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【私の毎日】6月30日(日) [2024年06月30日(Sun)]

6月30日(日)

15:00 安倍元総理・三回忌法要 (於: 増上寺)

16:00 直会 (於: 東京プリンスホテル)

【私の毎日】6月28日(金) [2024年06月28日(Fri)]

6月28日(金)

6:35 財団着

9:00 鈴木真理 東京財団政策研究所常務理事

10:30 Yavuz Dede IHH・Vice President(トルコのNGO)

11:30 Kyaw Tun 駐日ミャンマー大使館駐在武官

14:00〜16:30 笹川平和財団

終日 財団内打合せ、原稿書き、寄付金への礼状書き

「下着のおしゃれに注意」―ロシアでレースの下着禁止― [2024年06月28日(Fri)]

「下着のおしゃれに注意」
―ロシアでレースの下着禁止―


以下Newsweekの4月30日付記事のご紹介です。

**********************


お気に入りの下着が重大な感染症の原因になっているかもしれない。そう警告するのは婦人科医だ。

1.jpg


レースのランジェリーはエレガントだが、下半身に与える影響は魅力的ではない。2014年以来、ロシア、ベラルーシ、カザフスタンでは衛生上の理由から一部のレースの下着の販売と輸入を事実上禁止している。

レースの下着がどれほど身体に悪いのかについて、アメリカの婦人科医のメラニー・ボーン医師は本誌の取材に対して、次のように述べた。

「レース素材や通気性のない合成繊維の下着は、膣などのデリケートゾーンに熱と湿気を閉じ込めてしまいます。この暖かく湿った環境で細菌やカンジダが過剰に増殖する可能性があり、それがカンジダ症(真菌感染症)や細菌性腟症などの感染症、また接触皮膚炎などを引き起こす可能性があるのです」

特にこれらの感染症にかかりやすい人として、皮膚が弱い人、感染症を起こしやすい人、糖尿病の持病を持つ人、または免疫が低下している人が挙げられるという。

レースの下着は禁止されるべきかについて、ボーン医師は次のように述べる。

「アメリカでレースの下着を完全に禁止する必要性、もしくは実現可能性はありません。しかし、通気性のある下着と膣の健康については啓発教育がもっと必要です。下着と感染症の関連性について、多くの人が気づいていません」

では、どのような素材の下着を着用すべきなのか。レースやポリエステルに加えて、PFAS(有機フッ素化合物)のような自然界では分解されない染料や化学物質を含む下着を避けるように患者に伝えているという。

一部の生理用パンツに含まれているPFAS(有機フッ素化合物)はホルモンバランスの乱れだけでなく、内分泌かく乱化学物質とされる発がん性物質が含まれているという。

通気性の高いレースほど感染症のリスクが低くなるなど、すべてのレースの下着が危険というわけではない。たとえば、股の部分にコットンの裏地がついている下着は、完全に合成素材でできているレースよりもいいという。

それでは私たちはどんな素材の下着を着用すべきなのか? 

「日常用にはオーガニックコットン、竹(バンブーファイバー)、または麻(リネン)が理想的です。しかし、セクシーな下着を着用したいけれども同時に健康も維持したいのであれば、シルクやバンブー(竹)素材のランジェリーをおすすめします。これらの天然素材は通気性がありながらも、手触りもなめらかで高級感がありますから」

【私の毎日】6月27日(木) [2024年06月27日(Thu)]

6月27日(木)

6:50 羽田着

15:08 財団着

18:30 夕食会

終日 打合せ、原稿書き、寄付金への礼状書き 

【私の毎日】6月26日(水) [2024年06月27日(Thu)]

6月26日(水)

7:00 朝食

9:00 ミャンマー和平関係者Dとの会談

11:00 ミャンマー和平関係者Eとの会談

12:30 関係者との昼食

16:00 ミャンマー和平関係者Fとの会談

17:00 ホテル発

19:00 ヤンゴン発

21:00 バンコク着

22:45 バンコク発

「新たに4つの海山発見」―日本財団-GEBCO Seabed 2030プロジェクト― [2024年06月26日(Wed)]

