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Jimmy (05/08)
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川崎市立西御幸小学校5・6年生授業 [2022年09月02日(Fri)]

今日は川崎市立西御幸小学校5・6年生120名くらいを対象に
自分と相手を大事にするためにというタイトルで
90分授業でした。

*心の痛み

*レジリエンスワーク

SOSのだしかた

*リフレイミング

*アンガーマネジメント

という内容で体育館で授業。



人懐っこい子たちでした。

私とのやりとりもとても活発に発言してくれて、のびのび。

のびのびしている学校の子たちは先生たちの関わりがやっぱりいいなと思います。

日頃から安心で安全な環境で過ごしているんだろうなと。



今日は欠席の子たちはリモートで参加してくれました。

欠席の子が家で授業を受けられたりできるのはやっぱり大事だなと思いました。

授業はもちろん、先生とリモートでお話もしているんだそうです。

普段からクラスの連絡も「クラスルーム」というwebグループでやっていて

そこを見れば連絡事項や課題(宿題)がわかると。

夏休みの宿題の質問も担任の先生が対応してお手伝いをしてくださっていたのだそうです。

ICT化でコミュニケーションの質が下がるなんてよく言われるけど

そうじゃない。こうして学習の多様性が実現するし、先生との距離を縮めることも可能。

子どもたちに「あなたの担任はどんな先生ですか」と授業で聞いたら

「私たちのペースに合わせてくれる」

「宿題を減らしてくれる」

「わかりやすく説明してくれる」

と、次々と手を挙げて教えてくれました。

子どもたちに寄り添ってくれているの、子どもたちが一番よくわかってるよね。


ある子は担任の先生のことを「神」と言いました。

みんな手をたたいて大笑いしていましたが

その先生、授業の間中、リモートの子どもたちが置いてけぼりにならないように

チャットでずっと声掛けをしてくださっていました。

子どもたちが神っていうわけだよね。



校長先生も何気に子どもたちと一緒にパイプ椅子に座って授業に参加していて

「先生!わかんないし、てか紛らわしいから!」と笑ったのでした。

素敵な学校でした。



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Posted by 高橋聡美 at 17:25
滋賀県大津市総合境域会議 基調講演 [2021年10月22日(Fri)]

【滋賀県大津市総合教育会議基調講演】



昨日は滋賀県で行政・教育委員会対象の管理職対象の講演でした。


市長・教育長・市政策調整部・教育委員会各課と保健師、30名ほど




市の子どもの自殺予防教育のありかたの方向性と


実践計画を立案する人たちの集まりです。




前々から申し上げていますが、2016年自殺対策基本法が改正され、自殺予防教育を各学校実施すように努力義務化され


5年経過していますが、実施できていない自治体がほとんどです。


どんなコンテンツをどの学年に誰がやるかということを


国が市町村に丸投げしているので、なにをどうしていいのか


模索している間いに5年が過ぎ、


2016年以降子どもの自殺は毎年増え続けています。





今回の大津市のように市長自らが子どもの自殺予防に強い使命感を持ち


会議にしっかり参加され、教育委員会や保健所と連携できていることはとても大きいと思っています。




SOSを出さされた場合、どのようにコミュニケーションをとればいいのか」だけではなく


「どこと連携すればいいのか」が大事で


そういう意味でも昨日の会議はみんなで共通認識ができたように思います。





大津は10年前に悲しい出来事があった町です。


10年経ってもあのことを心に刻み子どもたちを守りたいという


皆さんの熱い思いが伝わりました。





また、必ず、大津、行きます。


今度は現場の先生や保護者さんたち、そして子どもたちにもお話できたらと思っています。




今回のご縁は、2年前の近畿地区生徒指導部会研修会で私の講演を聞いていた先生が、現在、大津市教育長をされておられ、そのご縁でした。

2年前聞いた話をどうしても大津でもしてほしかったと。

こうして、講演がつながっていくこと、大切だなと感じています。


つないでくださった島崎教育長、調整してくださった調整企画課藤澤さん、そしてお忙しい中、私の話を聞いて下さった佐藤市長、ありがとうございました。 


Posted by 高橋聡美 at 09:24
精神科治療学「子どもの自殺の現状と予防」 寄稿 [2021年08月22日(Sun)]

