支援のスピード [2012年02月15日(Wed)]
震災後の子どものグリーフサポート。
5月から毎月、仙台でワンデイプログラムを開催していますが、回を重ねるごとに集まる子どもの数は増え、プログラムはパンク状態です。 月に1回のプログラムのところ、少なくとも月に2回開催しなければ、子どもたちに十分なケアが届きません。 しかし、私たちボランティアではもうすでにお金も人も限界というところまで来ていて、これ以上のプログラムの開催はできそうにありません。 とにかく、早く支援者を助けてくださいと、何度も、何度も中央に言っているのですが、厚労省が中心となっている東日本子ども中央支援センターは今年度は「子どもの心の理解セミナー」を2回やる計画で、年度内は子どものグリーフケアを直接やるまでにはいかない様子。 啓発講演のお題は「大規模災害が子どもの心に及ぼす影響とその対応について」だそうです。 必要性は十分にわかります。 しかし、「子どもたちに支援がまわらなくて困っているので助けて下さい」という現場の声を把握しながら、 何故、年度内は講演会だけなのか、子どもたちを抱えて途方に暮れている私たち現場の者には理解できません。 震災、1年過ぎても子どもに直接支援を届けないというのは、やはり対応が遅すぎると思うのですが、 「焦らないでください」と、中央の方には言われます。 大人の1年と子どもの1年は違います。 震災の時にお父さんの死を理解できなかった子が理解できるようになったり。 311の後、中学2年にあがった子がもうすぐ受験生の学年になったり 刻々と子どもたちの抱える問題は変化しています。 刻々と変化する子どもたちの現状にあったニーズを届けて欲しいという被災地の願いは、単なる「焦り」ではないと私は思います。 被災児の心理や震災後の子どもの反応、それらをコミュニティに理解してもらうこと、確かにそれも大事です。 でも「くくり」だけで子どもを理解する支援は限界があります。 彼女たちの名は「被災児」ではありません。 一人、一人、名前のある子どもです。 彼らは同じ痛みを抱える「遺児」ではありません。 一人、一人、違う痛みを抱える子たちです。 一人、一人、それを大事にする支援にそろそろ移っていいのではないでしょうか。 Tweet |
Posted by
高橋聡美
at 00:30