「新たに4つの海山発見」
―日本財団-GEBCO Seabed 2030プロジェクト―


日本財団-GEBCO Seabed2030プロジェクトは、日本財団とGEBCO(General Bathymetric Chart of the Oceans: 大洋水深総図)の共同プロジェクトで、2030年までに全海洋の決定的な海底地図を作成することを目的とした事業で、2017年から開始された。今回そのパートナー機関であるシュミット海洋研究所から以下の記事が公開されましたのでご紹介いたします(原文英語)。

************************


シュミット海洋研究所の専門家が最近発見した4つの海山のうち最大のものは、高さ2,681メートル、面積450平方キロメートル、海面下1,150メートルに位置している。2024年1月にコスタリカからチリへの測量航行中に発見された。 − シュミット海洋研究所

シュミット海洋研究所の研究船ファルコール号の乗組員は、1月にコスタリカのゴルフィトからチリのバルパライソに向かう航海の途中で、4つの海底山を発見した。そのうち最も高いものは高さ1.5マイルを超える。同研究所が本日発表した。

新たな海山は、大きさがおよそ1,591メートル(5,220フィート)から2,681メートル(8,796フィート)に及び、昨年11月にグアテマラ沖の国際水域でブルジュ・ハリファの2倍の高さとなる1,600メートル(5,259フィート)の海底山を発見した乗組員の発見に加わるものである。

シュミット海洋研究所の海洋技術者で訓練を受けた水路測量の専門家であるジョン・フルマーとトマー・ケッターは、マルチビームマッピングを使用して、海底の特徴がこれまでどの水深データベースにも含まれていなかったことを確認しました。技術者がコスタリカからチリへの航行中に重力異常を調べるために航路を計画したときに、海山が発見されました。海底の形状の変化は、海面のごくわずかな変化として現れます。深い溝はわずかな窪みを引き起こし、山は海の上にほとんど目に見えない隆起を作ります。これらの微妙な手がかりは、専門家が発見を行い、より優れた詳細な海底地図を作成するのに役立ちます。

「我々は幸運にも、衛星高度測定データにおける重力異常を利用して、都合の良い地図作成ルートを計画することができました」とフルマー氏は語った。「重力異常を調べるというのは、地図上の凹凸を探すという言い方を言い換えたものです。そして、実際にそうすることで、今年初めのチリでの最初の科学探検の予定通りに、これらの非常に大きな海山を見つけることができました。」

海の状態が許す限り、乗組員は調査船が移動または通過するたびに地図作成データを収集します。2012 年以来、シュミット海洋研究所の調査船 Falkor と Falkor (too) の科学者は、約 150 万平方キロメートルの地図を作成し、29 の海山、丘、海溝を発見しました。海中の山や海溝には、深海のサンゴ礁、海綿動物、イソギンチャクが生息していることが多く、山の斜面に沿って食べ物、隠れ場所、岩の表面を見つける生物と一緒に暮らしています。

1.jpg


研究船ファルコール号(写真)は、新しい高解像度のマッピング手法をテストする遠征中に撮影されました。海底マッピングは海洋研究に不可欠です。海底地形データは、海底の深さ、輪郭、物理的特徴を示します。− シュミット海洋研究所

「地図は地球を理解するための基本的なツールです。海山の位置を特定すると、ほとんど常に、研究が進んでいない生物多様性のホットスポットにたどり着きます」とシュミット海洋研究所のジョティカ・ヴィルマニ所長は語った。「海底の活気ある生物群を発見するたびに、私たちは驚くべき新しい発見をし、地球上の生命に関する知識を前進させています。」

詳細な海底地形や水深データがなければ、海洋資源を持続的に管理したり、海上で船舶を安全に航行させたり、沿岸地域を保護したりすることができません。シュミット海洋研究所は、海洋地図作成の取り組みを加速させ、2030 年までに海底全体の地図作成を目指す野心的な取り組みである日本財団-GEBCO Seabed 2030 プロジェクトのパートナーです。

「シュミット海洋研究所によるこれらの驚くべき発見は、地球最後のフロンティアを理解するための私たちの探求において、海底の完全な地図の重要性を強調しています」と、シーベッド2030のプロジェクトディレクター、ジェイミー・マクマイケル・フィリップスは語った。「海洋の75%はまだ地図化されておらず、明らかにすべきことはまだたくさんあります。海洋地図化は、地球を理解する上で、ひいては地球の保護と持続可能な管理を確実にする能力にとって極めて重要です。」