【精神科治療学 その後の自殺対策T−社会的な自殺問題と対策の現在−】

精神科治療学に「子どもの自殺の現状と予防」を寄稿しました。

2016年の自殺対策基本法改正以降、子どもの自殺は増えていて、改正以降の自殺対策の問題点、自殺予防教育が進まない背景について書きました。

とりわけ、子どもの自殺は自殺対策基本法改正以降、増え続けています。

自殺対策が機能していないのだと私は感じています。

専門雑誌ですが、読み応えのある1冊です。


星和書店のHPより

本特集は、基本法改正以降のわが国の自殺対策の経緯と現況、課題について、社会的自殺問題と臨床的自殺対策の二部に分けて取り上げた。

今月号では社会的自殺問題として有名人の模倣自殺、デジタル社会、コロナ禍等について、現在考えうる客観的で最良の解説を網羅し、社会的側面から自殺対策に取り組む執筆陣が対策を提言。一人でも多くの命を救うために必読の特集。

Posted by 高橋聡美 at 15:11
福島県精神保健福祉センター 若年自殺予防教育における人材育成研修 [2021年08月22日(Sun)]

818日)は福島県の精保センターの自殺予防研修でした。

まん延防止措置ということで隣県ですがZOOM開催。


私の方から基調講演を90分し、その後、グループワークでそれぞれの職域での活動と課題を議論という半日研修でした。

福島県の精保センターの自殺予防研修には毎年のように呼ばれていますが、

福島県精保センターの自殺対策で他の県より進んでいるなと思う点を2つ紹介します。



<多職種のグループワーク>

これまでも、自死遺族支援の研修など様々な自殺対策研修を精保センター主催で毎年開催してきていますが

研修対象が教職員・養護教諭・スクールソーシャルワーカー・スクールカウンセラー・市町村職員・保健福祉事務所職員など多職種対象となっています。

多職種合同研修はほかでもよくあるのですが、福島の場合、いろんな職種の参加者を混在させグループワークをします。

今回も若者の自殺予防にどんなことをやっているのか、なにが問題なのかをそれぞれ出し合っていました。

(私はそれぞれのルームをラウンドする形で入りました)

意外と、他の職域の活動をお互いが知らないことが多く、

そうか、こういう時はここにつなげばいいんだということがわかります。

そして何より、県内の色んな人がここで知り合いになって顔と顔の見える関係性の中で自殺対策ができます。

この関係づくりというのはとても大切な要素だと私は思っています。



<自殺予防教育ツール>

センター長の畑先生は先駆的に教育現場で啓発授業を行っておられ、

その教材をリーフレットにしHPでも公開しています。

H29年に生徒(高校生)に対する自殺予防授業用テキストができ、さらに、福島県教育委員会と共催で「若者の自殺予防教育のあり方検討会」を設置し、
R210月に「自殺予防教育のための指導者の手引き」を作成しています。


これは、教員向けの手引書で、学習指導案やシナリオ付きスライドなどが盛り込まれており、

授業やロングホームルームで活用できるようになっています。(学校に合わせて編集も可能になっています)

教育委員会と精保センターのコラボであれば、自殺予防教育を進めやすいので他の自治体でもぜひコラボしてほしいと思いました。


どこの自治体も自殺予防教育をしたいけれど、教材やツールがないという課題にぶつかっており、

このように、教材がしっかりとあるところはまだ多くはありません。


そして、これらの教材を各学校あるいは市町村で作成するのは大変ですし、同じ作業を色んなところでやることになり、合理的ではありません。

福島のように生徒用と指導者用と両方、作成・公開されていると教育の中に取り入れやすくなります。


このツールもすぐにできたわけではなく、福島精保センターが長年積み重ねてきたものの一つの形です。


自殺対策に特効薬はなく、このようにコツコツと関係性を築いていったり、成果を積み重ねていくことがやはり大事だなと思った研修でした。


Posted by 高橋聡美 at 14:50
子ども・若者の自殺対策 講演 福岡 [2021年08月19日(Thu)]

