ここ数ヶ月で、全国の小・中・高から相談があり、個別に自殺、自殺未遂案件相談を受けています。 中学生の相談が増えているのが特徴で、 少なくとも私が相談された全てケース、「死にたい」と周囲に漏らすことなく亡くなっていました。 むしろ「普通に元気だった」と。 私が学校からあるいは本人から相談を受けている「死にたい」と言っている子たちは ほとんど家庭で様々な生きづらさをかかえています。 親とうまくいかない(多くは母子関係)、親がわかってくれない。と。 学校は行きたくないわけでもないし勉強もしなきゃいけないのもわかってるけど、行けない。と、不登校になる理由も自分でもわからないという子も多いです。 また、「あの先生が大きな声を出すのがイヤ」というような学校に行きたくない理由のあるケースでも 家庭の中で大きな声で夫婦喧嘩やD Vのある子で、 先生がというより、大きな声に反応して学校に行けなくなるようです。 そんな子達の多くが、「他の子が叱られているのを見るのもつらい」と言います。 このような場合「学校に行きたくない理由」にされた先生も心理的に追い込まれますので、 児童生徒のカウンセリングはもとより、教員のサポートも必要となります。 もちろん、そもそもの原因である家庭問題はスクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーと協働して介入できるといいなと思います。 それと、これも複数相談があるのですが、保護者が外国籍で、日本の教育システムがよくわからず、親子で混乱してしまうケースです。 日本語が母国語でない保護者さんにはより丁寧なサポートが必要と思われます。 外国籍の保護者さんたちは、日本のお母さんたちに引けを取らないようにと頑張りすぎる傾向があり 誰にも頼らないで頑張ろうとしたりします。 その頑張りを子どもにも強いたり 子どもの成績が良いことで自分の海外での子育ての「成功」を実感したがります。 肩の力を抜けるといいなと思います。 たいていの場合、親と子どもでも見えている情景が違います。 つまり、親が「問題」と思っていることを子どもは「問題」と思っておらず 子どもが「問題」と思ってことを親は問題とは思っていないことがよくあります。 例えば、親は成績が悪いことや不登校気味なことを「問題」と思ってて、 子どもは「なんで、自分がそういうことになってるのか、わかろうとしない親が問題」と思っている そんな感じです。 学校の先生と児童生徒の間でも同じようなことが起きています。 例えば、ある子が親子喧嘩をしてリストカットをしました、もしくはピアスを開けてきましたという時に 「困りました」と先生は私に相談します。 「先生たちは何に困っておられますか」と聞くと 「だって、先生それはもう進路の問題ですよ」 とおっしゃるのです。 おそらく、子どもはさしあたって進路問題にはぶつかっておらず 親子関係で困っていて、その相談先もなく体に傷をつけているのだと思うのですが 先生たちはその先の先に起こるかもしれない進路について心配しているわけです。 子どもと大人と見ている風景が全然違うと感じます。 子どもの自殺が増えている一方で大人たちは子どもに何が起きているか、 子ども達に聞かないで、自分たちの価値観で解決しようとしているのかもしれません。 ケース検討会でも経緯を詳細に書いた資料が配られ、先生たちは私にこう聞きます。 「あの子は何に困ってるんでしょうか」 「どうしたらいいかわかりません」 私もわかりません。とお答えしています。 だって、私はその子じゃないから。 「何が一番しんどいか、何に困ってるか?本人はなんと言ってますか?」と尋ねると 「聞いてません」と 聞いてみてください。先生達で話し合ってもその答えは出てきません。 本人の話を聞いてあげてください。 何をしたらいいかも、私たちにできることは何かを「私たちに何ができる?」「どうして欲しいか」を聞いてみてくださいとお伝えしてます。 できるサポートはやる できないサポートはどこかにつなげる。 教師に限らず、おそらくたち私たち大人は子ども達が起こしている「問題行動」にだけ目が行き、それをコントロールすることに翻弄し こちらの心配や要望を伝えるばかりで その子の話を聞いていないんだと思うんのです。 どうたらいいかわからない時はまず 子どもの情景を見させてもらう。 そして、私が何をすべきかも聞いてみるといいと私は思っています。 子どものことを考えるのにその子の話を聞かずしてその子の理解はできません。 |
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学校における自殺・自殺未遂についての検討会
Posted by
高橋聡美
at 10:08
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