組織について

シュミット海洋研究所は、影響力のある科学的研究とインテリジェントな観察、技術の進歩、情報の公開、一般市民の関与の追求を通じて、海洋を理解し、生命を維持し、地球の健全性を確保するために必要な発見を促進するために、エリック・シュミットとウェンディ・シュミットによって 2009 年に設立されました。すべて国際的に最高レベルの卓越性をもって行われます。詳細については、www.schmidtocean.orgをご覧ください。

日本財団-GEBCO Seabed 2030 プロジェクト (Seabed 2030) は、海洋地図作成の取り組みを加速させる先駆的な取り組みです。このプロジェクトは、5 つのデータ センターを通じて世界の海洋のさまざまな部分から水深データの収集と編集を調整および監督し、無料で利用できる GEBCO グリッドにまとめます。詳細については、seabed2030.orgをご覧ください。

【私の毎日】6月25日(火) [2024年06月25日(Tue)]

6月25日(火)

6:30 朝食

7:15 ネピドー発

11:20 ヤンゴン着

11:30 ミャンマー和平関係者Bとの会談

14:30 ミャンマー和平関係者Cとの会談

16:30 丸山市郎・駐ミャンマー日本国大使

18:00 関係者との夕食

【私の毎日】6月24日(月) [2024年06月24日(Mon)]

6月24日(月)

5:15 ホテル着

6:15 ヤンゴン発

7:15 ネピドー着

9:00 ヤー・ピェ・内務大臣との会談

10:30 ルウィン・ウー・外務副大臣との会談

13:30 ミン・アウン・フライン・国家行政評議会(SAC)議長兼首相兼国軍司令官との会談

15:30 トゥン・トゥン・ナウン・国境大臣との会談

16:30 ホテル着

18:30 関係者との夕食

「在宅看護センター」―起業家育成10周年― [2024年06月24日(Mon)]

「在宅看護センター」
―起業家育成10周年―


笹川保健財団の喜多悦子会長はWHOをはじめ世界各地で地域医療を実践され、九州の赤十字大学で学長を勤められた後、人生最後の仕事は日本各地の、ともすれば病院が遠隔にある地域の医療を充実するための在宅看護センターの普及こそ大切だとの熱意のもと、ベテラン看護師を在宅看護センターを経営する企業家として育成する事業を立案の上活動され、今年で10年の節目となります。6月11日、帝国ホテルで武見敬三厚生労働大臣も出席され、盛大な集まりがありました。

日本財団の会議室で6-8ヶ月の研修を受講された看護師は130名を超え、全国各地で地域医療に懸命に活動されている。喜多会長のご指導よろしきを得て、落伍者はゼロであり、結束は固くネットワークを構築して地域医療、特に患者さんへの自宅訪問は大好評であり、この方々を中核に更に全国に拡大すべく喜多会長の情熱はとどまるところを知らない。

私たちの夢は診療看護師(ナース・プラクティショナー)制度の導入であります。欧米では既に実施されていますが、日本では看護師は日本医師法により、医師の補助員との位置に甘んじています。欧米では老齢者の慢性症(高血圧、糖尿病など)に対しては、診療看護師に薬剤の処方が認められています。医師会、薬剤師協会の大反対がありますが、高齢化社会の日本において在宅で病む患者には看護師による在宅訪問看護は不可欠です。

以下は当日の私の挨拶と、2021年8月4日付産経新聞の「正論」です。

************************
ご挨拶


於: 帝国ホテル


ご紹介賜りました、というよりも一度は顔を合わせておりますが、日本財団の笹川陽平です。素晴らしいですね、この熱気は。感動です。本当によく勉強いただき、特に喜多先生が在宅看護をされたいという強い意思をお持ちでした。「仏の喜多」か「鬼の喜多」かわかりませんが、礼儀作法を含め厳しい指導があったと思います。それだけに、皆さんがそれぞれの地域で素晴らしい活動をしているという報告をいただき、大変我々は感動しております。

