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小中学生の自殺の増加について その1 [2023年10月16日(Mon)]

【小中学生の自殺の増加について その1】


文部科学省は今年10月4日、2022年度の児童・生徒の自殺者が411人で、前年度比43人増えたという調査結果を発表しました。(令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査)



中でも、小学生と中学生の自殺は過去最多でした。




<解明されない子どもの自殺の原因>


子どもの自殺の半数以上が遺書などが残っていないため、原因がわかっていません。


令和5年から子どもの自殺対策については、こども家庭庁が担うことになりました。


こども家庭庁の「こどもの自殺対策緊急強化プラン(6月2日)」の中でも「こどもの自殺の原因の分析」が挙げられています。


その内容は


「警察や消防、学校や教育委員会、地方自治体等が保有する自殺統計及びその関連資料を集約し、多角的な分析を行うための調査研究の実施」


となっています。



しかしこれは、これまで警察・消防・教育委員会・自治体が集めてきた従来の方法で、分析するというやりかたです。


情報収集方法はこれまでと変わらないわけなので、新たな分析は見込めません。



このやり方では、子どもの自殺の原因の分析は進まないでしょう。


子どもが何が原因で自殺しているのか、よくわからないまま、やみくもに対策をとってきたのが子どもの自殺対策なのだと、私は考えています。


原因もわからないまま自殺対策をする。


つまり、効果的な自殺対策が練られていないわけです。



各部署にデータを出せというような乱暴なやりかたではなく、


心理学的剖検のように、一人ひとりの事例に対し専門家が丁寧に遺族のヒアリングをするなどの方法が望ましいと考えています。



数字だけ、その時の現場検証だけ、教員任せで自殺の原因の解明をするのは無理です。



子どもの自殺が起きた時に緊急チームが派遣され、関係者への心のケアと、原因の解明について丁寧な対応がなされるべきだと思うのです。



Posted by 高橋聡美 at 21:06
山形工業高校 新入生へのメンタルヘルスの授業 [2023年04月11日(Tue)]

【山形県立山形工業高校 新入生へのメンタルヘルスの授業】

新年度スタートしました。
今年度も既に150講演入っていますが、今年度もスタートは山形工業高校。

新入生のオリエンテーションの中に、メンタルヘルスの授業が1コマ、入っているのです。すばらしい。

生徒さんは色んな中学から集まっているので、適応するのも大変だし
新しい科目もあるし、中には、進路に迷いつつ入学した子もいて
この時期にメンタルヘルスの授業はとても大事だと思っています。

内容は
1.ストレスについて
2.自尊感情
3.レジリエンス
4.SOSの出し方とストレス対処法
5.物事の捉え方とセルフケア

中学でうまくいかなかった子も、高校で再スタートできる。
逆に、高校で挫折を味わう子や、お友達をつくるのが不得意な子もいる。

どんな風にしたら、いいスタートがきれるか?
ワークをしながら一緒に考えました。

機械技術・電気電子・情報技術・建築・土木/科学の科がある高校。
「あなたたちがこれからの世の中をつくって行くんだよ。どんな世の中にしたいか、わくわくしながら高校で面白いこと、楽しいことをどんどん学んで。

あなたたちが作る未来を楽しみにしている」

そんなことを伝えました。

Posted by 高橋聡美 at 21:17
テレビ出演のお知らせ [2021年05月30日(Sun)]

【テレビ出演のお知らせ】

5
31日(月)NHK ひるまえほっと(関東甲信越 11時半〜)

「若者の自殺のサインを見逃さすな!ゲートキーパーとしての心構えを伝える」
リモートで解説します。

Posted by 高橋聡美 at 19:13
自殺予防教育・SOSの受け止め方講座 2020年の振り返り [2021年01月06日(Wed)]

自殺予防教育・SOSの受け止め方講座 昨年の振り返り


2020年、コロナ禍で講演会が次々キャンセルになる中、ZOOMなども駆使しながら

76講演・授業と58回のZOOMセミナーをこなしました。




印象的だった感想を記しておきたいと思います。



【子どもの自殺予防の授業 多かった感想】

*楽しかった←これがダントツ(笑)

*相談してもいいとわかった。(これが毎年、意外と多いのです)
*仲間に助けを求めることはいいことだと思いました。

*言葉にしないと心の傷はわかってもらえないことがわかりました。

*心の傷も体の傷と同じように手当てをすれば今より良くなることがわかった。

3人目までの大人に相談します。

*誰かの欠点も自分の欠点もリフレーミングすると生きやすいと思いました(リフレーミングの感想)

