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一番好きなドラマは何かと聞かれたら、イ・ソンギュンさん主演の「マイ ディア ミスター 〜私のおじさん〜」と迷わず答える。 イ・ソンギュンさんが亡くなって、全話、見直した。 このドラマの出てくる人たちは色んな生きづらさを抱えている。 貧困・ヤングケアラー・失業・離婚・暴力・挫折・裏切り・過ち。 そんな中でも、それぞれが生きていて、最後は希望で終わる。 パパゲーノなドラマだなと思う。 ドラマの中での彼の台詞にこんなものがある。 「殴られる人生はやめよう。これからは君も楽しめ」 「君が気にしなければ、みんなも気にしない。なんでも本人次第なんだ」 「過ぎたことは、どうってことない 君がそう思う限り、どうってことない。君がなんでもないと思えば、なんでもないんだ。」 「死にたい時に、『死ぬな、あなたは価値のある人だ、頑張れ』 そう応援してくれると、息ができる。ありがとう。そばにいてくれて。」 イ・ソンギュンさんが亡くなるに至るまでの報道は、ひどく彼の尊厳を傷つけ、私たちに絶望を見せるものだっと思う。 彼のこのドラマはパパゲーノそのものだったのに。 なぜ、私たちは彼を守ってあげられなかったんだろう。 ドラマを見直し、「あなたにこの言葉をかけたかった」と思いながら、自分ではどうしようもできないことに対して、取り返しのつかない後悔を感じる。 みんなが生きやすい社会になるための「マイ ディア ミスター」だったのに、たった一人の彼を世界は喪ってしまったんだ。 それでも生きていくために、何度でも「マイ ディア ミスター」を観ようと思う。 そして、同じようなことが起きることのないように、生きづらさに向き合っていきたいと思う。 お芝居も声も大好きだった。 生きていてほしかった。 でも、最後はやっぱり、ありがとうと言いたい。 *パパゲーノ効果とは 希死念慮のある人が、困難を乗り越えた他の人のエピソードで自殺リスクが低下するもの |
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イ・ソンギュンさんが亡くなって気付くパパゲーノ
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高橋聡美
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