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差し伸べられた手を離さない看護 [2010年08月06日(Fri)]
8年間の病院勤務の中で、病棟内で患者さんが自殺をしてしまったという事態に3回、遭遇しました。自分の夜勤時間帯に1回、あとの2回は私が非番の時でした。

病院で看てきた患者さんが退院後に、ご自宅で自死されたケースは私が把握しているだけで、3人。
必ずしもご遺族は、「自殺しました」と病院に教えてくれるわけではないので、私が関わった患者さんで、自殺された方の数は「少なくとも」6人以上ということになります。

病院内で既遂された患者さんのご遺族が、憔悴しきったご様子で、こんなことをポツリと言いました。「家でも未遂はあったけど、家では死なずに済んだのに」と。「病院に入れたらもう大丈夫って安心していたのに・・・」と、深い悲しみを湛えたその言葉には怒りでもなく、ただただ理不尽な思いや、期待していたものに対する失望を感じました。

私の夜勤の時に遭遇した自殺は、夜勤の巡回の直後に起きたものでした。
片時も彼のそばを離れず、そばに居られたなら、彼は死なずにすんだかもしれないと、今でも思うことがあります。50人の患者を2人で看る夜勤で、それは到底できないわけですが。

しかし、ご遺族としては「死にたい、死にたいと言っている人間をなんで、一人にしておいたのか?」と当然のことながら思うと思います。
精神科病棟は、そんな人たちの命を守る病院はないのか?と。

私も例えば、娘が「死にたいよ」と言ったなら、片時も目を離さずに一緒にいることでしょう。
家族が、「なんでずっと一緒にいてくれなかったのですか?」という、思いを強く抱かれる気持ちはとてもよく理解できます。

診療報酬の枠の中で、我が国の精神科病棟は、看護の人員配置が他の科と比較して少なく、どんなに重症な患者さんに対しても看護師が「つきっきり」に、そばに居られる状況にありません。かといって、自殺の危険性が高いから、鍵のかかる部屋に看護師が独自の判断で入れることも法律上禁止されています。

先日、あるご遺族から言われたことで(一部改編して記しますが)、「彼は、自殺する前にナースステーションに寄ったそうです。でも、みんな忙しそうで、誰も一緒にいてくれなかった。なんで、ほんの数分、看護師は彼の話を聞いてくれなかったのか?彼はその数分の間に既遂してしまった・・・」という言葉を聞いた時、今更ながら、「お一人お一人の命の尊さ」を知りました。私たちにとっては50人の患者さんの中の一人ですが、それぞれの患者さんがそれぞれ誰かのかけがえのない人なのだと。当たり前のことを痛いほどに思い知らされました。

病院では人数的に誰かのそばに一人のスタッフがつきっきりということは、物理的に無理なのですが、しかし家族が患者さんを大事に思うような、そのような「思い」を持ち命を守っていくことが大事だと思いました。

ご遺族のお話を伺い、大切な家族を思うように、一人ひとりの患者さんを大事に思える看護師を育てたいと心の底から思いました。
Posted by 高橋聡美 at 03:06
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