友人の余命 [2011年11月27日(Sun)]
先月、東京出張に行った時のことです。
夜の時間が空き、ふと昔の同僚のことを思い出しメールをしてみました。 震災後、1回も連絡をしておらず、どうしてるかなと「ふと」気になったのです。 「なんでお前はいつも急に連絡をよこすんだ」と文句を言いながらも、私の晩酌に付き合ってくれることになりました。 新橋駅で待ち合わせをし、彼の姿をみて私はびっくりしました。ダイエットをして16キロ痩せたという話は聞いていたのですが、病気でもしたようにげっそりと痩せてしまっていたのです。 「どうしちゃったの?がんみたいな痩せかたしちゃって!」と私は開口一番に彼に言いました。 「がんだってさ!」と、歩きながら彼は言いました。 「何、言ってんの!?」彼の横顔を見ながら笑いながら私は言いました。 「本当さ。膵臓がんなんだ。」彼は笑いながら言いました。でも確かに、それはがんを患った人の横顔でした。 私が混乱している中、食事をしながら彼はこんな話をしました。 治療は一通り終わり。 医者は余命は言わない。 膵臓がんが予後は悪いことは看護師の自分はよくわかってる。 職場の人にはほとんど知らせてない。 長くてあと、半年かなと自分では思ってる。 この大事な友がこの世からいなくなるなんて、今の私には想像もつきません。 「あと半年もたない?そんなことないよ。あなたはきっと長生きすると私は思うよ。」 そう私が彼に言った言葉は彼の為ではなく、この現状を受け止められない私自身への言葉だったと思います。 彼の為に何ができるかなと思った時に、結局、何もできないわけですが、震災太りをしてしまった私に「おまえ、それ以上太ったら、一緒に飯、食ってやらないからな」と毒を吐き、「そんな、元デブに言われたくありません!」と毒を吐き返し、ケラケラと二人で大笑いをする。そういう時間が私たちには必要なようです。 散々、毒づいたあとで、「私、あなたのことが大好きなんだ」と言ってしまったら、後から後から涙が出てきました。 どんなに、星に願いをかけても、月に祈りを捧げても、神様にだだをこねるみたいにお願いしてみても、いつかお別れの日はやってくる。 余命なんてあってないようなもので、誰でも突然死ぬこともあるわけなので、大好きな人には「大好きだよ」と言い、喧嘩をしたらその日のうちに仲直りをし、毎日を悔いなく生きること。 「その日その日を生き切ること」を大事に、命に対して謙虚に生きて行きたい。そう思った友のがんの告白でした。 |
Posted by
高橋聡美
at 16:47
立花早絵さんの歌うこの曲が私はいいなと思いました。
http://www.youtube.com/watch?v=Ma0H7rmvdjE&NR=1
この曲を聴きながら、先日の出来事を思い出しました。
先日、私は仕事の待ち合わせに朝寝坊をして遅れたのです。朝寝坊をして待ち合わせに遅れるなんて多分、生涯で初めてだったと思います。
待ち合わせをしていた相手の電話で目が覚めました。
考えてみればあれは神様からの目覚まし時計でした。
その日1日は不思議な日で、ワクワクすることとか、どうしようもなく凹んじゃうこととか、人を大事に思ったり、信じられなくなったりすることとか、みんなそんな宇宙を自分の中に持っているんだなと感じた1日でした。
朝寝坊をして相手を待たせてしまったこと。
宇宙の端っこを垣間見てドキッとしたこと。
そういえばあの日は一生忘れない出来事に出逢った1日だったなぁと、この曲を聴いて思い出しました。
あの日、私は眠りに落ちる瞬間まで私自身を堪能しました。
ああいう1日のはじまり
ああいう1日のオワリ
今日、1日、私の頭の中で流れていた曲を大和さんへお礼に。「みんなひとり」
http://www.youtube.com/watch?v=PK0rgpBqncQ