子どもとの関わりかた [2011年02月09日(Wed)]
私は普段、学生の相談を受ける立場にありますが、色んなケースを知るにつけ、「自分は母親として大丈夫かな・・・」と私自身の子育てに不安を覚えます。 もちろん、正しい接し方などないのですが、厳しく接すれば、「子どもをコントロールしてないかな?子どもの人格を尊重してるかな?」と不安になり、優しくしたらしたで「干渉しすぎてないかな?」と、あるいは逆に自立を促せば促したで「放任になってないかな・・・」と自問は尽きず手さぐりです。 以前にある知人のお子さんが不登校になり、相談を受けたことがありました。そのご家庭は、大変穏やかな奥様に、良識ある旦那さん、その穏やかな家庭の中でお子さんはすくすくと育ったのですが、親の知らない間にお子さんは学校での友人関係で悩みを抱え、不登校となったそうです。 親御さんはもちろん「こうなるまでうちの子は私たちに何も悩みを話してくれなかった。自分たちの何がいけなかったのか」と、考えたわけですが、何かとりわけ問題になるようなものがあるようにも見えませんでした。 ただ、ひとつ、奥様がこんな風に言っていたのが気になりました。 「私は色んな感情を抑えて、家庭内がいつも穏やかであるように今まで努力してきました」 「なぜ感情を抑えて暮らしているのですか?」と訊きましたら、彼女は小さい頃、家庭内暴力のお父様の元で育ち、家庭内で大声を出すことはおろか、小さな諍いも家庭内で起こしたくなかったと話してくれました。 家族の中で家庭内暴力がある場合は、子どもたちは自分の心を保てないほど心を痛めるわけですが、家族の中で感情を出し合わない家庭というのも、それはそれで子どもの感情の成長に影響があります。 両親が夫婦喧嘩をしないことが必ずしもいいわけではなく、例え少々派手な夫婦喧嘩をしても、「喧嘩をしても、お父さんとお母さんはまた仲直りをする」ということを子どもが学習することの方が、対人関係を学ぶ上で大事だと思います。 彼らが社会に出て、誰かとぶつかった時、「喧嘩したからもうおしまいだ」と思うのか、「喧嘩しても信頼は崩れてないし関係は修復できる」と思えるのかは、どんな感情のやり取りと修復を生育過程で経験してきたかということに影響されます。 こんなことを書きつつも、私もまた子育てに迷える一人の母なのですが、「どんな感情を出しても大丈夫。ここは出してもいい場所で、どんな感情を出しても私たちの信頼関係は崩れたりはしないんだよ」ということを子どもたちに伝えて行けたらいいなと思っているところです。 |
Posted by
高橋聡美
at 22:35
言うまでもありませんが、ブログに書かれた事例は個人が特定されないように事実を改編しています。
不登校だった彼女はフリースクールに通い昨年春、自分の道を彼女なりに見出し大学に入学しました。
自分を見失ったままレールの上を歩くのがいいのか、迷いながらも遠回りして自分の道を行くのがいいのか。
それは人それぞれですが、私は私の思い描く人生を歩みたいし、娘たちも社会や常識にとらわれず自分らしく生きてほしいなと思います。