【福岡県精神保健福祉センター主催 「子ども・若者の自殺対策」ZOOM講演会】


市町村職員・保健福祉事務所職員・学校教育関係者と対象の幅が広くて、焦点が絞りにくかったのですが

コロナ禍でもリモートで開催でき、多くの人に聴いてもらえてありがたかったです。

ご質問も沢山もらいました。

中でもよくある質問で今回もありました2つの質問について紹介します




【連携すべき機関】

Q「子どもが自傷行為・自殺未遂した時、どこの機関と連携をとればいいですか」

これは、その町々で持っている社会資源が異なるのでどこどこにつなぎましょう(児童精神科医にとか、トラウマの診れるところにとか)限定していうことができません。

その町でどのような社会資源があるのかお互いを知って協働するしかないと思っています。

とりわけ学校の先生方は学校の中で解決しようとして疲弊してしまうので

自分の学校の地域にどういう社会資源があるか先生たちご自身が知っておくことは大事だと思います。



【自殺のサイン】

Q「こういうサインが危ないとか自殺のサインありますか?」

自殺で亡くなった後の相談のほとんど、「全くいつもと変わらなかった」と周りの方はおっしゃっておられました。

色々とハイリスクになる要因はありますが、「サイン」というサインは実はないと思って、ひとつひとつの困りごとに丁寧に接していくしかないのだと私は思っています。

例えば遺書を書いているなど、典型的なサインもあるにはあるわけですが、子どもの自殺の多くが遺書などを残していません。

もちろん、居場所がなかったり、複雑な家庭環境などハイリスクと思われる子どもたちもいますがそれがサインかというと

サインというより、生きづらさだと思うのです。

そして、これさえ押さえておけば大丈夫みたいなものでもなく

マニュアル通りにはいかないものなのだと思うのです。

SOSのサインについて断言してしまうことの方が、自殺のサインを見逃す要因になるように感じています。


Posted by 高橋聡美 at 23:54
鹿児島県垂水市の自殺予防 その2 自殺予防教育の実際 [2021年07月23日(Fri)]

垂水市は大隅半島にあって錦江湾に面しており桜島とくっついている街です。人口は14,000人ほど。
8つの小学校があり、中学校が一つあります。大小の小学校の児童が卒業後、一つの中学校に集まることになります。

一番大きな垂水小学校で児童数約370人、児童数が10人くらいの小学校が3つあります。
小さな学校もあるということでGIGAスクールに力を入れていて
他校との交流もリモートで深めているとのことでした。

垂水市はGIGAスクール構想が県内で最先端を走っている自治体。

その実力が今回も発揮されました。


児童生徒の対象は6年生・中学生全学年でした。

自殺予防と言っても「死にたい」というレベルのSOSの出し方を教えるものではなく、

1.日々の困りごとのレベルのSOSを出せること

2.自分の持つレジリエンスや自尊感情を認識できること

3.それらを育むんでいくことが可能であることを知ること

4.自分のコーピングの傾向を知り、コーピングの幅を広げ色んな困難に対処できる能力を養っていくこと

など、生きる力のようなものをつけていくことを盛り込むようにしています。


さて、そんな垂水市での授業はどんな風に運営されたのか紹介したいと思います。


【垂水小学生対面授業とハイブリッド授業】

市内で最も大きい垂水小学校6年生は1クラスごとに対面授業でした。


ほんとに子どもたちが元気で、発言も活発でした。

はじめてであった子どもたちなのに、授業が終わらないんじゃないかと思うくらい発言が活発でした。

こうして何でも言えるのは、子どもたちが先生たちのことを信頼していること、

周りに信頼できる大人たちがいるからだろうと感じました。
子どもたちの発言のおかげで、私が思っていた以上に実のある授業となりました。


2日目に午前中、協和小学校、午後は水之上小学校で授業し、双方とも少人数小学校である、牛根・新城・柊原・松ヶ崎・堺とリモートでつなぎながら授業しました。

いわゆるハイブリッド授業です。


内容は対面授業と同じです。
小学生は講演とグループワークがあるのですが、

6年生が一人しかいないというような学校の児童のことを考えたら

グループワークのある授業はリモートより他の児童と一緒に受けられたほうがよかったなと思いました。
今回はコロナのこともあったので、リモートが最善だと考えます。
小さな学校を想定してグループワークをいれない授業も考えていかないといけないかなとも思いました。

