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Jimmy (05/08)
scr8888 (03/29)
被災地における教職員のうつ [2011年11月30日(Wed)]
昨日の地元紙で、震災のストレスから宮城県内の小中学校の教職員の約3割がうつ状態であるという報道がされました。 (宮教組・小中学校調査)
河北新報 東北のニュース/震災でストレス、教職員3割うつ 宮教組・小中学校調査


 私が震災直後から一貫して主張してきたこと。それは「教員も被災者。スクールカウンセラーを配置するのではなく、担任を2人制にした方がいい」ということでした。2人担任が無理ならせめて2クラス3人担任制というのが私の考えです。
 
学校での心のケアというと、スクールカウンセラーを配置して一安心ということが往々にしてありますが、実際は子どもの心の悩みは相談室などではなく教室の中で語られることの方が多いです。
時にそれは遊びの中で表現されたりもします。
もし、スクールカウンセラーを増員するなら、スクールカウンセラーは常に学校を巡回し、授業参観をしたり、子どもと一緒に休み時間に遊んだり、いつも子どもたちの日常の中にいて、いち早く子どもたちの異変や変化に気づけるようにするのがよいと思います。
相談室に行く子ども達というのはすでに問題が顕在化・複雑化した状態である場合が多いようです。相談室に行ってからでは遅いのです。予防的な介入が必要です。

相談室で待っているだけのカウンセラーがどれだけ被災児童の現状を把握できるのかということは、震災直後からの私の懸念でしたが、それ以上に心配だったことは、数十人の被災児童を相手に日々授業をしなければならない教員が疲弊することでした。

被災地の学校の新年度は、例年より遅く始まりましたが、始業式に辿り着くまで先生方は、自身も被災しながら、子どもたちの安否確認をしたり、家庭訪問をしたり、奔走されていました。さらに、職場である学校は地域の避難所となっており、避難された方々のお世話もしていらっしゃいました。津波で使えなくなった学校は他の学校に間借りしての始業式となりました。
学校再開までどれだけのご苦労があったことでしょう。
家をなくして避難所暮らしをされていた先生、家族を亡くされた先生も大勢いらっしゃいます。
彼ら自身が心のケアを必要としていたはずです。

学校が始まる数日前からは「子どもの心のケア」などの研修会が連日、繰り返され「被災地の教師達は研修疲れしている」とまで言われましたが、どんなに疲れていても、子どもたちをきちんと迎えるために先生方は一生懸命研修を受けておられました。

約1カ月遅れで学校が始まると、笑顔で子どもたちを迎える一方で、歯を食いしばり子どもたちと一緒に涙を流しながら「まけねど!」と復興を誓いました。
 
震災後、当たり前のことながら、子どもたちは様々な反応を示しました。
ある子どもは赤ちゃんが返りをし、ある子どもは多動となり、ある子どもは暴力的となり、ある子どもは無気力となり・・・。クラス全体がいつもとは違っていました。
 
「普段通り」ということは何一つなかったと思います。
子どもたちの通学経路、保護者との連絡方法、間借りした教室、いつもと違う子どもたちの騒々しさ、入れ替わり立ち替わりやってくる支援者達、放射能の影響・・・。通常業務に加え、これらのことに先生方は対応しなければなりませんでした。

このような状況の中で、通常の人員配置でよく今まで乗り切ったなと思うと、今回の「教職員のうつが3割」というデータは、むしろ少ないと思えるほどです。

もちろん、私の提言している「被災地における2人担任制」というのは非常にコストのかかる政策であるということは百も承知です。しかし、担任を2人つけることで子どもたちは、ケアを受けやすくなりますし、先生も1人で全てを背負わなくて良くなります。
スクールカウンセラーを1人増やすよりクラスに1人教員を増やした方が教員、子ども、双方のメンタルヘルスに良い影響を与えるに決まっているのです。
こんなに傷ついている子どもたち、こんなに疲弊している教員に対して予算をつけない理由などあるのでしょうか。私たちは彼らを救うために、そして子どもたちの未来、東北の未来、日本の未来のために投資すべきなのではないかと思います。

もしも、今の状態が東北の教育現場で続くなら、教職員の自殺を招くでしょう。
この震災で、これ以上誰も亡くしてはならないし、子どもたちにこれ以上喪失体験をさせてはなりません。子どもたちは一生分と思えるほどの傷つき体験をしました。

子どもの心のケアを考える時に、子ども達を支える保護者や先生方のケアは必須です。しかし、せっかくカウンセリングをして鬱が改善しても、元の激務の中に放り込まれては、状況はよくなりません。根本的に解決するには、これ以上先生方の疲労が重ならないように一人一人の日常業務が少しでも軽くなるような手立てをしなければならないと思います。

先生方のうつはいわば二次災害です。一刻も早い救済が行われますように。




Posted by 高橋聡美 at 01:22
この記事のURL
https://blog.canpan.info/satomilab/archive/245
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コメント
大和様
いつもブログを読んで頂きありがとうございます。
少しでも良い方向に行くように私も努力いたします。
Posted by:高橋聡美  at 2011年11月30日(Wed) 19:07

おっしゃる通りです。
貴方の主張が具体化される事をお祈りいたします。
Posted by:大和  at 2011年11月30日(Wed) 17:57