鹿児島市教育委員会が、感染者が確認された学校に対し、その事実やPCR検査受診を「身内にも口外しない」旨を児童生徒や保護者に伝えるよう文書で連絡していたという報道。 その助言は保健所がしていたとのこと。
鹿児島市の新型コロナ感染に関する公開の在り方については様々な議論があり、 「感染者への偏見と差別を予防」するスタンスで情報公開をしてきています。 その姿勢に「本当に市民を守っている」と私も感動していた一人です。
今回の報道を受けて2点、問題点を挙げておきます。 【言うか言わないかは本人が決めること】 誰が感染したとか検査を受けたなどの情報を他者が口外することはやってはならないことです。 なので、本人以外の人が言うことに関しては社会全体として「噂を広めない」取り組みが必要となります。
今回の件は、「検査を受けたことを言わないように」と「本人」を含め口止めをする内容なので、噂を広めるとうことと全く異なる話です。
例えば、がんでも精神疾患でも何の病気にしても、LGBTなど自分のアイデンティティに関わることにしても、それを周りに言うか言わないかは「本人」が決めることです。
その主導権を奪うことは人権の侵害に近いと私は感じます。
もちろん、まわりがアウティングすることはあってはなりません。 けれども、本人に「言うな」ということは、「言うな」と言っている側が 「それは、よくないこと(悪いこと)」という偏見があるということです。
【学校でこのことが起きたことの問題】 今回のことが生じたのが教育現場であったことを私は重く受け止めています。 学校でこの通達がどのように子どもたちに伝達されたかわかりませんが 「感染したら他の人に言ったらいけなんだ」「検査を受けるのは恥ずかしいこと」というメッセージが子どもたちに伝わる可能性が高いです。 通達文書を受けた保護者は「誰にも言わないんだよ」と家庭内で子どもに指導をすることになります。
誰が感染してもおかしくない 偏見をなくそう という教育がなされている中で、「言えない病気」というメッセージを与えてしまいました。
これでは感染症に対する子どもたちの偏見を助長してしまいます。
感染に関する情報の取り扱いはとても難しいもので、現場も色んなことを勘案しなければならないのは理解ができます。 であればこそ、なおのこと、何が偏見を助長するか?ということは考えなければなりませんし、 まして、教育の現場で子どもたちに何を伝えるべきなのか? ということは、しっかり考えていかなければなりません。
子どもたちが親世代になった時に、今回のコロナの偏見・誹謗中傷のようなことが起きないように 今こそ人権に関する教育が大事。 そして私たち大人は何がその人の人権を守ることなのか行動を持って示していかなければならないと思うのです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8bd738229498b6db8270a790921e9b0035ad31fd |
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鹿児島市教育委員会のコロナ感染に関する情報統制
Posted by
高橋聡美
at 15:26
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