「クロネコヤマトのビッグなプレゼント」
―日本財団 子ども第三の居場所へ―
子どもたちの多くは学校、学習塾と家庭の往復です。特に経済状況や家庭環境に課題を抱える子どもは学校と家庭、特に一人親家庭においては子どもたちはスマホだけの孤独な生活になりがちです。原因は子どもたちのコミュニティが崩壊したからです。
日本財団では、子どもたちが自由に集まれる第三の居場所づくりを全国に展開しており、現在236ヶ所が活動をしており、これらの場所では子どもたちの笑い声が絶えず、場所によってはおじいさんおばあさんとの世代間交流も活発で、予想以上の素晴らしい成果を上げています。
このたび「クロネコヤマト」さんからこれらの「子ども第三の居場所」にビッグなプレゼントを戴きました。1回きりのプレゼントではなく、継続的なプレゼントです。
私が説明するより12月11日付朝日新聞(デジタル)の記事の方が説得力がありますので、以下全文を借用しました。
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贈答品のお菓子に喜ぶ子どもたち=2024年11月18日午後4時1分、さいたま市、杜宇萱撮影
まもなくお歳暮シーズン。全国各地で年末のあいさつが交わされる陰で、品質に問題はないのに、箱のわずかなへこみや汚れを理由に捨てられる商品も。「もったいない」をなくすため、子どもたちに贈る動きも出ている。
「おやつを食べたい人は手を洗ってください。きょうは特別メニューです」
11月中旬の午後、NPO法人「さいたまユースサポートネット」(さいたま市見沼区)が拠点とする建物の一室で、プロジェクトマネジャーの武原忠志さん(69)が呼びかけた。
その場にいた小学生約20人に配られたのは、高級チョコレートブランドの焼き菓子。1年の男児(7)は「初めて食べた。もっと食べたい」。
高級焼き菓子、青森産果汁100%リンゴジュース…同法人には今年度から週1回、こうしたお菓子などが届くようになった。どれも一流ホテルのプチケーキや果汁100%の青森県産リンゴジュースといった、高額なものばかり。代金は送料も含めて無料だ。
贈答品のお菓子に喜ぶ子どもたち=2024年11月18日午後4時1分、さいたま市、杜宇萱撮影
武原さんは「子どもたちの舌が肥え過ぎるのも困る」と笑いつつ、「予算が限られる中、とてもありがたい」。スタッフの森本千世さん(42)は「(物流が増える)お中元の時は届く品がいつもより多かった。お歳暮シーズンも増えると思う」と言う。
同法人は2021年度から週3回、放課後の居場所に困った児童たちに遊び場を提供している。日本財団(東京都港区)が全国の子ども支援団体に助成し、それぞれの拠点などで展開する「子ども第三の居場所」事業の一環で始まったもので、このお菓子の「プレゼント」も財団のプロジェクトだ。
プロジェクトは運送大手のヤマト運輸(東京都中央区)と共同で実施。財団によると、今年5月から本格運用し、10月時点で「第三の居場所」など全国158施設に食料品や日用品を送り届けている。
廃棄予定の食品や生活用品を子どもたちのもとへ
届けられるのは、運送の過程で外装に傷や汚れがつき、廃棄される予定だったもの。百貨店の贈答品なども含まれ、品質には問題がないため、「もったいない」として、子どもたちに寄贈することにしたという。
包装紙も含めて「ブランドイメージ」なぜ品質に問題のない商品が、捨てられなければならないのか。
輸送業界団体である全日本トラック協会(東京都新宿区)の担当者は、「荷主によっては、荷物の包装紙も含めてブランドイメージと考え、外装の破損によって商品そのものの価値を損なったと損害賠償を求めてくることもある」と話す。
ただ、国土交通省が定めた標準約款によれば運送に適した荷造りをする責任は荷主にある、とされている。
それでも契約によっては、届けられなかった商品について運送業者が弁済費用などを負担しなければならない。ある百貨店大手では、破損した荷物のうち運送業者が費用を負担することになったものが昨年度1年間で約1600件に上ったという。
受け取り拒否の27.9%が「品質に異常なし」破損があったとしても一定程度であれば、商品として許容できる、という契約の基準が荷主と運送業者の間で設けられていることもある。しかし、協会が10年前に実施した調査では、受け取りを断られた荷物の27・9%が、軽微な汚れや傷だけで品質に異常は認められなかった。
運送の過程でついたとみられる洋菓子の箱のへこみ。これまでは中身ごと廃棄されていたが、子どもたちのもとへ届けられ、おやつとして配られた=2024年11月18日午後2時21分、さいたま市見沼区、中野浩至撮影
「送り先に受け取りを拒否されれば運送業者としては持ち帰らざるを得ない」と協会の担当者は話す。こうした荷物が転売されれば値崩れを起こすおそれもあるとして、運送事業者が損害賠償をしたにもかかわらず流通を防ぐ目的で廃棄を指示する荷主もいたという。
物流コンサルティングの船井総研ロジ(東京都中央区)の田代三紀子執行役員は、「荷物が人の手に触れる回数が多いほど破損のリスクが高い」と指摘する。運送大手では、複数の拠点を介して集荷と配達を繰り返すため、その分だけ荷物を落としたり、ぶつけたりする危険があるという。
「消費者も寛容な受け止めを」破損防止に向けた様々な対策は取られているが、すべての荷物を無傷で届けることは難しい。
田代さんは消費者の意識改革も必要だと訴える。「日本の消費者は、お店に並んでいるような、きれいな状態で荷物が手元に届くことが当たり前だと思う傾向にある」と指摘。「人手不足にあえぐ運送業界にとっては、それが重くのしかかっているということを知ってほしい。持続可能な社会を維持するためには、消費者自らの行動を改めて見直すことも必要ではないか」
(中野浩至)