*ありのままの自分でいいのだと思いました。

*親にやさしくしようと思いました。(アサーションの授業の感想)

*怒りそうなとき、6秒、数えてみます(6秒の話はかなりインパクトがあるよう)

*失敗しても基本的自尊感情で支えられるとわかりました。

*今までのストレスの対処方法が効果的でなかったことがわかった(ストレスコーピングの授業の感想)


【支援者・保護者の感想】

*自分がいかに子どもの話を聴けていないか痛感しました。

*子どもをコントロールばかりしている自分に気が付きました

*(子どもがSOSを出す)3人目までの大人になりたい

SOSの出し方教育を受けた後、子どもたちが相談をしてくれるようになった。
*具体的な対応の仕方や声掛けがわかった
*もっと早くこの研修を受けたかった
*子どもに関わる人、みんなに知ってほしい


【感想を受けて】
子どもたちの感想に関しては、講師に見せるということを前提に書いてくれている感じもあるのですが、伝えたいエッセンスはしっかり伝わっているなと思います。


3人までとか、6秒など具体的な数字で示すと、記憶に残りやすいということもわかりました。
また、「弱音を吐いていいんだ」「助けてっていっていいんだ」という、安堵にも似た感想が多かったのが印象的でした。
裏を返すと、子どもたちが安心して、困りごとを話せる環境がないということかもしれません。


楽しかったという感想が多い中、これまで、沢山授業をやってきて、本当につまらなさそうに聴いていたり、「意味がわかんない」とワークを放り出す子はいたりしたのも事実です。

そして、そういう児童生徒の多い学校ほど、そのような子どもたちのサポートを先生たちがしていませんでした。

あぁ、この子達は日ごろ、ケアされていないのだなと感じました。

先生たちが悪いということでもなく、先生たちは先生たちでそんな子たちとどのようにかかわっていいのか戸惑っているのだろうと思います。


SOSの出し方と受け止め方の両方をやる意味】
生徒向けのSOSの出し方と教師向けのSOSの受け止め方、両方の講義をした学校の先生からは、「共通認識ができた」「子どもたちと私たちの関係性が変わった」という感想もありました。

 

中には「心の(人権)教育とか、めんどうくさい」と感想を言っていた子が後日、先生のところにきて、何気ない相談をしにきて、去り際に「この間、相談してもいいって授業受けたからさ」と言っていたという話もありました。


 

子どもたちはSOSを出していいことを学び実行します。
先生方も、それまで、困った子どもたちをジャッジし続けコントロールし続けてきたことを研修の中で認識し、その子の見えている情景を見させてもらうかかわりや言葉かけを学びます。


SOS
を受け止める相手がいること

SOSを安全に受け止めるスキルを知っておくこと

そして先生たちや親御さん自身も自分を大切に、教師という仕事やその子の親であるというプライドを守れることが大切なのだと思います。



自尊感情を互いに高めあえてこそ、お互いが安心できる存在になれると私は思っています。





これからも、子どもたちも大人たちも、ダメな自分を引き受けながら、ありのままの自分でいられる安心な社会になるように、私にできることをやり続けたいと思います。






Posted by 高橋聡美 at 21:51
コロナ禍における若者の自殺を考える [2020年12月26日(Sat)]
コロナ禍における若者の自殺の急増を考えるZOOM検討会のお知らせです。

1223日に厚労省の自殺のデータが更新され、事態はより深刻になっています。

1228日は松本俊彦先生をゲストにお招きし、若者の自殺対策の在り方について討論します。

今年、コロナ禍で若者に何があったのか、28日、一緒に考えませんか

【日時】1228日(月)19:3021:30

【内容】

 第1部 報告会 19:3020:20 

   橋聡美「2020年の若者の自殺の動向について」

   渋井哲也さん 「コロナ禍における若者自殺の傾向」

 第2部 討論会 ゲストスピーチ 松本俊彦先生

    「若者の自殺対策の在り方について」

お申し込みはお申し込みフォームから


お申し込みフォーム


12
月は3回シリーズで開催しました。

3回分のアーカイブスをYouTubeで後日配信します。

YouTube内容 

@報告会の内容 

A井上祐紀先先生『若者の精神医療現場でのコロナ禍の問題』

B野田哲朗先生 『コロナ禍で大学生になにが起きているのか』

C松本俊彦先生『若者の自殺対策の在り方について』

同じお申し込みフォームからお申し込みできます。


教育関係者・医療福祉現場の一人でも多く知ってもらいたいことが沢山あります。

みなさんといっしょに考える時間を持てたらと思います。

第2回コロナ禍自殺対策ZOOM検討会チラシ最終回_page-0001 (1).jpg
Posted by 高橋聡美 at 12:36
『教師にできる自殺予防〜SOSを見逃さなさい〜』本屋に並びました [2020年12月19日(Sat)]

本日、「教師にできる自殺予防〜SOSを見逃さなさい〜」出版されました。

本書掲載の自殺予防授業・ワーク用資料がダウンロードできます!