地域医療における在宅看護の重要性はいまさら言うに及ばずです。地域で困っている方が沢山いらっしゃり、自宅まで訪問して面倒を見て下さる方がいるのがどれだけ、看護を受けられる方にとって心強いことでしょうか。この核がさらに大きくなって日本全国に普及していくことを期待しています。今や少子高齢化と言われますが、多くの方が在宅の中で悩み苦しんでいます。日本語のことわざに「終わりよければすべてよし」という言葉がありますが、愛のこもった看護、そして何よりお年寄りは話し相手が欲しいのです。それを受け止めて、ご老人の病気のみならず、家庭生活や様々な話を聞いてあげるということが精神衛生上大切ですし、次の来訪が楽しみになります。

通常の医療では行き届かないところを、皆さんが足を棒にして訪ねて下さるのは崇高な愛情の賜物です。本来医療はそうあるべきと思いますが、病院の治療というものにはある程度限界があります。そうした中で、喜多先生の指導を受けられた皆さんがともすると交通事情も難しいところに労をいとわず行かれているのは大変有難いことです。私は亡くなられた日野原重明先生と一緒にホスピスナースを養成しました。最初16名の方が来ました。その時分医学界では「ホスピスナースに何の意味あるのか」「医療は医者がやるものだ」という状況で、16名のうち15名は退職して東京に来てくださいました。唯一徳島県だけはホスピスナースが必要ということで、県がお金を出してくださいました。今や4000人以上のホスピスナースを育て、そうした人が核となって「今やホスピスナースは当たり前だ」という時代になりました。

在宅看護も同じよう「在宅看護をしてくれる人がいないとやっていけない」という時代になります。いやもうなっています。しかし行政、国の力では改革が難しく、皆さんがその先兵となって素晴らしい成績をあげて下さっています。今の報告にもありましたが、100億円の規模になったとのことで、これが10倍の1000億にすれば、厚生労働省も国も動かざるを得ません。私の夢はNPと申しましょうか、ナース・プラクティショナー、診療看護師になって欲しいのです。医師法によれば、看護師は医師の補助員という位置づけになっておりますが、時代錯誤です。国家試験に受かって2〜3年の人に、現場で20〜30年経験のある看護師さんがかしずく時代ではありません。慢性医療の薬などは、皆さんで十分処方できます。将来は何としてもNPまでもっていくということは私の気持ちですし、何遍も新聞などに書いているのですが、あたりが悪いです。しかし諦めずネバーギブアップでいかないといけません。

皆さんはいち看護師ではなく経営者になっておられ、これは凄いことです。こうした日本の閉塞した状況を変えないといけません。日本の国を良くするのは皆さんです。志の高い皆さんなんです。鬼か仏の喜多先生に習ったことやネットワークを活かして、皆さんが日本社会を変えていくという覚悟をもって、時代の変革を出来るのです。これは団結力でありネットワークです。それを皆さんにお願いしたいのと同時に、誇り高い仕事をしていることを自覚してください。今、日本本財団に就職したいという人は有難いことに大勢いらっしゃり、社会の為に尽くしたいという志の高い若い人が増えている状況です。その先駆者が皆さんです。仏の皆さん、神様の皆さん、ここから見ると神々しく正視できません。もしかしかしたらライトの関係かもしれませんが(笑)、皆さんの顔がまぶしくて見えません。この核を、日本の医療制度を変えるために活かしてください。皆さんは、病院に通えない人が満足して死ねるように悩みを聞いてあげ「あの看護師さんが来てくれてよかった」と思われる素晴らしい才能をお持ちなのです。日本の医療制度の中にNPを作るというモデルになっていただきたいと思います。ご苦労様です、宜しくお願い致します。

************************
一診療看護師制度の導入を目指せ―


産経新聞【正論】
2021年8月24日


 新型コロナ禍に伴う外出自粛でやや減っているものの大手病院の外来には相変わらず長い列ができている。「3時間待ちの3分診療」と言われた一昔前よりは改善されたようだが、医療現場は昔も今も飽和状態にある。

 ≪医師の指示なしに一定の医療≫
 経済協力開発機構(OECD)が平成29年にまとめた調査によると、人口千人当たりのわが国の医師数は2.4人、看護師は11.3人。当時の加盟国36カ国で見ると、医師数は32位、看護師数は10位。高齢化に伴う医療需要の急増、多様化を前にすると、このままでは医療の逼迫(ひっぱく)はさらに進む。

