本来の専門に専念できると教師のやりがいも出てくると感じます。

金八先生のような熱い先生を否定するわけではありません。

でも、学校の先生はカウンセリングやソーシャルワークをもっと手放し委ねていいと私は思っています。

連携すること。

学校って社会の中で孤立しがちだと私は感じています。

そんなに背負わなくていいし、社会も学校にそんなに責任を押し付けないで、一緒に、子どもたちを支えていこうよ。

Posted by 高橋聡美 at 16:29
自分は「無力だ」と感じている支援者 [2024年02月03日(Sat)]

支援者たちの心のケアの中で、感じていることを記してきたいと思います。

 

<その1 出来ることと出来ないことの見極め>

事例が困難であればあるほどやるべきことが沢山あり、

それは、時にその支援者の「専門領域」を超えている場合があります。

熱心な支援者たちほど「あれもできない、これもできない」とできないことに苛まれ、無力感に襲われます。

例えば、行政の相談窓口はカウンセリング機関でもないですしメンタルクリニックでもないので、心理カウンセリングや精神疾患治療に関しては専門外です。

教師も、心理や社会福祉、法律の専門家ではないので、自分ができることとできないことを見極めながら、スクールカウンセラー(SC)やスクールソーシャルワーカー(SSW)、スクールロイヤーや行政に「つなぐ」ことが、「できること」です。

自分にもっとカウンセリングのスキルがあったら、法律的な知識があったら、と他の領域のことに関心があり、学び連携することは大事だと思いますが、ひとりの人ができることには限りがあります。

誰かの力になりたいと思う時、「自分ができるかぎりやる」ではなく、「自分のできることにベストを尽くす」

できない時は誰かに繋ぐ、支援者も誰かSOSを出すことが大事だと思うのです。

 

<その2 葛藤力:DoしないでBeする>

話を聞くしかできなかった。

保護者に変わって欲しいけど、なかなか変わってくれない。

こんな風な無力感を抱く支援者はとても多いです。

こうしたらいいのに、なんで!?と思うことも沢山あると思います。

でも、やはり当事者のスピードもあるので、支援者が思うようなスピードで物事が動くことはむしろ少ないと感じます。

「どんな声かけをしたら変わりますか?」

「こんな時、どうしてあげたらいいですか?」

とよく質問を受けます。

これは、支援者がどのように介入したらよいか、という質問なのですが、

当たり前のことながら、ケースバイケースで、これが正しいという絶対的な回答はありません。

でも、私が「必ず支援になる」と思っていることは、「安心安全な他者」として「そばにいる」こと。「Be」することです。

人は何かしたい、「Do」したがります。

DoしないでBeして、そして、葛藤を一緒に抱えて。

葛藤を抱えるのも支援力。といつも言っています。

膠着した状態でBeすることはとても根気のいることです。

でも、それが、当事者にとっても支援者にとっても大事だと私は思っています。

あなたはただそばにいて、何もできていないと思うかもしれない。

けれども、その人にとり安心安全な存在であること、その人がより良い方向にいくようにいつも願っているあなたがいること。それはその人のレジリエンスだと私は信じます。

どうDoしたらいいか、焦らないこと。

安心安全な他者としてBeすること。

解決できないことを受け入れながら、ともに葛藤し、必ずよりよい方向に向かうことを、それでも絶対に信じること。


自分が無力だと感じているすべての支援者にエールを送ります。



Posted by 高橋聡美 at 19:44