クローズアップ現代出演 あとがき [2011年06月28日(Tue)]
昨日のクロ−ズアップ現代、無事の放映が終了しました。
NHK植松さん、国谷キャスター、戸田さん、スタッフのみなさまありがとうございました。 また、あしなが育英会の方には事前に色々とディスカッションをさせていただきました。大変勉強になったと同時に、今まであしなが育英会がこの国で行ってきたことの重要性を改めて感じました。 鹿児島の空のもと生まれ育った私が千年に1回の震災にこの仙台の街に居る意味を考えています。 私の父は戦争遺児でした。 ルソン島で祖父は幼い息子を遺して亡くなったのです。 私の父は大変聡明な人でしたが、貧困のため高校進学をあきらめ、中学を卒業してからすぐに働きました。 その父は8年前に亡くなりました。 彼は学こそなかったですが必死にその人生を生きました。 父は私が高校(加世田高校)に受かった時、それはそれは喜びました。 「自分が行きたかった高校に娘が受かった」と涙を流して喜びました。 そしてお気にいりの焼酎を飲んでだれやめ(晩酌)をしました。 父は加世田の海をこよなく愛していました。 私もまたそうです。 それと同じように三陸の人たちはその穏やかなリアス式の海を愛し、そこで生まれ育ちました。 その愛する海が津波となって家族を奪い、家を奪い、仕事を奪いました。 どうすれば愛する海を恨めるでしょう。 どうすれば愛する海と和解できるでしょう。 この度、クローズアップ現代に僭越ながら出演させていただきましたが、私は著名人でもオーソリティでもなく、ただただご遺族や遺児たちと共に過ごし共に涙を流している人間の一人です。 戦争遺児であった父が未来を諦めたように、この震災において遺児たちが進学をあきらめたりしないように、そんな社会の仕組みを作りたいと思っています。 子どもたちが自分の人生に希望を持てる社会をつくるのは、政治家ではなく、私たち国民一人一人なのだと思います。 そして子どもたちが自分らしく生きていけること、これが遺児支援の目指すところなのだと私は思っています。 Tweet |
Posted by
高橋聡美
at 21:59