私自身、課題を頂いた授業でした。


そんな私の課題に関係なく、子どもたちはテレビ画面に自分たちが映るのを楽しんでいました。
対面の子たちは
こちらの問いかけに直接答えてくれ、

リモートの子たちに質問を振ると、こちらもまた大きな声でしっかりと答えてくれ

双方向のやりとりもできました。

遠隔の教室の先生たちのサポートのおかげです。

何より、子どもたちによってこの授業は成立し、

それからリモート設定をしてくださった市の担当者に救われた授業でした。



【中学生 各学年ごとのハイブリッド授業】
垂水中央中学校は各学年3クラスあります。

小学校は学校を結ぶ遠隔リモートハイブリッドでしたが、中学校では

「体育館に集めないで教室で受ける」ハイブリッド授業でした。
体育館に集めないというのは、コロナ対策でもありましたが、この季節の鹿児島、熱中症対策でもあります。

中学生の授業は講義とワークシートの形式。


2組で対面授業をし1組と3組はリモートで講義を聞きました。

ワークは各クラスの先生方にご協力いただき進めてもらいました。

各学年、3クラスが並んで隣の教室なので、ワークの時は全クラスをラウンドすることができました。

リモートで画面で見ていた講師がいきなり「ど〜も〜」と登場して生徒は最初びっくりしてましたが(笑)


やっぱり、面と向かってお話できるのはいいと思いました。

とりわけ、こころの授業なので。

対面、遠隔ハイブリッド、隣のクラスとのハイブリッドと3つのタイプの授業を経験できて、そのメリットデメリット、課題もいただいた授業でした。


授業もさることながら、鹿児島県垂水市の自殺予防 その1でも書きましたが、今回の垂水市の先駆的な取り組みは、学ぶべきことがとても多かったです。


垂水市の子どもの自殺予防が先駆的だと思う点を3点挙げておきます。


【市内一斉実施】

垂水市は今年から自殺予防教育をスタートさせましたが

市内の全小学校の6年生と、市立中学生全学年に3日間で一斉にSOSの出し方授業を実施計画しました。

ほかの自治体は「自殺予防教育、やりたい学校はどうぞ」というような手挙げ方式や

自治体が選んで1校だけというケースが多いのです。

かつ、自殺対策計画に沿って結果を出さないといけないので

「とりあえずやりました」という感じの自治体も少なからずあります。

全小中学校の実施、1万数千人の自治体だからできることかもしれません。

予算のある大きな自治体しかできないと思ったら大間違い。

学校数の少ない小さな町こそできるし、GIGAスクールの先端を走る垂水市のように、IT化を推進することで実現できるのだと思いました。



【出し方と受け止め両輪研修】

さらに、垂水市の子どもの自殺対策の先駆的ところは

子どもにSOSの出し方教育をするだけではなく、教員対象にSOSの受け止め方研修も同時に実施している点です。


今回は子どもたちが帰った後の時間に教員対象に研修をさせていただきました。


子どもたちにはSOSの出し方教育で「大人に相談してね、3人まではあきらめずに!」と言いますが

さて、大人がSOSを受け止められているか?というと、

昨今の児童生徒の自殺の増加をみると、大人側に問題があることがわかります。

SOSの出し方を教えて、SOSを出しても、大人がうけとめられないと「わかってもらえない」という絶望に陥ります。


SOSの受け止め研修は、子どもたちに「SOS出しましょう」という前(あるいは同時)にやるべきことだと私は思っています。



SOSの受け止め先の拡大】

悩み事を抱える子が、身近に相談できる大人がいない、あるいは、相談できない子たちもいます。


垂水市は対面相談のほかに、4月から24時間体制の電話相談・LINE相談「たるみず寄りそい心の相談」を独自にスタートさせています。


子どもから高齢者まで誰でも相談できる窓口。
対面・電話・LINEとさまざまな相談ツールを揃えることで、大正昭和世代から平成令和世代まで対応できる窓口になっています。

