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スウェーデンの統合失調症治療事情 その2 [2010年09月20日(Mon)]
スウェーデンの統合失調症事情を9月11日のブログで書きましたが、第2弾を。

<精神科病床数の削減>
スウェーデンは1960年代に35,000床あった精神病床数を1995年には8400床にまで削減しました。この大幅な削減により、精神科の脱施設化を現実のものとしました。30年で実に75%の削減ということになります。

<外来の変化>
今回、調査に応じてくれたダンデリード病院の先生は「昔は外来患者を1日2人しか見なかったけど、今は1日5〜6人診る」と話してくれました。日本では1日50人くらいは診ますよと、お伝えしたら、「スウェーデンで、もし、1日10人の外来患者を見ろと言われたら医者は病院を辞めちゃうよ」と笑っていました。

一人の患者さんあたり45分程度の時間を費やすので、1日6人は限界だと言っていました。

日本では初診こそ長く時間を取ってくれますが、再診の場合は最近の調子を聴いて、薬を処方して5分程度で診療が済むようなことも少なからずあります。

1人の患者さんにかける外来の時間と、労力が違うなと思いました。

<継続的な治療>
ダンデリードの先生もそうですが、その先生方も一様に強調されていたのが、「患者さんとの信頼関係の構築」です。
「7割〜9割の患者は薬を飲まなくなる。いかに信頼できるスタッフに指導され、モチベイションを患者があげてくれるか?というのは医療者との信頼関係にかかっている」と。

そこで、ダンデリード病院では、1人の患者さんに対し、外来〜入院〜退院後の訪問を同じ医師・同じ看護師でみるように外来・病棟・訪問を一つのユニットにしたそうです。
そのようにシステムを変えたら、この地区での精神疾患患者の自殺者が開始後半年の現段階で0だとのこと。(あくまで「今のところ」ではありますが)

<病棟の人員配置>
そういうわけで、病棟は急性期の患者さんばかりが集まるという形になっていますが、スタッフの数をサンクトヨーラン病院で聴きましたら、「一つの病棟数12床、スタッフは医師・看護師・介護士・ケースワーカーの合わせて12名でチームを組んでいる」とのことでした。

日本の場合は、50名の病床を20〜25人の看護師で看ており、マンパワーの不足からどうしても患者さんに抑制や隔離など行動制限をかけなければならない状況にあります。
スウェーデンでももちろん、患者の状態によってはそのような行動制限はかけるのですが、私自身の病棟勤務経験から「誰か、この患者さんにつきっきりでいてあげられたら、縛らなくて済むのに」という思いを何度も味わいました。
不安を訴える患者さんにも「○○の仕事が終わったら、伺いますから、お部屋で待っててもらえます?」と、何度もその手を放さなければならないということもありました。

人手があれば質があがると安直には言えませんが、少なくとも、今よりは一人ひとりの患者さんを手厚くみることは可能になると思います。

1日に診る外来患者数の違い。
病棟のスタッフの人数の違い。

スウェーデンを「うらやましいな!」と思うことはたくさんありましたが、さて、そのことを受けて、私は日本で何をすべきなのかな?と、最近、考えています。



Posted by 高橋聡美 at 00:40
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