下記のお申込みからできます

https://www.kyouiku-kaihatu.co.jp/bookstore/products/detail/000531


先生方が子どもと接するときの困りごとにしっかり寄り添えらるように書きました。

flyer_A4_縦_自殺予防広告20_11_1_ol__トンボなし_pages-to-jpg-0001.jpg
Posted by 高橋聡美 at 23:18
コロナ禍における若者の自殺を防ぐために」(NHK視点・論点)  [2020年12月17日(Thu)]

先日、出演させていただきました NHK視点論点の内容がアーカイブで見られるようになりました。

原稿をそのままUPしています。

見逃した方どうぞ。https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/440421.html

Posted by 高橋聡美 at 23:31
子どもの自殺予防講演会 [2020年12月17日(Thu)]

この2週間、子どもの自殺予防の講演と教員研修・授業で駆け回っていました。


教員研修では

「子どもの自殺が過去最悪と知らなかったです」

「今まで、生徒の話を聞けていなかったと痛感しました」

「明日から使えるスキルを教えてもらえたので実践します!」

「全教員に受けてほしい」という感想がありました。

先生たちにとり切実なテーマなのだと思います。


子どもへの「SOSの出し方教育」だけではだめ。

受け止めの研修をしないと。


SOSを出したあと、子どもたちが大人に失望しないように、

生きていることに絶望しないように。




2週間で11講演 5授業 
岡山県の教員研修
大阪市立十三中学校 生徒へのSOS出し方授業・教員研修
宮崎での市民向け 子どもの自殺予防講演
鹿児島県垂水市での来年度からの自殺予防教育の企画会議
鹿屋市立寿北小学校ので教員研修
日置市立日吉小学校での自殺予防授業
日置市立日吉中学校での自殺予防授業
鹿児島市立天保山中学校PTAでの親子で育む自尊感情講演
鹿児島市教育委員会主催のコロナ禍メンタルヘルス
奄美市主催 ゲートキーパー研修
奄美市内の小中学校先生対象研修
奄美市保護者さん対象子どものSOSの受け止め方講座

企画してくださったみなさまお世話になりました。

Posted by 高橋聡美 at 10:17
コロナ禍における若者の自殺の急増から自殺対策を考えるオピニオン記事 [2020年12月05日(Sat)]

中央大学のHP

「コロナ禍における若者の自殺の急増から自殺対策を考える」というオピニオン記事が掲載されました。



本文より抜粋

自殺対策基本法改正においては、若者の自殺対策は重点課題となり
各学校においてはSOSの出し方教育を実施するようにという通達がなされた。
皮肉なことにこの改正以降、未成年者の自殺は毎年確実に増え続けている。


https://yab.yomiuri.co.jp/adv/chuo/opinion/20201203.php


Posted by 高橋聡美 at 13:08
コロナ禍 若者の自殺の傾向についてサマリー [2020年10月23日(Fri)]

若者の自殺の傾向についてZOOM検討会のサマリーです

1.若者の自殺に地域差があり、それがかなり顕著である

  大阪・兵庫が例年より顕著に増えていて首都圏はその傾向はなかったです。

ちなみに過去10年で8月のデータ、東京は過去最少。コロナで都内に学生がいなかった可能性もあるかもしれません。

 地域差があるとすると、報道によるウェルテル効果だけでは説明がつきません。 


2.増えた地域の特徴

失業率や倒産の数と比べてみましたが、相関はありませんでした。(渋井哲也氏調べ)

虐待件数などの詳細がでていないので分析できないのですが、事件件数などとは相関がなかったです。
ただ全国的にスートーカー規制法違反やDV法違反は増えています。(渋井哲也氏調べ)

大阪などは未遂で救急搬送される人がもともと多いので、コロナ禍の自粛で精神科の受診や救急病院へのアクセスが制限されたかなども考察したのですが、
これもデータが年末にならないとないのですが、現場の話では「制限された感覚はない」ということでした。

