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Jimmy (05/08)
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鹿児島県垂水市の自殺予防 その1 [2021年07月23日(Fri)]

先週、鹿児島県垂水市内の全小学校で6年生と中学生全学年向けSOSの出し方授業をしました。さらに、教員向けにもSOSの受け止め方研修も授業の後にやらせてもらう機会を頂きました。

子どもにSOSの出し方教室を実施できている自治体がまずまだ少ない中、垂水市は全小中学校でそれができたこと
さらには教員へSOSの受け止め方研修もできたという点で

全国に先駆けて一歩前進したなと感じています。


垂水市はどのようにこれを実現させたのか、私から見た垂水市の自殺対策を記しておきます。


【垂水市の自殺対策のスタンス】

2016年に自殺対策基本法が改正され、各市町村が自殺対策計画策定をしなければならなくなりました。


その中で、「自殺予防教育・SOSの出し方教室」も努力義務として盛り込んでいかなけばならないのですが、

垂水市の自殺対策担当の保健課の作成した自殺対策計画が、とにかく市民から見てもわかりやすいものでした。
担当者に伺ったところ、自分が不勉強で分からないことが多かったので、わかるまで調べた。とのこと

やはり、リーフレットでもなんでも、作る側が本当に理解することは大切だと思ったのと
逆に「よくわかってる専門家」が作ると市民にはわかりにくかったりもすると思いました。


各市町村の自殺対策の担当者は保健師のように心の健康について専門知識のある人が担当である場合もありますが

総務や税務などの事務系の担当から自殺対策の担当に回ってくるようなケースも少なくなく、

そのような場合「自殺対策って、何したらいいんですか?」と

ゼロから担当者が勉強しなければならず、そのたびに一旦、自殺対策が止まることが往々にしてあります。

特に、コロナ禍では「コロナ対策が優先で自殺対策をやっている暇はないです」といって
自殺対策が止まってしまった市町村もありました。


社会的に心理危機に襲われているコロナ禍だからこそ、

自殺対策は強化すべきだと私は考えています。

垂水市はコロナ禍でも、自殺対策の計画を着々と進め、「コロナだからできませんでした」という言い訳をしませんでした。


とりわけ、若者・子どもの自殺に関しては全国的に危機状態であるという認識が担当者にあり、教育委員会ともその認識を共有していました。



【関係部署の連携】

自殺予防は担当課だけでできるものではありません。
子育て支援・介護支援・経済支援あらゆることが自殺予防につながります。

子どもの自殺予防教育の場合、市の担当課が「学校で授業をする」という計画を立てても、
教育委員会や学校の理解と協力がなければ実現しません。
実際、そのような自治体を沢山みてきました。

逆に、学校側は自殺予防教育の必要性を認識していても、自治体や教育委員会の理解がない場合も、予算などがつかないので実現できません。


今回の垂水市での自殺予防教育の実現にあたっては、保健課と教育委員会が計画の段階から協働していたため、すぐに実践に移せたのだと感じています。


【担当者のスピード感】
この記事を書くにあたって、垂水市の自殺対策の担当者とのやり取りのメールを読み返してみました。

昨年、彼は自殺対策の担当となり暗中模索していたところ、数年来、私と協働で自殺予防教育を進めていた日置市の担当者から私の話を聞き

11月にメールをくださいました。
その1か月後に、私は隣町で講演が入っていたので、

講演前に垂水市役所に行き、担当の方たちとお会いしディスカッションしました。

その時、教育委員会の方も同席されていました。

最初の話し合いの場に教育委員会の方もおられたというのは大きかったです。

その夜の隣町での私の「子どもの自殺予防講演会」に担当の方はお見えになりとても熱心にメモを取られました。

一連の動きは

昨年11月に他の市町村から自殺予防教育についての情報を得た

→すぐに橋聡美にコンタクトをとり打ち合わせの段取りを速攻で決める

→連携すべき教育委員会もしっかり巻き込む

→講演会に参加し、そこで吸収できるものをすべて吸収し垂水に持ち帰る
→それを踏まえて自殺予防教育の計画を立てる

そして、先週の全小中学校での自殺予防教育の実施でした。

ここまでたった8か月です。

彼にとっては長い8か月だったかもしれません。

たった8か月で、全国のどこの市町村にもできないようなことを実現したのです。

このスピード感には本当に驚きましたが、急いでいるのには彼なりの理由がありました。


もちろん、子どもたちの自殺予防は即応しなければならない案件です。

彼が考えていたことは、「自殺対策の担当者はいつか変わる」だから、「自分が担当のうちにレールを敷いておいて、誰が担当になってもできるような形にしておきたい」ということでした。

この先の先を考えた行動に感激しました。

「あなたは垂水市の宝だね」と私は最初にお会いした時に彼に言いましたが

本気で自殺対策をやっている姿に、私自身、勇気をもらいましたし
垂水の本気に応えるぞ!!という思いにもなりました。


先週の垂水市での授業の前には、垂水市教育委員会教育長の坂元先生もわざわざお見えになり、

小学校・中学校の授業とも尾脇垂水市長も激務の中、時間を作ってくださって聴講されました。



市長・教育長のお姿からも、All垂水でこの事業に取り組んでいるのが伝わりました。

垂水の子たちはコミュニティに、大人たちに守られている。
そう感じました。



Posted by 高橋聡美 at 09:52
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