支援者たちの心のケアの中で、感じていることを記してきたいと思います。 <その1 出来ることと出来ないことの見極め> 事例が困難であればあるほどやるべきことが沢山あり、 それは、時にその支援者の「専門領域」を超えている場合があります。 熱心な支援者たちほど「あれもできない、これもできない」とできないことに苛まれ、無力感に襲われます。 例えば、行政の相談窓口はカウンセリング機関でもないですしメンタルクリニックでもないので、心理カウンセリングや精神疾患治療に関しては専門外です。 教師も、心理や社会福祉、法律の専門家ではないので、自分ができることとできないことを見極めながら、スクールカウンセラー(SC)やスクールソーシャルワーカー(SSW)、スクールロイヤーや行政に「つなぐ」ことが、「できること」です。 自分にもっとカウンセリングのスキルがあったら、法律的な知識があったら、と他の領域のことに関心があり、学び連携することは大事だと思いますが、ひとりの人ができることには限りがあります。 誰かの力になりたいと思う時、「自分ができるかぎりやる」ではなく、「自分のできることにベストを尽くす」 できない時は誰かに繋ぐ、支援者も誰かSOSを出すことが大事だと思うのです。 <その2 葛藤力:DoしないでBeする> 話を聞くしかできなかった。 保護者に変わって欲しいけど、なかなか変わってくれない。 こんな風な無力感を抱く支援者はとても多いです。 こうしたらいいのに、なんで!?と思うことも沢山あると思います。 でも、やはり当事者のスピードもあるので、支援者が思うようなスピードで物事が動くことはむしろ少ないと感じます。 「どんな声かけをしたら変わりますか?」 「こんな時、どうしてあげたらいいですか?」 とよく質問を受けます。 これは、支援者がどのように介入したらよいか、という質問なのですが、 当たり前のことながら、ケースバイケースで、これが正しいという絶対的な回答はありません。 でも、私が「必ず支援になる」と思っていることは、「安心安全な他者」として「そばにいる」こと。「Be」することです。 人は何かしたい、「Do」したがります。 DoしないでBeして、そして、葛藤を一緒に抱えて。 葛藤を抱えるのも支援力。といつも言っています。 膠着した状態でBeすることはとても根気のいることです。 でも、それが、当事者にとっても支援者にとっても大事だと私は思っています。 あなたはただそばにいて、何もできていないと思うかもしれない。 けれども、その人にとり安心安全な存在であること、その人がより良い方向にいくようにいつも願っているあなたがいること。それはその人のレジリエンスだと私は信じます。 どうDoしたらいいか、焦らないこと。 安心安全な他者としてBeすること。 解決できないことを受け入れながら、ともに葛藤し、必ずよりよい方向に向かうことを、それでも絶対に信じること。 自分が無力だと感じているすべての支援者にエールを送ります。 |
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自分は「無力だ」と感じている支援者
Posted by
高橋聡美
at 19:44
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