わかちあいの難しさ [2009年08月29日(Sat)]
私は犯罪加害者のご家族のわかちあいと、大切な人を亡くされたわかちあいの2つのわかちあいに関わっています。
わかちあいの司会をする人を「ファシリテーター」と呼び、私はそのファシリテーターをやっています。 グループによっては当事者だけの自助グループによるわかちあいを行っているところ、ボランティアスタッフがファシリテーターを務めるところ、オブザーバーに有識者をつけるところなどなど様々です。 私はボランティアスタッフとしてかかわっているわけですが、ボランティアというのは大変難しいものだと、いつも思います。 当事者ではないので、所詮想像でしかその痛みは分かりませんし無知がゆえにご家族を傷つけてしまうこともあります。 誰かに癒しの場を提供しようと、わかちあいの会を開催したところ、知らない間に会の中でその人たちを傷つけてしまうという矛盾したことが起きたりするわけです。 そんな時は「私はいったい何をやっているんだろう?」と自己嫌悪に陥ります。 また、中には高橋聡美は研究者だから、ご遺族やご家族を研究対象にしてるだけじゃないか?と思いこんでいる方も少なくないようです。 マイノリティの人たちへの理解を社会に向けて啓発していくのは、私達アカデミックな世界の人間の役割だと思っていますが、皆さんの承諾なしに皆さんのことを外で語ったりはしませんし、まして研究材料などにしたりはしません。わかちあいの中でお会いした人たちのことやそこで語られたことは、家族にさえ話さないのですから。 地道に信頼関係を築きつつ、安心できる場所を提供できればと思います。 わかちあいで嫌な思いをされた方がおられましたら、この場をお借りしまして心から私の不徳をお詫び申し上げます。有意義なご意見を頂戴しながらよりよいわかちあいの場を作ってまいりたいと思います |
Posted by
高橋聡美
at 00:15