子どものSOSの受け止めについての講演の時に質疑の中でよくあるご質問をシェアします。 【「死にたい」とよく言う子がいるが、本気かどうかどう評価したらいいか】 高橋聡美の回答 具体的に準備していたり、日にちを予告していたり、そんな時は「本気度」を感知するのは大切です。 でも、そうでない場合に「この死にたいは本気か、そうでないか」の判断はあまり必要ないと考えます。 例えば「あ、この死にたいは本気じゃないな」と判断してそのような態度で対応をしたなら、本当に死にたい気持ちに追いやられてしまう可能性があるからです。 本人もどれくらい本気かよくわからないこともあるし、気持ちは行ったり来たりします。 本気に見えなくても本気かもしれないし、先生の対応ひとつで本気にさせるかもしれない。 だから、本気かどうかを評価するより 今はそう言う気持ちなんだということをそのまま受け止めることの方が私は大切だと思います。 「本気に見えないから、軽くあしらう」は子どもを孤立させてしまいます。 【リスカをしている子が親には言わないでと言う。以前、学校が通報した時、親にひどく叱られたと。 どうやって親に通報することを子どもに納得させたらいいですか(穂保健室の先生たちの集まりなどでの質問)】 橋聡美の回答 過去に酷い目に遭ってるとしたら、また酷い目に遭う可能性が高い。 この子の親に通報して、この子のリスカはおさまりますか? おさまらないと思います。 何か改善されますか? 通報するだけでは何も改善されないどころか事態は悪くなると私は思います。 保健室の先生たちが優先すべきは親に通報することを子どもに納得させることではなく どうやったらリスカが少しでもおさまるか?だと私は思います。 保健室に来てお話して安心したいのに「親に言っていいか」と毎回、言われたら保健室にも来なくなると思う。 リスカの代わりになる方法を伝えたり、 どんな時にリスカしたい衝動に駆られるか、一緒にモニタリングしたり 保護者を伝えることを説得する前にできること、やるべきことは沢山あるのではないでしょうか。 保護者さんのケアや心理教育も必要でしょう。 何のために親に通報するのか、それをやって何が改善されるのか、なにを期待するのか考える必要があると思います。 とても大切な質問だと思いました。 私も一緒に考える機会をもらえありがたかったし、先生たちが何に困っているかがわかった質疑でした。 |
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子どもの対応でよく受ける質問
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高橋聡美
at 12:16
対談掲載の書籍出版のお知らせ
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高橋聡美
at 15:45
【YouTube版 コロナ禍で子どもの自殺が急増した要因検討】
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高橋聡美
at 17:56
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