出版のご案内 [2012年05月30日(Wed)]
私が編著を務めさせていただきました『グリーフ 死別による悲嘆の援助』が本日、メヂカルフレンド社より出版されます。 実はこの本の企画の依頼がメヂカルフレンドからあったのは2010年12月、震災前のことでした。 あの時はまさか自分が途方もないグリーフに向き合うことになろうとは全く想像しておらず、本の構成を考えようとしていたその矢先に東日本大震災に見舞われました。 震災で私が経験した喪失体験は未知のグリーフであったし、私がそれまで実践したつもりでいたグリーフケアがいかに小手先のものであったかを思い知るのに十分なものでもありました。 この本を執筆する中で、遺族の心理を改めて考える機会となりましたし、それに対するケアについても、今までよりも奥深い所で考えることができたように思います。 東日本大震災を経験しグリーフケアの本質が問われ、グリーフケアの仕組みが我が国で大きく動き出そうとしているこの時期に本書を編集することは大変意義深いと自身で感じているところです。 本著は、まず医療職教育の中で、今までいかにグリーフやそのケアについて議論がなされて来なかったかというところから出発しています。 我々医療従事者は患者が亡くなればケアの終末かのように、死後のケアを疎かにしてきたように私は感じています。 誰かの死と向き合う人や、遺族と接する機会のある方にとり、この本がグリーフサポートの在り方を考える機会になれば幸いです。 グリーフケア書籍申し込み用紙.pdf |
Posted by
高橋聡美
at 09:11