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【府中第十中学校3年生対象SOSの出し方授業】 先日、一生忘れられない生徒たちと出会いました。 SOSの出し方3年生110人対象の授業。 会場となる武道場にパソコンを持って入ると、もうすでにそこに2人の女子生徒さんがいらっしゃって自主的に椅子を並べていました。 その後も、時間前にもかかわらず生徒さん達は続々と集まり 自分たちの座る椅子を設置し生徒さん同士で整列を促してました。 授業前に「トイレ行ってきまーす!」 と仕切りの生徒さんに報告する生徒さん 「トイレットペーパー!行ってきます」とギャグを飛ばしながらトイレに行く生徒さん。 会場作りから講師を迎える準備まですべて生徒主体でほのぼのと行われていました。
先生の顔色伺ってやってるのとは違いました。 以前にも書きましたが 中学校の体育館などで行われる授業で 先生が「ほら!!は、や、く、並べ!!!」 「何組、何だお前ら!!!」 「並んだら、動かないー!!!!」 と、怒鳴り散らすような光景をたくさん目にしてきました。 SOSの出し方の授業する前に、このように怒鳴り散らして子どもたちを支配する事は 教育の効果を半減させますし説得力を失います。
さて、府中第十中の授業 先生の導入はいかにもあっさりしてました。 もっとコテコテに自殺予防教育の大切さとか どんなにすごい先生がきたか?とか (生徒からすると恩着せがましく)橋聡美の紹介をする学校もありますが そういうのもなしでした。 生徒たちと向き合ったときに、みんなとても高い集中力で話を聞いてくれました。 そして、私が独り言みたいに「これこれってどう思う?」 と言う声かけに、110人のあちこちから、こー思う、あー思うと自由に声が上がるのです。 私は、方々から散らばってやってくる答えに対して「そうだね」「そうだね」と答えながら110人と会話しました。 子どもたちはみんな自由でした。 先生たちの顔色を伺うこともない 初めて会ったこのおばさんの顔色を伺うこともない 自由でした。 私の独り言みたいに進むかもしれない授業が、府中第十中学校の3年生たちは、私をひとりぼっちにすることなく 都度都度反応してくれ、私の授業をサポートしてくれました。 みんな、ありがとう。
自尊感情の話をした時も、 「もし私がこの授業で、君たちから、つまんなかったと評価をもらったならば、私の社会的自尊感情は下がるでしょう」 と言う例え話をしたときに、すかさず 後ろにいた男子生徒たち数人が大きく手を振り 「先生!!十分に面白いよ!」と笑って言いました。 「ありがとう!私の社会的自尊感情はあなたたちのおかげで満タンで京王線で帰れる!」 と、笑いました。 みんなで大笑いしました。 さて、この中学校の先生たちが、この子たちに対して放置であったか? つまり、他の学校だったら整理整頓から指導するところを、この先生方は見守り生徒の自主性を重んじていたわけですが、放置する学校だったのか? 授業で私が生徒に何か指示を出した瞬間、たくさんの先生たちがさーっとすぐに生徒たちの中に入りサポートしていました。 事前の打ち合わせなどしていません。 さーっと 自然と ときには生徒たちにからかわれながら 先生たちは対等に生徒たちの中に入りサポートしていました。 その姿を見て、私はなんだか泣けてきました。 だから、ワークの後に、生徒たちにいいました。 「ねぇ、君達? 私は今日この学校に来て2つ感動したことがある。 一つは、あなた自身がこの授業に主体的に参加していること それから、あともう一つは、この授業の最中、いつも先生たちが、君たちのことをサポートしてくれてること。 ねぇ?私、こんな学校、見たことないよ」 そう言ったら、男子学生さんが 「拍手してもいいですか?」と大きな声で聴きました。 「もちろんだよ、あなたたちは、先生たちにいつも、ケアされてる。 先生たちに拍手して」
もちろん、そこにいるすべての生徒が先生に救われてるなんて思わないけれど 先生たちが子どもたちを信頼してる だから 子どもたちも先生を信頼している。
それを目の当たりにした授業でした。
府中第十中のみなさんと出会えて、よかったです。 |
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府中第十中学校3年生対象の授業
Posted by
高橋聡美
at 00:00
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