「新型コロナとたばこ」その1
―今こそ禁煙に踏み切る絶好の機会―
新型コロナウイルスの感染が世界に拡大する中、喫煙者は感染しやすく、重症化するリスクが高いとして禁煙を呼び掛ける動きが内外で顕著となっている。
私は2008年以降、当時1箱(20本入り)300円前後だったたばこ価格を1000円とするよう何度か提案してきた。そのたびに賛否両論、極端な反応にはバカ、死ねというものまであった。メディア記者の反応はことのほか鈍く、両論併記が常であった。当時、左手にたばこ、右手で原稿を書くのが記者のスタイルとされ、反応は鈍かったが、時代が変わってパソコン時代となり、両手を使う必要性から禁煙者は大幅に増加したようだ。
私の考えは価格を欧米並みに引き上げることで禁煙を後押しし、非喫煙者が他人の「副流煙」を吸い込む受動喫煙を減らすのが狙いだった。このたびの新型コロナ禍は、自分の命を守り家族を守って喫煙を止める絶好の機会。「今こそ禁煙を」と改めて訴える。
外電によると、呼吸器系や肺の専門家、医療関係者などでつくる国際結核肺疾患連合は4月6日、新型コロナウイルスのリスク低減に向け、喫煙者に禁煙を求めるとともに、たばこ会社に製品の製造と販売の停止を呼び掛けた。喫煙によって免疫系が低下し弱まった肺が、新型コロナに感染すると、さらにダメージを受け重症化する確率が高まるためだ。
日本禁煙学会(作田学理事長)もこれに先立つ3月30日、タバコ問題情報センター(渡辺文学代表理事)と連名で、「新型コロナに罹患しない・させないために」と題し、「禁煙をする」、「受動喫煙を避ける」よう呼び掛ける緊急提言を発表している。
日本たばこ産業(JT)の全国たばこ喫煙者率調査によると、18年の成人男性の平均喫煙率は27.8%、女性は8.7%。08年から10年間で男性は11.7%、女性は4.2%減っている。確実な減少傾向にあるが、成人男性で見ると、なお1400万人が喫煙している計算。“禁煙先進国”に比べ未だ高い水準にあり、日本禁煙学会では新型コロナ禍を機に一層の活動強化を目指している。
しかし、植木等の歌の文句ではありませんが、「わかっちゃいるけどやめられない」が喫煙者の率直な気持ちでしょう。しかしあなたの命に関わる問題です。どうぞ一服吸いながら真剣に考えてください。