「小さな町にはできない」と思ってあきらめている自治体は多いです。

けれども、垂水市を見る限り、「小さな町だからこそできることが沢山ある」と思います。

ちぇすと〜!垂水市、これからも最前線で突っ走ってください。


垂水相談_page-0001.jpg
Posted by 高橋聡美 at 10:42
鹿児島県垂水市の自殺予防 その1 [2021年07月23日(Fri)]

先週、鹿児島県垂水市内の全小学校で6年生と中学生全学年向けSOSの出し方授業をしました。さらに、教員向けにもSOSの受け止め方研修も授業の後にやらせてもらう機会を頂きました。

子どもにSOSの出し方教室を実施できている自治体がまずまだ少ない中、垂水市は全小中学校でそれができたこと
さらには教員へSOSの受け止め方研修もできたという点で

全国に先駆けて一歩前進したなと感じています。


垂水市はどのようにこれを実現させたのか、私から見た垂水市の自殺対策を記しておきます。


【垂水市の自殺対策のスタンス】

2016年に自殺対策基本法が改正され、各市町村が自殺対策計画策定をしなければならなくなりました。


その中で、「自殺予防教育・SOSの出し方教室」も努力義務として盛り込んでいかなけばならないのですが、

垂水市の自殺対策担当の保健課の作成した自殺対策計画が、とにかく市民から見てもわかりやすいものでした。
担当者に伺ったところ、自分が不勉強で分からないことが多かったので、わかるまで調べた。とのこと

やはり、リーフレットでもなんでも、作る側が本当に理解することは大切だと思ったのと
逆に「よくわかってる専門家」が作ると市民にはわかりにくかったりもすると思いました。


各市町村の自殺対策の担当者は保健師のように心の健康について専門知識のある人が担当である場合もありますが

総務や税務などの事務系の担当から自殺対策の担当に回ってくるようなケースも少なくなく、

そのような場合「自殺対策って、何したらいいんですか?」と

ゼロから担当者が勉強しなければならず、そのたびに一旦、自殺対策が止まることが往々にしてあります。

特に、コロナ禍では「コロナ対策が優先で自殺対策をやっている暇はないです」といって
自殺対策が止まってしまった市町村もありました。


社会的に心理危機に襲われているコロナ禍だからこそ、

自殺対策は強化すべきだと私は考えています。

垂水市はコロナ禍でも、自殺対策の計画を着々と進め、「コロナだからできませんでした」という言い訳をしませんでした。


とりわけ、若者・子どもの自殺に関しては全国的に危機状態であるという認識が担当者にあり、教育委員会ともその認識を共有していました。



【関係部署の連携】

自殺予防は担当課だけでできるものではありません。
子育て支援・介護支援・経済支援あらゆることが自殺予防につながります。

子どもの自殺予防教育の場合、市の担当課が「学校で授業をする」という計画を立てても、
教育委員会や学校の理解と協力がなければ実現しません。
実際、そのような自治体を沢山みてきました。