ということで、地域差の要因は見えてこなかったです。

なぜこれほど地域差が出たのかは今後注視し、地域ごとの対策が重要だと考えています。


3.既遂の確実性

 中高生の自殺の場所が高層ビルと鉄道自殺が過去3年間の中でも増えていてより確実に死ぬ方法を選んでいます。自殺に至るまでの心理プロセスが普段より違うことが予想されるので、支援体制をそれに合わせて変えていく必要があると思われます。

  


4.データがなくて議論に限界があった点

 1)性的な問題

女の子の自殺が増えていることを考慮したとき、やはり性的な被害を考慮すべきと思っています。中絶件数などは年末にならないと出ないのでこれは明らかにならなかったです。

ただ、相談窓口へのヒアリングやZOOM検討会に参加された助産師さんたちやチャイルドラインからは、妊娠相談増えているという声はありました。

もともと世界的にも女子が男子より自殺の多い国は性的搾取のある国です。

女の子の自殺の急増において性的な問題は無視できないと考えています。

 大阪の助産師さんたちには緊急で性教育をお願いして動いてもらっています。

         

2)未遂者の状況

そもそも、自殺未遂自体が増えているのかを見たかったのですが、データがなく分析できなかったです。

コロナの影響で病院に制限があって搬送が遅れて既遂に至っているのか見たかったのですが。 



3)相談窓口

 従来、保健所のメンタルヘルスに関する業務は相当な量ありましたが、コロナ禍でメンタルヘルス事業に手が回らなかったのではないか?これもデータなかったです。今後、要考察事項。

  



以上のような状況で、データがなくてわからないものが結構多かったのです。
 


それで、厚生労働大臣指定法人「いのち支える自殺対策推進センター」(JSCP)の分析に期待をしていたのですが、
自殺報道のせいだということを強調するあまり、今後のコロナ禍の自殺対策に有用なデータは示されませんでした。(あとは私でも調べればわかるようなデータでした)
 




若者の自殺が自殺報道によるウェルテル効果だと、断言してしまうと、もし、自殺急増の要因がそれでなかった場合、増え続けるというリスクがあります。
実際、9月の自殺も大学生は増えてしまっています。 




あの会見の報道を見る限り、何も手を打たないでこのままいくのではないかと危惧しています。


もちろん、若年者層に自殺報道の影響はありました。
しかし、それがすべてではなく多角的に考えていかなければならないと思っています。



JSCPの分析結果には本当にがっかりしました。

一方で、だから自殺が増えたんだと納得もしました。

この国の自殺対策の実力を見た気がしました。
 



今後について少し考えを記しておきます。

<自殺報道について>

芸能人の自殺報道やいじめ自殺報道のあとは若者の自殺が増えるということはわかっていることなので、報道規制をしっかりできるといいと思います。

自殺対策基本法の中に入れ込むくらいにしないとだめだと思います。

「自殺報道の後は若者が死ぬ」何回、これを繰り返せば、何人命を落とせば、改善されるのでしょう。次起きる自殺に備え、国は早急に対策を講じるべきです。

  
<相談体制について>

これはずっと言われていることですが、そもそも相談窓口をいのちの電話やボランティアのSNS相談では限界があります。
正常時でも限界があるところに危機状態になったらパンクするのは分かり切ったことです。
「こんなに苦労しているのに」というようなことを、相談業務を取り仕切る
JSCPの方はおっしゃっていましたが、善意や根性論で相談業務をやろうという発想をまず変えるべきだと思います。


相談体制にしっかりお金を落として整えるということはすぐにでもやるべきことだと思います。
同じように心理的危機の状況が来た時に「相談業務が回らない」は言い訳になりません。
相談員の負担を考慮しても、早急に整うことを切に願います、

<若者の自殺の対策>

データが出るのを待っている間に子どもたちが命を落とします。

私たちにできることのすべてを全力でやり、子どもたちの心と命を守らなければなりません。 


そもそも若年者層の自殺は減っておらず、なんら効果的な対策を打てずにきたところのコロナ禍の自殺の急増です。 



経済問題、学業・進路問題、家庭内のDVや虐待、これらを従来の課題を一つ一つ丁寧に対応していくこと、そして、コロナ禍で子どもたちに起きていること、とりわけ、急増している女の子たちについては性の問題もしっかりと対策を練ってあげなければなりません。
 


子どもたちの自殺は大人たちの責任でしかありません。
 


私自身、2人の娘を持つ母としても、子どもが命を落とす悲劇を誰かに経験してほしくないです。


みんなでできることをやっていきましょう。


Posted by 高橋聡美 at 09:52
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