「HEROs AWARD 2021」
―マサカリ投法・村田兆治さん受賞―
日本財団が、アスリートによる社会貢献活動の促進から社会課題解決の輪を広げていく「HEROs 〜Sportsmanship for the future〜」プロジェクトを2017年から実施。スポーツやアスリートの活動を社会に発信し、社会課題解決の加速につなげようと、毎年12月に「HEROs AWARD」を開催している。
以下、私の挨拶と表彰者のコメントです。
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2021年12月20日
於:ホテル・オークラ
師走のご多忙の中、多くの皆さんにお集まりいただき感謝致します。今年のオリンピック・パラリンピックも大成功に終わり、諸外国からは「流石、これは日本でなければできなかった」「このコロナの中でよくぞ開催した」と高い評価を受けました。それも、お集りの皆さま方の素晴らしいご活躍があったからこそです。そうした中、今年も多くの皆さんのご協力のもとHEROs Awardが実現しましたことに心から感謝申し上げます。
皆さま方の社会貢献活動が、どれだけ子どもたちや若い人々に勇気と希望を与えているかということについては皆さんの想像を超えるものだと思います。恐らく皆さん方が「行ってよかった」「活動して良かった」と思う数十倍の夢、希望そして自信を子供たちに与えてくれたことは間違いのないことです。東日本大震災のときにも多くの方が活動されましたが、それから10年過ぎて今や皆さまの活動が社会の一部として定着してきました。
人間は一人では生きていけません。皆さま方が今まで関係者から協力いただいて、日本を代表する素晴らしいアスリートになられたことに対する恩返しの為に社会に還元したいという大変純粋な気持ちでお手伝いを頂き、社会の為に働いていらっしゃることに心から感謝を申し上げます。更に多くのアスリートの方がこうした活動に参画してくださるということが、これからの日本を背負う子どもたちや若者に夢と希望と大きな情熱を与えてくれるものと確信をしています。
昔、野球の神様と言われるベーブ・ルースという選手が、難病の子供を見舞いに行った際に「明日ホームランを打ってほしい」という願いを聞き、本当にホームランを打ったということで、世界中のニュースになったことがあることを記憶しています。皆さま方の力は皆さま方が思っている以上に、人々に大きな勇気や希望を与えるものであるということを、ご理解賜れれば幸いです。
日本には様々な社会課題があります。皆さま方から情報を発信していただき、仲間を増やし、アスリートの皆さんが社会を変えていくということを実現して頂きたいと日本財団は願っています。今日は一年間素晴らしい活動をされた方が表彰されます。受賞される皆さんに心から厚く御礼とお祝いを申し上げます。
一年に一度の集まりです。どうぞ皆さん、テーブルに固まらず、大いに交流の輪を広げてください。そして楽しい一夜に致しましょう。お集まりいただきありがとうございました。
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2021年度の表彰の中に、かつてロッテオリオンズで現役時代身長186pの右腕から最速150キロを投げ「マサカリ投法」で通算215勝を挙げファンを沸かせた村田兆治さんが選ばれた。

村田さんは「離島甲子園」の開催に尽力した(撮影・岡田剛)
村田さんは現役引退後、100回以上も離島の子どもたちに野球を教え、全国の離島の球児が一堂に集まる中学生野球大会「離島甲子園」を開催してきた。
村田さんは「社会に貢献したいという思いで、体の動く限り、子どもたちのために投げてきた。子どもたちには人として成長してほしいとの思いで、愛情を持って背中を押してきた。活動を通じて出会った多くの人たち、地域の方々の支えがあって賞をいただけた」と感謝を口にした。
プレゼンターは、離島甲子園出場者として初めてドラフト指名を受けた菊地大稀さん(新潟・佐渡島出身、22年育成ドラフト読売巨人軍6位指名)が務めた。菊地さんは巨人への入団が決まっている。
他に、東京2020五輪陸上女子100メートル代表の寺田明日香選手が受賞。「A-START」プロジェクトとして。新型コロナウイルス感染拡大の影響で練習環境がままならない学生アスリートとトレーニング法や食事について学ぶオンラインプログラムを実施。また、寺田さんと学生が一緒に練習する場もつくった。
寺田選手は「参加した学生が自己ベストを出してくれて、高いモチベーションで取り組んでくれた。五輪を目指す大事な時期だからこそできたことで、学生と過ごした時間も大きな影響を与えてくれた。学生、その下の世代にもどのようにアプローチできるか考えながら競技を続けていきたい」と話した。
(蛇足)
なお、当日はノンアルコールでテーブルも8人座席を5人とし、招待者も大幅に減らしてコロナ対策に万全を期して開催しました。