逆に、学校側は自殺予防教育の必要性を認識していても、自治体や教育委員会の理解がない場合も、予算などがつかないので実現できません。


今回の垂水市での自殺予防教育の実現にあたっては、保健課と教育委員会が計画の段階から協働していたため、すぐに実践に移せたのだと感じています。


【担当者のスピード感】
この記事を書くにあたって、垂水市の自殺対策の担当者とのやり取りのメールを読み返してみました。

昨年、彼は自殺対策の担当となり暗中模索していたところ、数年来、私と協働で自殺予防教育を進めていた日置市の担当者から私の話を聞き

11月にメールをくださいました。
その1か月後に、私は隣町で講演が入っていたので、

講演前に垂水市役所に行き、担当の方たちとお会いしディスカッションしました。

その時、教育委員会の方も同席されていました。

最初の話し合いの場に教育委員会の方もおられたというのは大きかったです。

その夜の隣町での私の「子どもの自殺予防講演会」に担当の方はお見えになりとても熱心にメモを取られました。

一連の動きは

昨年11月に他の市町村から自殺予防教育についての情報を得た

→すぐに橋聡美にコンタクトをとり打ち合わせの段取りを速攻で決める

→連携すべき教育委員会もしっかり巻き込む

→講演会に参加し、そこで吸収できるものをすべて吸収し垂水に持ち帰る
→それを踏まえて自殺予防教育の計画を立てる

そして、先週の全小中学校での自殺予防教育の実施でした。

ここまでたった8か月です。

彼にとっては長い8か月だったかもしれません。

たった8か月で、全国のどこの市町村にもできないようなことを実現したのです。

このスピード感には本当に驚きましたが、急いでいるのには彼なりの理由がありました。


もちろん、子どもたちの自殺予防は即応しなければならない案件です。

彼が考えていたことは、「自殺対策の担当者はいつか変わる」だから、「自分が担当のうちにレールを敷いておいて、誰が担当になってもできるような形にしておきたい」ということでした。

この先の先を考えた行動に感激しました。

「あなたは垂水市の宝だね」と私は最初にお会いした時に彼に言いましたが

本気で自殺対策をやっている姿に、私自身、勇気をもらいましたし
垂水の本気に応えるぞ!!という思いにもなりました。


先週の垂水市での授業の前には、垂水市教育委員会教育長の坂元先生もわざわざお見えになり、

小学校・中学校の授業とも尾脇垂水市長も激務の中、時間を作ってくださって聴講されました。



市長・教育長のお姿からも、All垂水でこの事業に取り組んでいるのが伝わりました。

垂水の子たちはコミュニティに、大人たちに守られている。
そう感じました。



Posted by 高橋聡美 at 09:52
府中第十中学校3年生対象の授業 [2021年07月07日(Wed)]