 打開策として医師の指示を受けずに一定レベルの診断や治療を行うナース・プラクティショナー(NP=診療看護師)と呼ばれる新たな資格制度を導入する動きが各国に広がっている。看護師が自らの判断で裁量できる医療行為の範囲を広げることで全体の効率をアップし、医師、看護師不足の緩和を図るのが狙いだ。

 その効果と実績は既に各国で証明されている。加えてわが国には高い志と才能を持った多くの看護師がいる。新たな資格制度として早急に取り入れるよう提案する。日本医師会は制度の導入に消極的と側聞するが、国民に対する医療サービスが強化されるばかりか、医師の負担軽減にもつながる。

 ≪米国では22万人が資格取得≫
 NP制度は米国やカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、オランダ、アイルランド、シンガポールなどで導入されている。看護師資格の保有者が修士課程以上の大学院で専門教育を修め、国家試験に合格するとNPの資格を得る。医薬品の処方や初診対応、検査の指示や治療を判断する権限を持ち、米国では平成28年時点で看護師の約8%、22万人が資格を取得している。

 これに対し、わが国では、「医師でなければ、医業をなしてはならない」とする医師法の定めで看護職は医師の判断、指示がなければ、医療行為を行うことはできない。平成26年には一定の範囲で診療行為を行う特定看護師制度がスタートしたが、あくまで医師の指示の下で行う診療補助に留(とど)まる。また日本版NPと呼ばれる診療看護師制度もあるが、民間の資格であり、国の資格である外国の制度とは本質的に異なる。

 この結果、高血圧の慢性疾患を抱え、訪問看護ステーションの訪問看護を受けながら在宅療養をする高齢者を例にとると、患者を最も知る看護職が、特段の症状の変化もなく同じ薬を飲めば十分と判断しても、医師の指示がなければ使用できない。医師が多忙で指示が得られないまま症状が悪化するケースも少なくない。

 さらに全国で約600カ所に上る無医地区には、半径4キロ以内に50人以上が住みながら近隣に医療機関がない。人は医療がなければ生活できず、人口も流出する。訪問看護ステーションは全国約1万3000カ所に整備されている。1施設当たり平均5人の看護職員(看護師、准看護師、保健師、助産師)が勤務し、医薬品の処方が認められるだけでも無医地区の医療は大きく前進する。

 診療看護師制度が導入されれば、そうした流れを後押しし、高齢者にとって何よりも必要な“診てくれる人”との対話も生まれる。政府が目指す地域包括ケアシステムの構築にもつながろう。

 日本看護協会も昨年9月、自民党看護問題小委員会宛てに「ナース・プラクティショナー(仮称)制度の創設に関する要望書」を提出、世界標準に沿った本格的な資格制度の創設を求めている。

 日本財団も笹川保健財団と協力して、米国、カナダの大学院の修士、博士課程への留学を希望する看護師に年間1200万円を支援する奨学金を立ち上げた。予定は10年間で100人。先進的な看護技術を身に付け、大いに活躍してほしく考える。

 ≪医師の補助的立場からの解放≫
 診療看護師制度は、看護師を医師の補助者の立場から解放する。診療看護師が先頭に立って看護の目線で看護の在り方を追求することで、今回のコロナ禍でも課題となった71万人の潜在看護師が医療現場に復帰するための条件整備も進もう。

 新しい看護の在り方を日本から国際社会に発信するケースも期待できる。導入に伴う波及効果は大きい。

 令和2年版厚生労働白書は、高齢者人口が35%3900万人とピークに達する20年後には、全就業者の20%に当たる1070万人の医療・福祉従業者が必要になると推計している。

 少子化が進む中、短期間に大量の人材を育成するのは難しい。まずは限られた人数で効率的に現場を回す工夫が必要となる。診療看護師制度の導入こそ、その契機となる。

 医療現場で働く看護職は平成28年現在で166万人。うち看護師は121万人。90%以上を女性が占める。診療看護師制度の普及は、ポストコロナの時代の女性の社会進出にもつながる。

(ささかわ ようへい)

【私の毎日】6月23日(日) [2024年06月23日(Sun)]

6月23日(日)

9:20 羽田着

10:50 羽田発

14:45 バンコク着

17:05 バンコク発

18:00 ヤンゴン着

18:15 高僧との面会

19:15 ミャンマー和平関係者Aとの会談

20:30 丸山市郎・駐ミャンマー日本国大使

22:45 ホテル着
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