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生活の質とAutonomy:自律 [2011年02月26日(Sat)]
6年前修士論文の調査で、統合失調症患者のQOL調査をしたことがありました。
我が国の医療政策は在宅に向けて進んでいるけど、長期に入院させられた挙句に外に出された患者さんというのは、幸せに暮らせているのか?というのが当時、スウェーデンから帰国したばかりの私が抱いた疑問でした。

結果は、入院患者さんと在宅患者さんと差がほとんどありませんでした。
長期入院患者さんの中には「三食のご飯が出て、看護師さんによくして頂いてありがたいです。」と入院生活に満足されている方が多数いらっしゃいました。
逆に、在宅の患者さんは「もっといい仕事に就きたい」「海外旅行をしたい」「もっと広い家に住みたい」と、不満を沢山抱いていらっしゃいました。
未来を描く人は現状に不満があり、未来に希望や期待のない人の方が現在の生活に満足していてQOLが高く出るという皮肉な結果となりました。

現状への不満は、自分の人生をよりよくしようという意思の現れであり、よりよい人生を送るためにある程度必要な要素だと言えます。逆に不満のない人生は期待のない人生と言ってもよいかもしれません。そういった意味で、「今の生活への満足」と「人生の質」というのはイコールではないということだと言えます。

データを詳しく分析するうちにおもしろいことがわかりました。
入院患者の中でも閉鎖病棟より開放病棟の患者の方が生活の満足度が高く、在宅の中でもグループホーム居住者は生活の満足度が高いという結果が出たのです。これはいったいどういうことを意味するのでしょうか。

グループホームの患者はインタビューの中で「家族から独立できてうれしい」「自力で生きている感じがする」という声が聞かれ、自分自身の生活を自分でコントロールできているという実感があるように伺えました。一方、自宅で暮らす患者でも、家族の経済に依存していたり、職の無い患者に関しては「家族と一緒にいるのが苦痛だ」「一人暮らしがしたい」「親が干渉する」などの声が聞かれ、家族が患者の生活をコントロールしようとしている様子が伺えました。
病棟においても同様で、閉鎖病棟は鍵がかかり自分自身の生活を自分でコントロールできる環境になく、より「自律」して生活できるのは開放病棟の方です。

つまり、患者の生活の質は自律:Autonomy と関連するのではないかと考えられました。家族や支援者は患者の支えになりますが、支援者が「支援」「ケア」と思って患者に対して行っていることが患者の主導権を奪ってしまえば、逆に患者のAutonomyを侵害し生活の質を下げかねないということです。

昨日のブログにも書きましたが、支援の主体は誰であるのか?ということを忘れずに、当事者の主導権を奪わないこと・その人自身を尊重することが患者の自律を促し、ひいては彼らのQOL向上につながるのだと思います。
Posted by 高橋聡美 at 09:11
この記事のURL
https://blog.canpan.info/satomilab/archive/149
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