【府中第十中学校3年生対象SOSの出し方授業】

先日、一生忘れられない生徒たちと出会いました。


SOSの出し方3年生110人対象の授業。 


会場となる武道場にパソコンを持って入ると、もうすでにそこに2人の女子生徒さんがいらっしゃって自主的に椅子を並べていました。


その後も、時間前にもかかわらず生徒さん達は続々と集まり

自分たちの座る椅子を設置し生徒さん同士で整列を促してました。


授業前に「トイレ行ってきまーす!」

と仕切りの生徒さんに報告する生徒さん

「トイレットペーパー!行ってきます」とギャグを飛ばしながらトイレに行く生徒さん。


会場作りから講師を迎える準備まですべて生徒主体でほのぼのと行われていました。


そこに教員はいましたが、見守るのみで、生徒さんは伸び伸びとそれをやっていました。

先生の顔色伺ってやってるのとは違いました。


以前にも書きましたが

中学校の体育館などで行われる授業で

先生が「ほら!!は、や、く、並べ!!!」

「何組、何だお前ら!!!」

「並んだら、動かないー!!!!」

と、怒鳴り散らすような光景をたくさん目にしてきました。


SOSの出し方の授業する前に、このように怒鳴り散らして子どもたちを支配する事は

教育の効果を半減させますし説得力を失います。



さて、府中第十中の授業

先生の導入はいかにもあっさりしてました。

もっとコテコテに自殺予防教育の大切さとか

どんなにすごい先生がきたか?とか

(生徒からすると恩着せがましく)橋聡美の紹介をする学校もありますが

そういうのもなしでした。


生徒たちと向き合ったときに、みんなとても高い集中力で話を聞いてくれました。

そして、私が独り言みたいに「これこれってどう思う?」

と言う声かけに、110人のあちこちから、こー思う、あー思うと自由に声が上がるのです

私は、方々から散らばってやってくる答えに対して「そうだね」「そうだね」と答えながら110人と会話しました。

子どもたちはみんな自由でした


先生たちの顔色を伺うこともない

初めて会ったこのおばさんの顔色を伺うこともない


自由でした。


私の独り言みたいに進むかもしれない授業が、府中第十中学校の3年生たちは、私をひとりぼっちにすることなく

都度都度反応してくれ、私の授業をサポートしてくれました。


みんな、ありがとう。



自尊感情の話をした時も、

「もし私がこの授業で、君たちから、つまんなかったと評価をもらったならば、私の社会的自尊感情は下がるでしょう」

と言う例え話をしたときに、すかさず

後ろにいた男子生徒たち数人が大きく手を振り

「先生!!十分に面白いよ!」と笑って言いました。


「ありがとう!私の社会的自尊感情はあなたたちのおかげで満タンで京王線で帰れる!」

と、笑いました。


みんなで大笑いしました。


さて、この中学校の先生たちが、この子たちに対して放置であったか?

つまり、他の学校だったら整理整頓から指導するところを、この先生方は見守り生徒の自主性を重んじていたわけですが、放置する学校だったのか?


授業で私が生徒に何か指示を出した瞬間、たくさんの先生たちがさーっとすぐに生徒たちの中に入りサポートしていました。

事前の打ち合わせなどしていません。


さーっと

自然と

ときには生徒たちにからかわれながら

先生たちは対等に生徒たちの中に入りサポートしていました。


その姿を見て、私はなんだか泣けてきました。


だから、ワークの後に、生徒たちにいいました。


「ねぇ、君達?

私は今日この学校に来て2つ感動したことがある。

一つは、あなた自身がこの授業に主体的に参加していること


それから、あともう一つは、この授業の最中、いつも先生たちが、君たちのことをサポートしてくれてること。

ねぇ?私、こんな学校、見たことないよ」


そう言ったら、男子学生さんが

「拍手してもいいですか?」と大きな声で聴きました。


「もちろんだよ、あなたたちは、先生たちにいつも、ケアされてる。

先生たちに拍手して」


みんな拍手しました。


もちろん、そこにいるすべての生徒が先生に救われてるなんて思わないけれど


先生たちが子どもたちを信頼してる

だから

子どもたちも先生を信頼している。



それを目の当たりにした授業でした。



府中第十中のみなさんと出会えて、よかったです。


Posted by 高橋聡美 at 00:00
自殺予防教育 特集記事 [2021年05月12日(Wed)]

学事出版さんの月刊『生徒指導』



自殺予防教育の特集。

冒頭記事を寄稿しました。



自殺予防教育に長年携わっておられる、大好きな先生 阪中順子先生の記事や

若者の生きづらさをずっと取材していて昨年、コロナ禍の若者の自殺予防ZOOM検討会でもお世話になった渋井哲也さんの記事もあり読み応えあります。



教育関係者だけでなく、行政の方や地域の方にも知ってもらいたい。

今、どんな自殺予防教育が実践されているのか必要とされているのか。





■特集:今求められる自殺予防教育

教師にできる自殺予防〜子どもの抱える生きづらさを受け止める〜/橋聡美(中央大学人文科学研究所客員研究員)



さいたま市における自殺予防の取組『SOSの出し方に関する教育』/山本志織(さいたま市立小学校教頭)



体験的学習を中心にした自殺予防教育/阪中順子(奈良女子大学大学院非常勤講師)



「生きる」を考えるWYSH教育/内海美香(静岡県立高等学校養護教諭)



学級担任が行う自殺予防につながる日常的なかかわり/池原征紀(兵庫県公立中学校教諭)


いまの子どもの生きづらさとは/渋井哲也(ジャーナリスト)



月刊生徒指導 2021年6月号


■特集:今求められる自殺予防教育




Posted by 高橋聡美 at 15:00
インタビュー記事の掲載のお知らせ [2021年04月18日(Sun)]

公明新聞にインタビュー記事、「見逃すな子どものSOS」が掲載されました


https://www.komei.or.jp/komeinews/p158391/

Posted by 高橋聡美 at 19:44
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