待機児童問題について思うこと [2016年03月27日(Sun)]
私が保活をしていたのはもう15年も前の話ですが、やはり保育園にはすぐには入れず、無認可の託児所などを見て回りました。 6箇所くらい見たと思います。 どこも不安材料のある託児所で、こんなところに娘を預けてまで仕事する意味あるのかな?と思いました。 住んでいた町には安心できる託児所がなく隣町にある家庭保育園を訪れました。 ちゃんと資格のある保育士さんがいて、お昼には温かいお味噌汁が出て、安全管理、子どもへの言葉、どれも安心できる場所でしたので、私はそこに娘を預けることにしました。 この時の保活で、日本の保育所、託児所、かなり危ないなという実態を垣間見ることができました。 安心できる場所を見つけられたことは本当に幸いでした。 それから間も無くして私たち家族は夫の仕事の都合でスウェーデンに引っ越しました。 私も執筆の仕事があったので、子どもたちを保育園に預けることにしました。 その街には公立の保育園が一つあり、日本同様、やはりすぐには入れませんでした。2〜3ヶ月待ちとのこと。 スウェーデンは女性の就職率も高く、いったいママたちは子育てと仕事、どんな風に両立してるのかしら?と見てみたら、みなさん、夫婦で育児休業をとっていました。 子どもが小さいうちは可能な限り子どもたちと過ごし仕事をセーブする、それができる社会保障がしっかりと整っているのです。 すぐに保育園に預けて仕事しないと生活に窮してしまう、そんな家庭が日本には多くあります。 なので、保育園を早く作って全ての子どもたちが入れるように、という議論も理解できます。 一方で私が保活で見てきた安全でない日本の託児所の現状を考えると、急速に保育園を増やしてその質や安全性がしっかりと担保されるか、私は疑問に感じています。 実際、保育園やベビーシッターを巡る事故や事件は少なからず存在します。 保育園の質を保ちつつ、子どもにとって安全で安心な場所づくりをしながら、一方で両親が育児休業を取れるような体制作りも必要なのだと思います。 日本の保育園を使っていた頃、私は12時間ほど娘たちを保育園に預けていました。家で一緒にいたのは、彼女達が寝る時くらいで、保育園に子育てしてもらっていたようなものです。 スウェーデンでは、どの親御さんも遅くても午後3時には子どものお迎えに来ていました。 子育て世代は仕事時間を短くできるのです。 それぞれの国の事情があるので、日本もスウェーデンみたいにやれとは言いませんが、1人の母親として、子どもと一緒にいる時間を保障されている社会っていいなと私は感じました。 保育園が充実すればするほど、育児休業も不要となるでしょう。 育児できる社会=保育園を増やすことではないのだと私は感じています。 安心して預けられる場所を作ること。 安心して仕事を休業して子育てできること。 両方がしっかり社会保障として機能することは、親にも子どもにも豊かな人生をもたらすように思うのです。 |
Posted by
高橋聡美
at 06:56