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Jimmy (05/08)
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自死報道のありかたについて その2 [2022年05月17日(Tue)]

人気芸人さんの逝去から1週間。

私もいろんな番組を視聴し故人を偲び、涙することの多い1週間でした。

そんな中でもやはり、報道のあり方についてはいろいろと考えさせられることがありました。


WHOのガイドラインからの逸脱>

人気芸人さんの逝去で、その日の朝はスクープ合戦のような形で

様々な配慮に欠ける報道がなされました。

*手段や場所について報じる

*繰り返し報じるなどはWHOの自殺報道のあり方の提言を無視するものでしたし、

本人の自宅前から生中継をしたしたり、街頭インタビューをするなど

必要でないと思われる報道も散見されました。


週末の「1週間を振り返る」番組でも局により報じ方がかなり違うと感じました。

ある番組は故人を偲ぶ報道で、私自身、笑いながら泣き、本当におもしろかったなと、生前のギャグを見ました。

誰かが亡くなった時に、その人を偲ぶことはとても大切ですし、死の話題をタブーにすることはむしろ自死に対する偏見を助長すると考えます。

なので、故人の思い出を丁寧にまとめた番組は視聴者のグリーフワークの一助となったと感じます。


<自殺の原因の詮索することの悪影響>

一方である局はゲストがひたすら「何が原因だったか」などの憶測を議論していました。

自殺の原因は4つ以上あるとされていて、一つに限定することは

遺された人のグリーフにも良い影響はありません。

また同じような立場にある人たちが「死ぬしかないんだ」と思うので

遺書のない自死において原因をあれこれ詮索し犯人捜しをすることは、さらに誰かを傷つけることにつながります。


BPOの「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー」に関する見解>

昨日、ダウンタウンの松本人志さんが「痛みを伴うことを笑いの対象とする番組」のBPOの見解に触れ

「それだけが理由とは思わないですけど、BPO(放送倫理・番組向上機構)さんどうお考えですかね?ってちょっと思いますね」と言及されました。

BPOの委員として見解を作成したものの一人ですが、ここでのメッセージはあくまで橋聡美個人の見解とご理解ください。

痛みを伴うバラエティに関しては、長年の議論があり、昨今では普通にまねができるようなものも増え、さらに、視聴者がSNSなどで発信できる時代になりました。


爆薬をしかけるような大掛かりなドッキリではなく、

いたずらのような安易なドッキリも増えているなと個人的には思っています。大がかりなものは子どもたちは真似はできないですがいたずら程度のものはまねができます。

さらに、LGBTが象徴するように、「笑いのネタにしてはいけない」ことも時代で変化しています。


この20年で、社会では「ハラスメント」のこと「LGBT」のことの捉え方も変わってきていますし、いじめに関しては法律もできました。


このように社会が変化する中で、お笑いだけが許されていいはずもありません。

誰も傷付けない笑いをやはり追及すべきだし

笑いは人を幸せにするものであって、その笑いで誰かが傷つくのは本末転倒だと私は思います。

さらに先ほどの自殺の原因の追究の有害さを考えた時、「BPOの見解が自殺に追い込んだ」というような誰かに責任をおしつけることは自殺が起きた後してはならないことだと思います。


原因を憶測で語り、「BPOの見解で仕事に影響した」と断じることは、故人にもご遺族にも礼に欠けると私は感じます。

上島さんはよりよい笑いを追求されていたと思うからです。


故人を悼む気持ちは人それぞれで、コロナのせいとか、BPOのせいとか、志村さんが亡くなったからとか、なにかを原因にしたい気持ちはわかりますが、それを報道に乗せることはまた違うと思うのです。


*繰り返しになりますが、これはBPOの見解ではなく橋聡美個人の見解です


Posted by 高橋聡美 at 16:47
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